あらすじ
超がつく水嫌い。小学生の時にプールで溺れて救急車を呼ばれた。大人になっても、海・湖・川などたくさんの水を見るだけで足がすくむ。なのに、なぜか水泳教室に通う羽目に。悩みながら、愚痴りながら、「泳げる」と「泳げない」の間を漂った2年間。混乱に次ぐ混乱、抱腹絶倒の記録。史上初、〈泳げない人〉が書いた水泳読本。泳げるようになって、人生変りましたか、ヒデミネさん?
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Posted by ブクログ
映画化とあったので、てっきり小説だと思っていたらルポ。水泳を科学的かつ哲学的に分析されていて、もっと早くに出会いたかった。私は中学で水泳部に入り、泳ぎに自信がつきました。が、就職して海に行ったときに溺れかけました。テトラポット近くで渦のようにその場から脱出できなくなったのです。数メートル先には人が立っているのに、自分の場所はわずかに足が届かず、立とうとしたため少し岸から引き離される。焦りました。浮こうとして沈む感覚。これが溺れるということか。以後、テトラポット近くを泳がないようにしていました。しかし、あるとき、離岸流を経験。岸と並行に泳ぐことを意識し脱れることができましたが、体力消耗が激しかったことを覚えています。以来海で泳ぐことを避けています。水が怖いということわかります。その後、プールで子どもに泳ぎを教えることがありましたが、なかなか難しい。結局泳がせることが出来なかった。桂コーチは教える人の泳ぎを真似て泳ぎ、無理をしている部分を見つけて楽にする方法を見つける。私は泳げない原点を見ていませんでした。そういう意味で早くに出会いたかった本です。
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私も小学生のとき泳げなかった。高校生のときは泳ぐのが好きだった。なんでだろ。ココ何年も泳いでないな。そしてこれはほんとに感動のドキュメンタリー。
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オリンピックや世界水泳を見ていつも思うこと。それは…
「泳げない私って、変」
私はカナヅチです。
「一度溺れたら泳げるようになるよ」と言われますが、私は3度も溺れています。
この本の著者も泳げない者が泳げるようになるのか?ということで、自ら体験して綴った本です。でも、彼は完全なカナヅチではないのです。浮くんですね。数ページ読んだところで「泳げません」って言わないじゃん!とちょっと腹が立ちました。
しかし、浮きはするものの、前に進まない、息継ぎができない…という著者が、コーチに厳しく(?)しごかれ、何度も挫折しながら、悩みながらもいつの間にか泳げるようになっていきます。
「私が水の中を恐れる理由のひとつは、ボコボコという音である。」
ここを読んだときに。思い切り頷いていました。私の場合、3度もこのボコボコを聞いて溺れています。完全にトラウマになっていますね。
コーチが言った一言。
「だって、もともと泳いでいたんだから。胎児の頃、お母さんの羊水の中で」
そうです。やっぱり浮かない、泳げない私は変なんです。
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桂先生に拍手!
まぁ、これほど水を怖がる人も珍しいです。その怖れっぷりが笑えるのですが、徐々に桂先生のすごさが際立ってきます。
「顔を上げると沈むんですよ。水中に入っている部分には浮力が働きますが、水面上に出た部分には働きません。ですから、出た分だけ沈んでしまうんです。水面の上になるべく体の部分を出さないようにしてください。腕以外は」というような理論派の説明もあれば(なるほどーーー!)、「泳がないでください。真っすぐに伸びてください」のような感覚的なことも言います。でいて、「考えちゃダメです。何も考えないこと。泳ぐのは歩くのと同じです。歩くとき、右、左と考えます?」みたいな本質的なことも言ってくれます。
で最後は、キレイな泳ぎの鍵は骨盤なんですね。いつも溺れていた著者が、最後にはすいすいと泳いでみせるまでになったらしいです。
羨ましい!こんな風に教わったことなかった。
さっそく骨盤で、泳いでみたくなりました!
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泳げない小説家が泳ごうと思って奮闘する話です。できる人にはできない人の気持ちがわからないものですが、コーチや一緒に通っているスクールの人に理解されない様がとてもリアルです。ちょっと理屈っぽいおじさんの嘆きがとても面白いです。
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久しぶりに文字を読んで笑った。自分が小中学生時代の、プールの授業を思い出した。とても懐かしい気持ちになった。
泳ぎ方の説明が、「運動学」的な言いまわしになっているため、少しイメージしづらい所もあった。でも、わかるところは、思わず自分の体をクネクネ動かしながら読み進めた(笑)
桂コーチからのアドバイスで、「水泳は上手いか下手かではなく、綺麗か醜いか」という言葉が印象に残っている。部分部分の綺麗さよりも、全体的な綺麗さ。何事も、上手さではなく、「美しいか」という視点でやることが大切だと思った。
自分はギターを弾くが、上手さより「綺麗さ」を追及していきたい。
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綾瀬はるかさんと長谷川博己さんが主演で映画化されているようで、表紙が2人の写真でした。作中の登場人物と2人のイメージがぴったり重なり、読んでて楽しかったです。ノンフィクションは初めて読みましたが、作者の泳ぐごとに対しての感情の波がとても面白くクスッと笑えました。なんだか泳ぎたくなってくる、一冊です。
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映画を見る前に原作をと思い読んだが、とても面白かった。自分も水泳は得意ではなく、ブールで優雅に泳いでみたいと憧れているが、この本を読むと案外できるのではないかと思ってしまう。桂コーチのアドバイスに納得し、是非これを試してみたいとも思った。ただこれがどこように映画化されたのか想像できす、まずは映画を観に行くつもり。その後、ブールに行ってみたい。きれいに泳げるようになれば、人生が変わるのではないかという淡い期待を持っている。
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書店で帯に映画化の文字があったため手に取った。
どうやらカナヅチの人の水泳の話らしい。
私自身は泳げる人側で、コロナ前は月に一度くらいのペースでプールに行き、ゆっくりクロールで1キロ泳いでいた。泳ぐことは好きで四泳法マスターした。
泳げる立場の読み手からすると、
この本を読みながら泳ぐイメージができて楽しかった。そうそう、腕は横にだよね、とか。
なぜ泳げないのか言葉にしてもらえてわかりやすかった。
コロナ中でもイメージトレーニングで泳げて楽しい。
泳げない人には同意できる本。
泳げる人には水泳の楽しさを言葉にしてもらえる本。
本自体ページ数が少ないので、サラッと1日で読めてしまいます。これから夏が来るし、オススメ。
Posted by ブクログ
私もカナヅチ。家の前がすぐ海という環境で育ったのに海が怖い。足がつかないのが怖い。
ずっとコンプレックスだったが1年前からスイミングスクールに通い始めた。ので、とても共感して読めた。
Posted by ブクログ
日経BPオンラインの書評より。自分を見つめる視線が的確&珍妙、水の中の描写もフンフンと思わせる。あと、ちょっと、こんなコーチに教わってみたい。
Posted by ブクログ
「出来ること」と、
それを人に「教えられること」の能力は別もので、
たぶん「出来なかった頃のこと」を認知していると、
寄り添えるから教えやすいんだろうなあ。
桂コーチの教え方と、
教えに向き合う過程が興味深い。
いいコーチに出会ったね、高橋さん、と思う。
私は物心ついたときから水が好きで
泳げる側の人だったので、
泳げない人の気持ちについて
考えたことがなかったなあというのを思い知った。
それにしても高橋さんは思い悩みすぎでは、と
感じなくもないが、なるほど泳げないというのにも
パターンがあるのだなと思った。
これを読むと泳げるようになる指南書!
というではないが、
苦手なことに向き合う姿勢と受け取る姿勢から
学ぶことは大いにある。
Posted by ブクログ
【本の内容】
超がつく水嫌い。
小学生の時にプールで溺れて救急車を呼ばれた。
大人になっても、海・湖・川などたくさんの水を見るだけで足がすくむ。
なのに、なぜか水泳教室に通う羽目に。
悩みながら、愚痴りながら、「泳げる」と「泳げない」の間を漂った2年間。
混乱に次ぐ混乱、抱腹絶倒の記録。
史上初、“泳げない人”が書いた水泳読本。
[ 目次 ]
1 水がこわくて仕方がない
2 浮いてくる私
3 水中で深呼吸
4 泳いではいけない
5 私ってきれい?
6 何のために泳ぐのか?
7 見てはならぬもの
8 愛の海
[ POP ]
「彼女にも一緒に海に潜って、自分が感じた喜びや驚きを感じて欲しい。」と語ったダイバーがいた。
しかし人間、愛情と同じくらい大事なものがある。
自分の命だ。
だから、命を脅かす恐怖からは、できるだけ離れていたいのは当然である。
なのに、著者は「今までずっと避けてきたからこそ生きてこれた」水に立ち向かう。
本書の第一章は、著者が決心するまでの経緯、次の章からは水泳教室での日々がユーモラスに綴られる。
本書が「泳げない人」「泳ぎたくない人」の視点で書かれている点が、教本として良い。
なぜならば、「呼吸しようと考えないで」「泳ごうとしないで」など、「泳げる人」なら聞き流せる内容でも、その逆の立場から見れば、全てが疑問になる。
その疑問を著者が咀嚼して文章化するので、非常にわかりやすいのだ。
ちなみに、「泳げる人」の視点は、各章の最後に「桂コーチのつぶやき」として載っている。
ある人には「当たり前」が、実はそれ以外の人にとっては「ヘンな事」になる。
そんな「個々の違いを認め合う意義」なんて、全然謳いあげてもいない事をそこはかとなく感じさせる所も、本書の忘れがたい味である。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
泳げる人にとって、泳げない人の気持ちを想像することは簡単ではないと改めて思いました。
どの部分でつまづいているのか。水が何故こわいのか。想像以上の葛藤に、なるほど、、、と納得させられるところが沢山ありました。
指導者を目指す方々には是非読んで頂きたい一作でした!
Posted by ブクログ
エッセイに分類するか、ルポに分類するか悩みました。
高橋秀実さん、「道徳教室」と「からくり民主主義」が超絶面白かったので、他の代表作を検索してこれを読んでみました。私も泳げなかった人なので。
まず、著者がいかに泳げなかったかがよくわかり、笑える。著者らしく、泳げないことを屁理屈こねまくる。それに対してコーチも屁理屈こねまくって教える。あーでもない、こーでもない、と。
泳げない人が泳げるようになるまでを、屁理屈と哲学で描いたエッセイです。私自身、大人になるまで泳げなかったのに、あるきっかけで泳げるようになったので、興味深く読めました。「泳げない」と「泳げる」の間にはすごく深い溝がある。「泳げる」に到達することによって、人生観すら変わる。ちょっと屁理屈がしつこすぎるけど、そこは高橋秀実さんなので(笑)。
Posted by ブクログ
水が怖くて、泳ぐどころではないのに、プールに出かけ、レッスンにも通う。どうしてそうなるのかよくわからない。桂コーチは毎回言うことが、違う。楽しく読めた。
Posted by ブクログ
まったく泳げなかった記憶があって
おぼれない程度に泳げる私にも
実に身につまされる水泳読本。
すごいなぁ。
おそらく半分はライターとしての
職業意識もあったんだろうとはいえ
私ならこの先生からは一回目で逃げます(笑)
著者はどうやら理屈を落としこまないと
習得できないタイプ(わかるわかる)
右腕で水をかいたあと
次はどの時点から左腕でかけばいいかなんて
普通考えませんよね?
一緒に教室に通うおばさまがたとの交流が
ちょっと微笑ましいです。
Posted by ブクログ
わかったような
わからんような
レポートなのか
フィクションなのか
それでも読み進んでしまう
生きたいと思わずに
生きていると実感する
そんな感じでいいですか
Posted by ブクログ
水が怖い、泳げない人が泳ぎを習いひたすら泳ぐ事について思い考え感じた事をつぶやいている。レッスンでのやり取りや自分なりに習ったことを咀嚼して試してみたり。ただひたすらそんな内容なのがまた面白い。私は海っ子で泳ぎも我流。平泳ぎのみなので、クロールのレクチャーを読んでいるうちに、習って見たら面白いかも!?なんて思わされた1冊でした
Posted by ブクログ
映画化の宣伝を見て興味を持って読んだ。
こんな個性的な水泳指導をするコーチがいるのかと驚いたが、実際の効果については、コーチとの相性にもよると思う。
水泳に限らず、出来ない事が出来る様になるのは、いくつになっても嬉しく、楽しいものだ。
Posted by ブクログ
コロナ禍でマスクしてると電車内の読書での笑いはそこそこ隠れて助かる事を確認出来た程笑った。
著者が中学時代に水泳大会リレーのアンカーに決まってしまった際、俺泳げないからと断っても、俺も私も泳げないから、との謙遜と一緒くたにかき消されそのまま本番を迎えてしまい、なんと歩ききった、とか、水泳教室でのコーチや中高年女性との気の抜けた遣り取り等から感じられる著者の人間性、はたから見ると、おいおい、だけどなんか許せてしまう人、そんなムードに溢れて楽しく読みました。
水中から見(てしまっ)た水面の鏡の様な状態、あれは水自身の纏まろうとする特徴、表面張力に因るものとの説明は今迄意識した事なかった為新鮮でした。