あらすじ
超がつく水嫌い。小学生の時にプールで溺れて救急車を呼ばれた。大人になっても、海・湖・川などたくさんの水を見るだけで足がすくむ。なのに、なぜか水泳教室に通う羽目に。悩みながら、愚痴りながら、「泳げる」と「泳げない」の間を漂った2年間。混乱に次ぐ混乱、抱腹絶倒の記録。史上初、〈泳げない人〉が書いた水泳読本。泳げるようになって、人生変りましたか、ヒデミネさん?
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
オリンピックや世界水泳を見ていつも思うこと。それは…
「泳げない私って、変」
私はカナヅチです。
「一度溺れたら泳げるようになるよ」と言われますが、私は3度も溺れています。
この本の著者も泳げない者が泳げるようになるのか?ということで、自ら体験して綴った本です。でも、彼は完全なカナヅチではないのです。浮くんですね。数ページ読んだところで「泳げません」って言わないじゃん!とちょっと腹が立ちました。
しかし、浮きはするものの、前に進まない、息継ぎができない…という著者が、コーチに厳しく(?)しごかれ、何度も挫折しながら、悩みながらもいつの間にか泳げるようになっていきます。
「私が水の中を恐れる理由のひとつは、ボコボコという音である。」
ここを読んだときに。思い切り頷いていました。私の場合、3度もこのボコボコを聞いて溺れています。完全にトラウマになっていますね。
コーチが言った一言。
「だって、もともと泳いでいたんだから。胎児の頃、お母さんの羊水の中で」
そうです。やっぱり浮かない、泳げない私は変なんです。
Posted by ブクログ
エッセイに分類するか、ルポに分類するか悩みました。
高橋秀実さん、「道徳教室」と「からくり民主主義」が超絶面白かったので、他の代表作を検索してこれを読んでみました。私も泳げなかった人なので。
まず、著者がいかに泳げなかったかがよくわかり、笑える。著者らしく、泳げないことを屁理屈こねまくる。それに対してコーチも屁理屈こねまくって教える。あーでもない、こーでもない、と。
泳げない人が泳げるようになるまでを、屁理屈と哲学で描いたエッセイです。私自身、大人になるまで泳げなかったのに、あるきっかけで泳げるようになったので、興味深く読めました。「泳げない」と「泳げる」の間にはすごく深い溝がある。「泳げる」に到達することによって、人生観すら変わる。ちょっと屁理屈がしつこすぎるけど、そこは高橋秀実さんなので(笑)。