浜矩子のレビュー一覧
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グローバル化の波は過去にもあり、アダム・スミスが「国富論」を書いた1776年も産業革命をはじめ、世界が大きく動いた時代だった。そして現代、正真正銘の国境なき時代を迎えている。
ヒト・モノ・カネは自由に国境を超える今日、しかし、国々とその政策がグローバル化するまでには至っていない。
モノとカネのグローバル化により、引きずり回されるヒト。問題の多くは経済に起因するが、その解決は政治的な力を必要としている。そして、その行方を左右するのは、人々の考え方だ。
この本をテキストとして、浜先生からの講義を受けた。経済や金融の政策の在り方も重要なポイントだが、市民社会の在り方、人々の共同やつながりについても、問題解決のカギがあることを示唆していて、非常に興味深かった。
自身においては、世の中のあり方を考えるために、経済の勉強をすすめることと、協同組合で働いているということもあり、その可能性を追求していかないといけないと感じた。 -
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やや大味
現在の世界情勢を踏まえて、アジア、アメリカを中心としたシナリオを論説しているが、若干煽っている部分もあり、楽観派・悲観派含めて、開設してもらうと、よりリアリティーを感じることができたのではないかと思う。
いずれにせよ、現在の状況を考えれば、最悪の事態は想定されるわけで、最悪を避けるためには日本を含めてどうすればよいのかということを考えさせるような問題提起もあるとよかったと思う。 -
Posted by ブクログ
中国の舵取りの難しさの根底には、新興国だった頃の日米欧には今ほど問題とはならなかった、グローバル経済化した現代特有の条件をこなしていかないといけないところにある。逆に言えば、中国を知ることは、同時に、中国を通して見えるグローバル経済の実体を知ることに繋がる。例えば、著者があげるように、バラマキ政策が世界金融危機対策の有効手段となり得たくらい、不足しているインフラという自国の古典的問題に対処しつつ、環境という現代の問題にも並行して取り組むことを求められる。その一方で、大きな成長を求めようにも、「世界の」工場である中国は、自力だけでは及ばず、外国資本に頼らないといけない側面がある。
それでも、その困難をなんとか一輪車経済でここまで振り切ってきた中国。上手くやってきたとも言えなくはないが、勢い重視の政策に弊害は勿論のこと山積で、特に貿易立国の大事な資本であると同時に消費の潜在需要となり得る国民の行動の変化は国家としても一大事だと思う。著者が言うように「自分達が作る製品はまさに豊かさの象徴のようなものなのに、それを目の当たりにしながら、そこで働く自分達は前世紀のような労働環境に甘んじることを強いられる」それを感じる人々の葛藤は相当なものだろう。スト権を持たない民衆が蜂起したり、ネット規制の効力が減衰していく実態は、国家の瓦解の一角が垣間見える気がする。
ただ、「ヒト」の問題は自分にも遠い話ではないことも示唆されている。
グローバル経済下で企業が最適解を求めて生産配置をリシャッフルすれば、ある国では雇用の空洞化問題が起こるということ。著者が「まるで万華鏡のよう」とセンス良く例えていたこの事象は、一人一人が保持しておくべき危機感だと感じさせられた。 -
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アダムスミスの「国富論」は読んだことがありませんが、1700年代当時に書かれた本がいまだに利用価値があると言うのもすごいことだと思います。
国富論では、諸国の富は必ずその国に帰属するものであり、現在の様にグローバルに国を超えることは想定していない。また、スミスの時代には労働価値がそのままモノの値段に反映されていたけど、現在はモノの値段が決まり、そこに労働力を投下していると言う事。結果、比較優位の理論を越えて、企業は安い人件費を求めて、中国やアジアの国へ展開して行き、企業栄えて国滅ぶということになるのですね
ただ、個人的には安くなると言う事は、なにがしかの品質や安全が失われていると考えることが出来るので、揺り戻しはあっても良いかなと思いました。
カネの流れが世界のGDPの総額を優に超える時代。人はカネに踊らされすぎですよね。
まとめとして、これからの時代は奪い合いではなく、分かち合いが大切と言うことらしいです。 -
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ユーロ。得体の知れない通貨統合のテーマパーク。かつてユーロランドと揶揄された。基本的に現実からかけ離れた世界であり、その根底においてそもそもリアリティが欠如している。夢見る少年少女の世界であったのが、財政危機の渦中できりきり舞いになっているギリシャを目の当たりにし、ようやく現実から目を醒まし大人の世界へと立ち戻ろうとしている。恐るべきドイツを封印するため、経済の力学を完全に後景に追いやったツケが回ってきているのだ。今、ユーロはユーロランドからの脱皮が求められている。著者は処方箋らしきものを描いているが、著者自身が消火不良で無謀な机上の空論と言っている。せめて、世界は同じ過ちを繰り返してはならない。世界がなくなるわけにはいかないのである。本書のサブタイトルを骨身に徹して肝に銘じたい。
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経済に明るくない人間にもわかりやすく書かれているのは、ありがたい。
長期的にはドルが力を失い続けること、目立たないながらも円が存在感を発揮していることがわかった。
・レーガノミックスは財政資金投入と大幅減税による需要喚起策だった。金利高政策によるドル高誘導によって輸入の増加を促したことでインフレを抑えることができたが、国内産業は危機に追いやられた。プラザ合意は、アメリカに対して各国がドル高を是正するよう迫ったもの。
・プラザ合意の翌年にまとめられた前川レポートで提言されていた日本経済の構造調整(規制緩和、護送船団方式をやめるなど)が実行されなかったことが、バブルを防げなかった要因。
・97年に始まったアジア通貨危機は、日本の不良債権処理問題によって株価が暴落し、その損失を補てんするために投資家がアジアへの資金を回収したことが発端。 -
Posted by ブクログ
ベストセラーとなった、「通貨を知れば世界が読める」の続編です。
「通貨」を中心に、現在の世界経済をまとめ、こらからの方向性を示してくれています。
重要だと思ったポイントは以下。
・円高はまだまだ続く。現在の適正水準から考えると、「1ドル50円」にまではなる。
・日本が海外に持っている債権の残高と、逆に海外からの債務の残高を差し引きした「対外純資産残高」の額は、250兆円。これはここ10年以上にわたって世界一。
・日本の、政府や国全体が保有する資産から負債を差し引いた国富は2010年末で約3000兆円。このようなリッチさを誇る国の通貨に対して、評価が高まるのは当然。
・地域通貨が欧州全土でブーム状態。その数は1000〜2000種類にも上がる。
・日本の2010年の経常収支
貿易収支:約8兆円
サービス収支:▲1兆5000億円
所得収支:11兆6000億円
・今の日本は貿易赤字で大騒ぎしているが、実はその額は債券からもたらされる収入であっさりカバーされてしまうほどのもの。日本経済は貿易によって成り立っている訳ではない。
著者は、
「日本がやっていくためには、モノの輸出で外からカネを稼がなきゃいけない。そのためには、為替レートは日本円が安くなくてはいけない」
このようなセルフイメージから早めに脱却しなくてはならないと言っています。
そして、誰もがそう思えるようになった時、「円高・円安」に人々が一喜一憂しなくてすむ日本が実現すると。
結局ヨーロッパと同じく、アメリカの弱体化もまた、世界が多極化していくプロセスの一つ。
そう考えると、アメリカが没落したからといって、日本がその後の覇権を握る、というものではなく、今後は世界はどんどん多極化に向かい、こうした覇権という考え方そのものが、古臭いものとなるはずなんです。
そもそも「通貨」は経済を動かすための要素の一つであり、ただのツールです。
そのように考えると、「通貨」の動きに世界経済が振り回されている現在がいかに不自然なものかがわかります。
今当たり前だと思っているものを、一度疑ってみる。
すると、新しい道が見えてくる。
そんなことを改めて気づかされました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「超円高」「ユーロ危機」を予見したと各界で話題沸騰!
ついに20万部を突破したベストセラー&決定版通貨論が本書だ。
なぜ我々は「円高・円安」に一喜一憂しなくてはならないのか、そもそも「通貨」とは何なのか……。
そんな壮大なテーマを、人気エコノミストがわかりやすくも刺激的に説いていく。
・そもそもの通貨の意味とは?
・基軸通貨を巡る各国の争いの歴史
・ドルの覇権はすでに終わっている!?
・ユーロの未来はいったいどうなるのか?
・「1ドル50円」時代はいつ来るのか?
・通貨の未来、そして円の未来とは?
など、面白くて読む手が止まらないトピックスが満載。
知的好奇心を満たすのはもちろん、明日のビジネスにも必ず役立つ内容。
本書を読めば、円高・円安に一喜一憂する必要がなくなる!