高橋秀実のレビュー一覧
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認知症の父親が亡くなるまでの1年半の生活を記録したノンフィクション。認知症について、父親の言動や行動を哲学的な観点で考察する。意思疎通が難しい父親とどのように付き合うか、認知症の知識、現在の対処方法、言葉の定義や意味、哲学的な考察など、著者が苦心する様子と親子のユーモラスな会話などが読んでいてとても面白いし勉強になった。
自分も月に1度、妹が世話している認知症の伯母の介助に行っていたが、会うたびに徐々に会話が成立しなくなり、うわの空の状態が増えて、最後は自分の身の回りの事がわからなくなって施設に入った。伯母は半年後に97歳で亡くなった 。母の姉達は、90代に入っていずれも認知症を発症し、80代 -
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久しぶりに文字を読んで笑った。自分が小中学生時代の、プールの授業を思い出した。とても懐かしい気持ちになった。
泳ぎ方の説明が、「運動学」的な言いまわしになっているため、少しイメージしづらい所もあった。でも、わかるところは、思わず自分の体をクネクネ動かしながら読み進めた(笑)
桂コーチからのアドバイスで、「水泳は上手いか下手かではなく、綺麗か醜いか」という言葉が印象に残っている。部分部分の綺麗さよりも、全体的な綺麗さ。何事も、上手さではなく、「美しいか」という視点でやることが大切だと思った。
自分はギターを弾くが、上手さより「綺麗さ」を追及していきたい。 -
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学生時代、道徳の授業がなんとなく気持ち悪く、
意見を求められ、その意見に正解はないけど、まわりが納得するような意見を求められているような空気が苦手でした。
筆者の言うところの「日本の道徳教科書は「みんな仲良く楽しい」が大前提」で、それを感じ取ってと言われているような。
読んでみて腑に落ちたのは、日本の道徳の授業では「みんな」の中の自分を見つめる、みんなとうまくやっていくための「気持ち」を重視しているということ。
学校(あるいは道徳の授業)はファンタジーの世界だと思えば、当時の自分はもう少し気楽に過ごせたのかな。
なるほどと思ったのは、
ドイツの道徳教科書は「一人でいる」ことの価値を尊重する。 -
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2014年購入
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高校生の時に一度読んでるけど久々にもう一度読んでみた。
野球のルールは全然わからないしあまり見たことないけど、不思議と情景が見えてくる文章。開成高校の野球部員の受け答えが頭の良い人のそれで、頭良い人の思考は妙に頑固で論理的で面白かった。下手なのに大量得点できるというのは想像つかないけど、その勢いに相手チームはやられるのかな。一度ドサクサ野球を見てみたいなと思った。
「開成の生徒は同じ喋り方をする」というのは、私も大学生時代の時に「この大学の人はみんな喋り方が似てる」って思ったことと通じるものがあった。偏差値の同じような人たちはやっぱりみんな似たような喋り方をするのかな。 -
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君達、日本に生まれた育ってくれてありがとう、と心の声がこぼれてしまう。
有名な進学校開成高校野球部密着ノンフィクション。
彼らは明らかに偏差値が高く、あからさまに練習量が少なく、あまねく野球が好きな高校生。
グラウンドは他部と共用で週一使用。グラウンド整備で終わりそう。しかも皆さん、身体より先に頭で考えちゃうからマイペース。それに対峙する監督さんは、東大卒の保体教師。彼らの思考に見合った檄を飛ばす。練習量が少ないので守備は、捨てる。確実にストライクを入れゲームを壊さないピッチャーを選ぶ。とにかく前からきたボールを打って、早めのチャンスで一気攻める。通称ドサクサ野球。
生徒を実名で掲載し取材を許 -
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高橋秀実(1961年~)氏は、東京外語大モンゴル語学科卒、TV番組制作会社勤務等を経て、フリーのノンフィクション作家。元ボクサーで、ボクシングのジムトレーナーの経験もある。『ご先祖様はどちら様』で小林秀雄賞受賞(2011年)。
本書は、「小説新潮」の連載をもとに、2012年に出版(2014年文庫化)されたもので、ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。2014年4~6月には、「弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜」としてTVドラマ化(日本テレビ系/キャストは二宮和也、有村架純、山﨑賢人等)もされた。
内容は、長年に亘り東大合格者数連続1位の進学校・開成高校の野球部が、2005年 -
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書店で帯に映画化の文字があったため手に取った。
どうやらカナヅチの人の水泳の話らしい。
私自身は泳げる人側で、コロナ前は月に一度くらいのペースでプールに行き、ゆっくりクロールで1キロ泳いでいた。泳ぐことは好きで四泳法マスターした。
泳げる立場の読み手からすると、
この本を読みながら泳ぐイメージができて楽しかった。そうそう、腕は横にだよね、とか。
なぜ泳げないのか言葉にしてもらえてわかりやすかった。
コロナ中でもイメージトレーニングで泳げて楽しい。
泳げない人には同意できる本。
泳げる人には水泳の楽しさを言葉にしてもらえる本。
本自体ページ数が少ないので、サラッと1日で読めてしまいます