高橋秀実のレビュー一覧
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著者の監督及び選手というか生徒への質問に対する彼等の答えの内容が、所謂高校野球強豪校のそれらの人からは決して出てこないと思われるもので実に面白い。生徒達は、投球や打撃についてのヘンテコな独自理論を持っていてそれをすらすら話せる辺りそこは頭の良さ、偏差値の高さを感じさせますが、一方で単純さ、素直さ稚拙さも感じて可愛いくもある。
専用練習球場もない為グラウンドでの練習は週1日、東大目指して勉強もしなければならないという環境の中で、ヘタな開成高校野球部が目指す野球(守備は下手だから思い切り振って一気呵成の責めで10〜15点位の大量得点を上げる)で勝つ為に奮闘する姿が微笑ましい。 -
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コロナ禍でマスクしてると電車内の読書での笑いはそこそこ隠れて助かる事を確認出来た程笑った。
著者が中学時代に水泳大会リレーのアンカーに決まってしまった際、俺泳げないからと断っても、俺も私も泳げないから、との謙遜と一緒くたにかき消されそのまま本番を迎えてしまい、なんと歩ききった、とか、水泳教室でのコーチや中高年女性との気の抜けた遣り取り等から感じられる著者の人間性、はたから見ると、おいおい、だけどなんか許せてしまう人、そんなムードに溢れて楽しく読みました。
水中から見(てしまっ)た水面の鏡の様な状態、あれは水自身の纏まろうとする特徴、表面張力に因るものとの説明は今迄意識した事なかった為新鮮でした -
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ネタバレ<目次>
序章 趣味の発見~人生の味わい
第1章 幕末をゆく~官僚は「鉄道」と「坂本龍馬」がお好き
第2章 マニアの苦悩~「航空無線」を傍受せよ
第3章 硬めの愛~男は「蕎麦」、女は「ヨガ」
第4章 スタンプ巡礼~「八十八ヵ所巡り」から「切手」「消印」「手相」まで
第5章 地球に優しく~「エコ」の醍醐味
第6章 備えよ常に~楽しい「防災」
第7章 カメの気持ち~「カメ」になった人々
第8章 本当はさめている?~「ファン」「ゲーム」「ラジコン」心理
第9章 レーンを読む~ひとりで「ボウリング」
第10章 時間潰しの作法~「武士道」に「階段」
第11章 田舎の時間割~「ウ -
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「思いっきり空振りしてこいや!」
思わず読みながら笑ってしまったけど、こうやって言ってくれる指導者、最高だ。
本著は実在の野球部(強豪とは言いがたい部)の練習や試合について著者が取材したノンフィクション。
野球の話ではあるんだけど、目標に対するアプローチの仕方、問題を解決するプロセスや心構えについて知ることができる1冊になっている。
読んで感じたのは、言葉ひとつで物事の見方は変えられること。
精神論が悪いとは言わないけど、どうしたら合理的にできるかを論理的に考えることは大切なんだということ(頭のいい人はこれができているんだろうね)。
「練習」ではなく「実験と検証」。
ボールが「来た」では -
Posted by ブクログ
すんか寸暇を惜しむようにのんびりしている ただ単に「甲子園を目指す」というと、何やら遠くを見るようで体も棒立ちになりそうだが、「強豪校を撃破する」と言葉にすれば、闘う姿勢になる。バットも思い切り振れそうてま、まさにイメージが体の動きを呼び起こすのである。考えてみれば、開成のセオリーは強豪校を相手にした弱者の兵法。それを貫けば、自ずと結果はついてくる。結果を目的にしてしまうと結果が出ないのである。それに「甲子園を目指す」「甲子園に行く」では観戦に行くようでもあり、無意識のうちに気も緩みそうで、イメージとしては逆効果なのかもしれない。 へりくだ遜る 自分に必要なことは自分でやる 彼らに意志の確認を
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ドラマ「弱くても勝てます」の原作となっているが、野球部の練習に関すること以外の場面はまったくない。
顧問となった先生の過去へのこだわりもなければ、部員たちの恋愛模様もない。
野球部が取り組んだ他とは違う練習方法や、部員たちの練習への思いを追いかけたノンフィクションである。
既存の練習法を打ち壊し、まったく別のアプローチで勝利を目指す。
一応野球のルールくらいはわかるといった程度の人間にも理解できる練習方法だったけれど、本当にそれでいいのか?と思うようなこともあった。
部員たちは不安にならなかったのだろうか?
疑問の答えは本書の中にあった。
部員たちは、そもそも野球をよく知っているわけではない。