高橋秀実のレビュー一覧
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映画化とあったので、てっきり小説だと思っていたらルポ。水泳を科学的かつ哲学的に分析されていて、もっと早くに出会いたかった。私は中学で水泳部に入り、泳ぎに自信がつきました。が、就職して海に行ったときに溺れかけました。テトラポット近くで渦のようにその場から脱出できなくなったのです。数メートル先には人が立っているのに、自分の場所はわずかに足が届かず、立とうとしたため少し岸から引き離される。焦りました。浮こうとして沈む感覚。これが溺れるということか。以後、テトラポット近くを泳がないようにしていました。しかし、あるとき、離岸流を経験。岸と並行に泳ぐことを意識し脱れることができましたが、体力消耗が激しかっ
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ネタバレめちゃくちゃ面白くて声を上げて笑ってしまった。この人の著書を他にも読んでみようと思った。考え方が面白い。決して学校教育の専門家でも、道徳教育の専門家でもないらしいが、道徳とは何ぞや?という出発点から、小学校1年生の道徳の教科書を読んで、「なんじゃこりゃ?」と思って、小学校の学習指導要領などを読み込み、斜めからなんとも言えない突っ込みを入れる。それが、ここ数年真面目に道徳教育を推進してきた私が読んで、すごく腑に落ちてしまうところが、悔しいけど面白い。
そう!そうなの!だから道徳教育って難しいのよ…なぜうまくいかないのかよくわかったわ…という感想です。道徳の教科書でやたら「がっこうは たのしい」と -
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ネタバレオリンピックや世界水泳を見ていつも思うこと。それは…
「泳げない私って、変」
私はカナヅチです。
「一度溺れたら泳げるようになるよ」と言われますが、私は3度も溺れています。
この本の著者も泳げない者が泳げるようになるのか?ということで、自ら体験して綴った本です。でも、彼は完全なカナヅチではないのです。浮くんですね。数ページ読んだところで「泳げません」って言わないじゃん!とちょっと腹が立ちました。
しかし、浮きはするものの、前に進まない、息継ぎができない…という著者が、コーチに厳しく(?)しごかれ、何度も挫折しながら、悩みながらもいつの間にか泳げるようになっていきます。
「私が水の中を恐れ -
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電車で読んでいて、何度も噴出してしまいそうんいなるのをこらえるのが大変だった。
選手もそうだが、監督が論理的でいながらはっちゃけていて、キャラが立っている。
「ドサクサ野球」「何事も大きく」等すてきなフレーズが連発される。
頭の良いこと、論理的であること、自分を客観的に見れることなど、など、本来褒められることが、野球と絡まった途端、ここまで面白く、滑稽にみえるとは、発見だ。
かしこい彼らは真剣に考えて、野球に論理的に取り組んでいるだけなのに、本来こっけいなはずの、ド根性精神の野球を正常な立場として、彼らをみることでどうしようもなく面白くなってしまう。読んでいく内に、この事象は、今の野球の固定 -
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桂先生に拍手!
まぁ、これほど水を怖がる人も珍しいです。その怖れっぷりが笑えるのですが、徐々に桂先生のすごさが際立ってきます。
「顔を上げると沈むんですよ。水中に入っている部分には浮力が働きますが、水面上に出た部分には働きません。ですから、出た分だけ沈んでしまうんです。水面の上になるべく体の部分を出さないようにしてください。腕以外は」というような理論派の説明もあれば(なるほどーーー!)、「泳がないでください。真っすぐに伸びてください」のような感覚的なことも言います。でいて、「考えちゃダメです。何も考えないこと。泳ぐのは歩くのと同じです。歩くとき、右、左と考えます?」みたいな本質的なことも言っ -
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無趣味な著者が趣味を持とうと、様々なジャンルの趣味人に会い、その世界を体験するのですが、出て来る人々がみんなヘン!飛行機マニア、そばうち、ヨガ、スタンプ集め、亀…。趣味の世界は深いが、端から見ると「なぜ?」と思うことばかり。
旅チャンネルでバーを巡る番組を見ているうちに、バーとカクテルに興味が出てきたのですが、この世界もヘンですね!ものすご〜いこだわりがあるのです。炭酸を注いだら、混ぜすぎて炭酸が抜けないように、そっと氷を持ち上げるだけとか、シェーカーの振り方とか、グラスへの注ぎ方とか、すっごい様式美にもこだわっていて、まさに「道」です。
お茶や武道もそうだと思うのですが、これは男性がやるとこ -
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面白かったぁ♪
とある講演会で「先生のご趣味は何ですか?」と聞かれた高橋秀実さん。
そこから趣味を探す旅が始まる。
例えば「蕎麦打ち」、「八十八カ所巡り」、「切手収集」、「ボウリング」、「登山」といった定番(失礼かな?)もあるし、「カメづくり」や「階段巡り」なんて趣味まである。
また「防災」や「武士道」までも趣味に認定されている。
それぞれの趣味に熱中している人にインタビューして、高橋さんも実際に体験してみるのだけど、それがすごく面白い。
まずインタビューではその趣味の楽しさがいまいち分からないのが妙に可笑しい。
本人も「つまんねえなと思いながらニヤニヤするんです」とか、「自分の時間が欲しい -
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実におもしろかった。私はもうかれこれ四半世紀、ニッチな専門分野の編集&校正をしているが、登場される校正者の考えに首が折れそうなほどうなずいたり、目からポロポロと鱗がこぼれ落ちたりした。
冒頭「世の中には優れた書き手などおらず、優れた校正者がいるだけではないか」という著者の嘆息から始まる本書は、読者を校正の奥深い世界へと誘ってくれる。『言海』を270冊も自宅に所蔵する方、溢れる思いをとめられず自ら漢字辞書の編集までしてしまう方…先輩方の凄まじさに私などは只々畏れ慄き、ひれ伏すばかりである。
AIと校正という章はタイムリーで興味深かった。最近、本当に原稿をAIで書いてくる方が増えたのだ