桑田健のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第8弾上巻。
ギルドとの戦いを終えたシグマが新たな局面に入る。落下する人工衛星が撮影した4日後の崩壊するアメリカ東海岸の写真、ヴィゴーの元に届いた謎の遺物が指し示す世界の終わりの日付も同じ日だった。
セイチャンは母親の行方を捜してグレイとともにマカオに行くが、そこで拉致されてしまう。上巻のグレイはほぼセイチャン救出に行動が費やされるが、そのテンポの良いアクションシーンには手に汗を握らされる。特に、香港における高層建造物からの脱出は漫画「め組の大吾」のレスキューシーンを彷彿とさせ、ハラハラさせられる。
一方、ヴィゴーとレイチェルのチームにはモンクと新キャラクター・ダンカンが合流する。ダンカンがまた変わったキャラクターで、弟を癌で亡くしており、それを機に体に刺青を入れ始めたり、指先に微小な磁石を埋め込み、第六感ともいえる不思議な感覚で目に見えないものを感じ取ることができたりする。これがヴィゴーの元に届けられた遺物のもつ特徴を探る際に大きく役立つ。
それにしても、この作者の間口の広さはどうしたことか。本作では量子力学にまで言及され、読者はその知識量に圧倒されながら読み進めることになる。しかも、それがストーリーに絶妙に融合しており、難しそうな話もすんなりと頭に入ってくるのだから恐れ入る。
下巻で物語がどのような展開を見せ、どのように落ち着くのかまださっぱりわからないが、溢れるうんちくと知的好奇心を刺激してやまないストーリーに翻弄されながら読み進めたい。 -
Posted by ブクログ
面白かった~
「ジェファーソンの密約」のラストから気になって購入したんですが、本当に面白かった。
いつもですが今回もワクワクドキドキ楽しませてもらいました。
私はワンコと一緒に育ったてあたりまえのようにワンコがいる生活を小さいころすごしていたので、今回登場したケインに胸がキュンキュン。
彼目線の描写もとても良かったです。
タッカーのかっこよさにも惚れ々(*'-')フフ♪
そして豪華キャスト総揃いって感じでそれぞれの魅力に活躍に心弾みました。
昔から不老長寿とか不死とかって言われてますけど、寿命を全うするだけで十分だと思いますよ~私は。
だって今の世の中それすらも困難なわけで、今日一日無事過ごせたらある意味ラッキーです。
ロボットが意思を持って世の中を支配する時代なんて考えたくもないし、人間てどこまで強欲なんでしょうね。
セイチャンの生い立ちも衝撃的でした。
父との最後のシーンでは思わず泣けてしまったわ。
気になるのはお母さんのことですね。
次回からのシリーズで解明されていくのでしょうかね。
次回作が楽しみです。
来月まで長いなぁ~
タッカーとケインのシリーズもあるんですね。
まだ発売されてないのかな? -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作三編も面白く、シグマフォースシリーズ大好きです。
今回は、私の興味のある予知能力とか、占いとか、ワクワクする内容でした。
私の回りにもそういう類いの人いるし。
また、放射性物質の汚染問題は、我が国でも抱えている問題でもあります。
もうね、ワクワクドキドキしながら読みましたよ。
終盤は悲しくて、切なくて、愛おしくて、寝ながら読んでいたので、枕がビショビショに・・・・・・・
いやぁ子供が絡んで来ると弱いですわ。
ラストはびっくり、やっぱりそうなんだぁー
それにしても、ここに書かれているものが、かなり事実であったりすると、我が国は大丈夫なのかと不安に思ってしまうね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第7弾下巻。
ギャント大統領の娘・アマンダ奪還作戦はドバイへと舞台を移す。アマンダの奪還をはかる勢力はすでに駆逐されたと思わせてグレイたちはアマンダが幽閉されていると思われる建物に侵入する。一方、別の側面を調査していたリサとキャットがとらわれの身となってしまう。そして、いよいよギルドの中枢を脅かすことになるシグマとなりふり構っていられなくなってきたギルドの生き残りをかけた戦いが幕を開ける。
物語は終盤、さらに衝撃の展開を見せる。この展開は予想していなかった。アマンダとその子を狙っていた真の血筋、そしてセイチャンの出生の秘密。これが明かされ、大きなうねりの中で物語は結末を迎える。
この後もシリーズは書かれており、この後物語がどんな方向に進んでいくのか、早くも次作が待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第7弾上巻。
前作のラストに明かされた衝撃の事実をより深く追っていくことになる物語は、ギャント大統領の娘が誘拐されるシーンで幕を開ける。なぜ大統領の娘が誘拐されるのか、娘は何におびえて偽造パスポートを使ってセイシェルまで逃げてきたのか。謎は深まるばかりだが、娘の奪還のためにシグマの面々が動き出す。
これまでのシリーズとは異なり、歴史的遺物を探索しながらの謎解きとアクションを織り交ぜた知的冒険小説というよりは、ギルドという組織とシグマとの全面対決に的を絞ったアクション大作といった赴きを呈している。その中にも当然作者らしい、現代のテクノロジーで実現可能なものたちが縦横無尽に暴れ回り、またはおぞましい科学の一面を暴露する。アクションシーンの裏側ではソマリアの海賊問題や少年兵の問題なども提起しており、単なる娯楽小説の枠にはまらない。
とはいえ、そこはさすがの作者で、説教臭くなく、面白くこれらの要素をうまく物語に昇華し、おなじみのキャラクターたちが活躍する舞台を整えている。新キャラクターのタッカーとケインのコンビも、本作ではなくてはならない役どころを演じており、物語にアクセントを与えている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第6弾の下巻。
舞台はユタ州からアイスランドときてついにイエローストーン国立公園にたどり着く。ここは日本の富士山と同じように定期的に噴火を繰り返してきた火山地帯で、前の噴火から数えていつ噴火してもおかしくない状況になっているという。この事実を踏まえてナノマシンによる地盤の崩壊が地球規模の災厄を招きかねないスリリングな展開を用意するあたりはもはや作者の視点に脱帽の感すらある。
一方で訳者あとがきにもあるように、主役であるはずのグレイよりも司令官ペインターの活躍が目を見張る。ギルドの工作員・ラフの周到な計画に翻弄されながらも常に先を読み、抜きつ抜かれつの頭脳戦を繰り返すところは手に汗握る展開となる。
本作は舞台がアメリカだったが、同じ巨大火山を抱える日本を舞台に物語が展開したらどうだったろうと妄想しても面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第6弾の上巻。
本作ではメインの舞台が始めてアメリカ本土となる。これまで同様、他の国でも事件が起きるし、日本人科学者が大きな役割を果たすなど、インターナショナル感は引き続きあるが、建国の父や先住民との問題など、アメリカ特有のネタを盛り込み、そこに古代のナノテクノロジーといった話題を織り交ぜることで重層的な物語を構築している。
現実にはないだろうが、全てを原子レベルにまで分解してしまうナノマシンを古代の人々が開発していて、それによって過去の大きな火山活動などが引き起こされていたのかも、という着眼点や、先住民と古代ヘブライとの関わりなど、今回も色々なうんちくを織り交ぜながらどこまで現実でどこからフィクションかわからないリアルな世界が描かれている。
ギルドとの戦いも佳境に入り、真実に徐々に迫っていきつつ、相変わらず先を越されるもどかしい展開も。スピード感溢れる筆致はさらに冴え、読者を惹きつける展開もあざといまでに効果的で、とにかく先が気になって読む手が止められない。 -
Posted by ブクログ
ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第5弾の下巻。
いよいよ物語は佳境に入って行く。ドゥームズデイ・ブックの謎とレイチェルに仕組まれた致死性の細菌の解毒剤の鍵の関連性、泥炭層で見つかったミイラから採取されたキノコの菌、アフリカで殺された上院議員の息子が送ってきたデータの真実などが次々に明らかになる。
一方でグレイやペインターを執拗に追いかけるギルドの一員、クリスタはついに強硬手段に訴える。
本作もこれでもかというほどのウンチク満載で、刑務者の地下に聖人の墓を含む聖地があるとか、コロッセオの構造とか、泥炭層では無酸素の状態になるために死体が腐ることなく保存されるとか事実に基づきながらも無理なく物語の中に溶け込ませる手法は相変わらず見事だ。
ただ、アクションシーンはやや御都合主義に流れてきつつある傾向が見られ、初期の作品のように本当に生きるか死ぬかが手に汗握るような興奮がやや薄れてきている感は否めない。
とはいえ、シリーズを重ねるにつれ、魅力的な登場人物が生き生きと描かれ、ギルドとの因縁の対決も苛烈さを増してきていて、続編の刊行が待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第5弾の上巻。
アフリカで遺伝子操作トウモロコシを栽培していた研究施設が何者かに襲われた。同じ頃、イタリアではヴィゴーのもとを訪れた神父が何者かに殺され、ヴィゴーも生死の境をさまようことになる。
食糧と人類の増加問題をテーマの一つとし、そこに歴史的な要素や細菌戦の要素を付け加え、スケール感たっぷりに物語は展開する。
前作でとらわれの身となったセイチャンは体内に発信機を埋め込まれ、その活動を監視されることになった。こうしてグレイやレイチェルと行動をともにすることになるのだが、本作ではセイチャンの過去や内面の葛藤も描かれており、より生身のセイチャンに親近感が持てるようになっている。
一方、グレイとレイチェルも心を通わせていた一時期を取り戻すかのように寄り添い会いながらもそれ以上近寄れないというもどかしい関係が続いている。
こうした人間関係がスピード感溢れる物語の中でも描かれていて、緩急の付け方は絶妙だ。ギルドとの関係も含め、下巻での物語の行方もますます気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによる後のシグマフォースシリーズに繋がる作品の下巻。
上巻でペインターはシグマにギルドと繋がっている人物がいることに懸念を抱き、偽の情報を流していたが、あっさりとカサンドラに筒抜けになっていたことでシグマの上部にギルドとつながりがあり、シグマを裏切っている人物がいることを確信する。
一方、サフィアの出生の秘密が明かされ、やがて特殊な能力を持つ一族の血を受け継いでいること、キャラとの関係にまで話が広がり、これまで疑問だったことの一端が明かされる。ここから物語は急展開を見せ、失われた都市「ウバール」へと導かれていく。
本作後半では猛烈な砂嵐が吹き荒れ、やがては執拗にサフィアを追ってきたカサンドラさえも戦闘を中断せざるを得なくなるほどになる。原題である「Sandstorm」はまさにこの状況を描いているし、砂嵐によって引き起こされる悲劇は、まさに邦題の「ウバールの悪魔」そのものだ。そして、その状況は一歩間違うとウバールのみならず、世界に破滅をもたらすほどのものだった。
日本の読者は先にペインターが司令官としてシグマを率いている作品を目にしているため、本作でもペインターは生き残ることが前提として読み進められることになるが、それでもペインターを巡る状況は常に危機一髪であり、ちょっとでも気を抜くと命を落とす状況をこれでもかと用意している。読者を引きつける物語の展開もさることながら、随所にちりばめられた蘊蓄もまたこのシリーズ、ひいては本作者の特徴として興味深い。静電気や絶縁のくだりはおやっ?と思うところも多々あるが、物語として面白ければ許されるか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジェームズ・ロリンズによる、のちのシグマフォースシリーズに繋がる作品。
本作にて登場するペインター・クロウはのちのシグマフォースシリーズで司令官となっているが、本作ではまだ若き隊員時代のペインターが描かれている。
のちのシグマフォースシリーズでもシグマフォースは結構ギルドのセイチャンらに出し抜かれて危機を招いたりするが、本作でもペインターはその例に漏れず、出し抜かれて危機に陥る。しかもその敵は長年パートナーとしてともに戦ってきたカサンドラだった。
ペインターの先を読み、あらゆるトラップを仕掛けていくカサンドラ。その裏で糸を引いているギルドとさらにその先に何があるのか、気になって仕方がない。
日本では発表順が後先になったが、もともと本作が書かれた後に「マギの聖骨」からはじまる一連のシリーズが書かれている。しかし、すでに一連のシリーズに共通する要素がふんだんに盛り込まれており、その世界観に十分に浸ることが出来る。