【感想・ネタバレ】中国経済 あやうい本質のレビュー

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Posted by ブクログ

中国の舵取りの難しさの根底には、新興国だった頃の日米欧には今ほど問題とはならなかった、グローバル経済化した現代特有の条件をこなしていかないといけないところにある。逆に言えば、中国を知ることは、同時に、中国を通して見えるグローバル経済の実体を知ることに繋がる。例えば、著者があげるように、バラマキ政策が世界金融危機対策の有効手段となり得たくらい、不足しているインフラという自国の古典的問題に対処しつつ、環境という現代の問題にも並行して取り組むことを求められる。その一方で、大きな成長を求めようにも、「世界の」工場である中国は、自力だけでは及ばず、外国資本に頼らないといけない側面がある。
それでも、その困難をなんとか一輪車経済でここまで振り切ってきた中国。上手くやってきたとも言えなくはないが、勢い重視の政策に弊害は勿論のこと山積で、特に貿易立国の大事な資本であると同時に消費の潜在需要となり得る国民の行動の変化は国家としても一大事だと思う。著者が言うように「自分達が作る製品はまさに豊かさの象徴のようなものなのに、それを目の当たりにしながら、そこで働く自分達は前世紀のような労働環境に甘んじることを強いられる」それを感じる人々の葛藤は相当なものだろう。スト権を持たない民衆が蜂起したり、ネット規制の効力が減衰していく実態は、国家の瓦解の一角が垣間見える気がする。
ただ、「ヒト」の問題は自分にも遠い話ではないことも示唆されている。
グローバル経済下で企業が最適解を求めて生産配置をリシャッフルすれば、ある国では雇用の空洞化問題が起こるということ。著者が「まるで万華鏡のよう」とセンス良く例えていたこの事象は、一人一人が保持しておくべき危機感だと感じさせられた。

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2013年06月02日

Posted by ブクログ

必ずしも中国経済の専門家でない著者による中国経済論は、多様な見方と素人っぽい分かりやすさがあり参考になった。
古い中国と若い中国が同居している、『世界の工場』ではなく『世界が工場にしている』、などの説明は、なるほどと思える。
ただ書かれている内容は非常に少ない。

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2012年10月24日

Posted by ブクログ

表紙の題名とは異なり、貨幣経済からみた中国の経済論です。著者は実際中国には行ってないようで、あくまでも貨幣経済を軸に得られる情報を基に論じているのであるが、的確に捉えているような感じを受ける。
ウケ狙いであやういと言う言葉を使っているが、実際は未成熟なだけで問題だらけであるというわけではない。
冷静に見ると、日本の経済政策よりずーっと的確に手を売っているように見えるのは私だけか?

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2012年04月13日

Posted by ブクログ

薄い本で、さらりと読めます。まだ紙が使えたろうに、具体的に詳しく書いてほしいなと思うところが多かったです。
中国社会の今抱えてる問題は全体的に理解できたが、中国経済の本質とは少し言い過ぎなタイトルに感じます。

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2012年03月27日

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