浜矩子のレビュー一覧

  • 浜矩子の歴史に学ぶ経済集中講義

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    辛口の経済学者として著名な浜矩子さんの最新刊。複雑怪奇な経済を読み解くために、歴史を探訪しエッセンスを引き出しながら現代につなげていくという展開。集中講義形式をとりながら、ミステリー小説のように現象と本質を明らかにしていく様は、読者を飽きさせないという点でも入門的な本としてもとても優れていると思いました。

    最終講義で、筆者は日本経済を俯瞰した時に、まず目に飛び込んでくるのは「歪み」と指摘します。「豊かさの中での貧困」が進行する中、均衡回復と弱者救済が重要だが、しかし、強いものを優遇する今の施策は、さながら「富国強兵マシーン」のようと警鐘をならします。自己浄化できるかどうかは、一人ひとりが問題

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    2016年12月23日
  • 地球経済のまわり方

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     エコノミストしてシンクタンクで働いたことのある著者が、中高生向けに分かりやすく、経済や金融、日本、アメリカ、ヨーロッパの経済の歴史や現状を解説したもの。随所にシェイクスピアやスティーブン・キングの小説、オペラ歌手、聖書などのユニークな例が出てくるのと、巧妙な語り口が落語を聞いているようで、スラスラ読めてしまう。
     なかでも気に入ったのは、FTA(自由貿易協定)への批判の中で、「相手限定・地域特定は、自由・無差別・互恵の原則に対する明確な違反行為だ。そのような貿易のやり方を『自由貿易』とはしゃらくさい。そんなことをいうやつらは、束になってかかってくるがいい。全員、刺身にしてやるぜ。」(p.17

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    2016年08月30日
  • 国民なき経済成長 脱・アホノミクスのすすめ

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    安倍政権の経済政策に対する感情的な批判ではなく、経済学を踏まえた上での批判。
    根本的に「人を見ていない」政策は、確かに致命的。

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    2019年01月17日
  • さらばアホノミクス 危機の真相

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    初版は2015/11/20である。
    今手元にあるものは2015/12/15で第五刷です。
    ちょっと嬉しい。
    今のこの日本は、どうもおかしくキナ臭いなぁ
    と 思っておられる人がそう少なくないことが嬉しい。

    読みながら考える
    考えながら また 読む
    私たちの暮らしはどこかで何かとつながっている。

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    2016年06月11日
  • 別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう

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    「100分de名著」シリーズの特別企画版のような1冊。「幸せ」をテーマに、井原西鶴、アダムスミス、ヘーゲル、フロイトの作品を取り上げ、それぞれ、小説、経済、哲学、心理学の切り口から、生きることについて考える。
    こうやってテーマを設定したうえで4作品を並べて解説してもらうってのは、面白いもんですね。異分野間でも視点を変えて横軸を通すことで、どんなテーマでも学ぶことが可能なのですよね。

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    2016年04月15日
  • 国民なき経済成長 脱・アホノミクスのすすめ

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    安倍が人間のことを考えていないことがよく分かる.トリクルダウンなどという在りもしないことを唱えてみたり,安全保障関連法10本をまとめて上程したり,奴に任せておくと大変にことになることが本書を読むとよく理解できる.
    さらなる著作を期待する.

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    2016年04月04日
  • 民主主義をあきらめない

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    元防衛省完了の柳澤協二氏の主張がわかりやすくて中身も興味深い。
    安保法制は通ってしまったけど、自衛隊が派遣されて発砲してしまうまでにはまだ時間がある。諦めてはいけない。

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    2016年03月20日
  • 「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

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    自分用キーワード
    チューリッヒの小鬼 三国通貨協定 ブレトン・ウッズ体制 バンコール スターリング諸国 ニクソンショック グラス・スティーガル法 ボルカーショック プラザ合意 アルフォンス・ドーデ『最後の授業』 マーストリヒト条約 カウンター・パーティリスク サブプライムローン証券化が問題だった 比喩:ツケの福袋 管理通貨制度 アイルランド(勝手に国内の預金の全額保護宣言) 前川レポート 護送船団方式 「上海にはカラスがいない」 ジャスミン革命時の中国のネット規制 TPPは現代の鎖国(特定地域の囲い込み政策) PIIGS 地域通貨(イタリアの飴から始まった例) 

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    2014年11月12日
  • 誰が「地球経済」を殺すのか 真相を読み解く七つ道具

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    少々物騒なタイトルは、人を苦しめるものとなっているグローバル経済を告発するという趣旨ではない。
    推理小説のタイトルに似せて、現代の経済混迷という謎解きのスキルを伝授しようとするもの。
    真相を解明するための7つ道具として、「ドラマ」、「人」、「数字」、「座標軸」、「反対」、「歴史」、「言葉」のキーワードから、わかりやすく解説している。
    ①「ドラマ」では、経済が難しいものではなく、日常的な生活レベルから見えてくるものであることを、よく知られた小説や映画も援用しつつ、興味を持てるように説いている。
    ②「人」では、財政をつかさどる政治家の発言から、裏を読む必要性を教えている。
    ③「数字」では、経済指標

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    2013年12月14日
  • 「アベノミクス」の真相

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    ネタバレ

    私は、浜先生の斜に構えが厳しい口調が、好きな時もあればそうでないときもあります。

    本書では、ちょっと毒づいているなぁ、というのが正直な感想です。けれども、本書は、アベノミクスやリフレ政策のデメリットを知りたい、一般の方向けの入門書だと思います。経済にあまり詳しくない方でも読みやすいのではないでしょうか。

    ただし、参考のためにアベノミクス推進派の方の著書も数冊読んで頂きたいなと思います。

    浜先生の著書は、過去の歴史を紐解いて、今回の事象に当てはめて説明して下さる点で、とてもわかりやすいです。また、今日に至る経緯も分かりやすいです。

    発刊時に比べて少しずつ環境の変化はあるものの、まだ資産バ

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    2013年11月27日
  • 超入門・グローバル経済―「地球経済」解体新書

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    ネタバレ

    経済の本だが、難しい数式や計算が使われてていなく、文章で説明され、具体例もあったため、わかりやすかった。
    時代ごとの経済や市場の姿について考察していて、経済の全体像を抽象的にとらえることができた。
    経済の入門書として、経済とは何かを漠然ととらえるにはお勧めです。

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    2013年09月13日
  • 超入門・グローバル経済―「地球経済」解体新書

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    超入門と書いてあるだけあって、グローバル経済というよりも、(海外との)経済学の教科書的な入門書の本だと思った。実際、冒頭では、「解体新書」だと書いてある。

    内容は、市場(いちば/しじょう)の発生から、通貨、金融などを歴史的な発展や問題点を挙げて、最近は言葉としては取り扱わない、通商について、最終章では国ごとの政策をとりあげている。非常にわかりやすい言葉で、基本的な考えをまとめていると感じた。

    つまるところ、自由・無差別・互恵がキーワードであり、それ以外の考えは歴史を見る限りうまくいっていないというのは確かに明らかだと思った。このようなあまりに当たり前のことは、本当の意味で真実なのか、それと

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    2013年07月05日
  • 「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

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    基軸通貨をめぐる歴史をたどり、ドル・ユーロ・人民元そして円の力を解説。そして来たるべき通貨として、新しい「共通通貨」と、「国内向け通貨」そして「地域通貨」の3D通貨秩序を提案する。また当然だが、氏のアベノミクス批判がしっかりとした通貨歴史認識に基づくものであることが理解できる。

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    2013年06月22日
  • 新・国富論 グローバル経済の教科書

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    アダム・スミスの国富論をかみ砕いて説明したうえで、現代のグローバル経済の問題点を浮き彫りにして、浜先生の持論の分かち合い経済の必要性を分かりやすく説く。アベノミクスへの警鐘も含まれていて、考えさせられた。

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    2013年04月06日
  • 新・国富論 グローバル経済の教科書

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     作者は、クローバル経済の状況、問題点をうまく説明している。
    しかし、結論が陳腐であり。
     クローバル経済の合言葉は、「差し伸べる手」であり。諸国民がお互いに対して差し伸べる手、やさしい手、勇気ある手、知恵ある手だ。
     諸国民から「全市民」に脱皮しなければならないと言っている。
    国境をまたぐグローバル市民の視野があればこそ、お互いに慮りの手を差し伸べ合うことが出来る。
     帝国主義的な風潮が世界を覆う中、この考えが通るのか疑問に思う。

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    2013年02月03日
  • 超入門・グローバル経済―「地球経済」解体新書

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    同志社大学大学院の浜矩子氏の著。
    完全にグローバル社会となった現代において、
    「市場」「通過」「金融」「通商」「政策」をそもそも論から考える本。
    そもそもから論じることもあって、入門書と題されているが、
    内容のレベルは高く、色々な示唆が得られ、読後に色々考えさせられる本。
    本書で関心を持った分野を更に深掘りしていく読み方が良いのかもしれない。

    日本が今後どうしていくべきであるのかは具体的には示されていない。
    しかし、「シェアからシェアへ」という考え方は納得感が高い。
    ビジネスにおいても、うまく活用できる考えだと思う。
    新しいものの売り方のひとつとして、考えていきたい。

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    2013年02月03日
  • 「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

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    1ドル50円という裏付けはないのが弱いが、全体として通貨について知ることができて知識が増えた。貨幣と通貨の違い、通貨は足がある。その足が長いものが基軸通貨になりえる。ポンドからドルへ、そしてドルの凋落、円の底チカラ、これから。世界に開いたポンド、イングランド銀行が戦争を機に、自国に向かざるを得ず、凋落していったことは面白かった。

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    2013年01月13日
  • 新・国富論 グローバル経済の教科書

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    浜矩子著、「新・国富論」を読む:
    経済学説というものは、その時代が色濃く反映されたものであり、その時代背景を十分認識していないと、確かに、理解出来ないし、その価値の今日的な再認識なり、応用は、出来ないものであろう。何故、アダム・スミスなのであろうか?今日、ヒト・モノ・カネ(順番に注意!)が、簡単に、国境を越えて移動するグローバル経済では、カネが、ヒト、モノを引っ張り回し、企業が成長しても、必ずしも、人々はしあわせになるとは限らない。今や、国民国家も機能不全に陥っている。そもそも、国富論のタイトルは、An Inquiry into the Nature and Causes of the Wea

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    2013年01月07日
  • 「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

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    通貨自体は数あれど、世界中で決済や貨幣価値を図るモノサシとして使われる基軸通貨の性質と在り方を問う本。

    基軸通貨の歴史を概観し、それを踏まえて今後の日本円の在り方を考察している。

    経済学や世界史にあまり詳しくない私でも特に引っかかることなくスラスラと読めた。

    わかりやすい記述で1ドル50円時代の到来を予想し、読者の「まさか!」という考えを一つ一つ説得していく。

    新書という容量の制限と一般向けに専門的な内容は避けている点があるため、説得力にかける部分が散見される。

    これを補っても現在の日本を取り巻く世界情勢や、震災を経験しても揺らぐ事のなかった円高に興味がある人には一読の価値アリである

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    2012年12月26日
  • 「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

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     ビジュアル系エコノミスト浜矩子先生の著書なので心して読みました。
     ポンドからドルへの基軸通貨の移行、イケイケで世界を振り回したアメリカ経済、高度成長とバブル崩壊以降の円の振る舞いと役割、華麗なるユーロの台頭と挫折、ドルの轍を踏むまいとする元のジレンマ・・・経済主要各国の通貨とその移り変わりは、まるで戦国絵巻さながら。大河ドラマを楽しむノリでマクロ経済のお勉強が出来てしまう嬉し~い一冊になっております。
     それにしても浜矩子先生、女優もやってくんないかな・・・。

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    2012年09月02日