【感想・ネタバレ】おやじはニーチェ―認知症の父と過ごした436日―のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

面白い!認知症の方と向き合うということの深い考察と、哲学を同時に学べる。否定はしちゃいけない!とか言われるけど肯定すればよいわけではない。
「力は期待されることで、力になる」とか格言がたくさん。最後に著者が母校の先輩だと偶然知る。

0
2024年01月08日

Posted by ブクログ

認知症を何となしにわかっていたつもりでしたが、本書を読んで、概念や定義など他の疾患との特異性を感じました。その事から実際の筆者の父の訳のわからない言動にも何かその背後の意味あるところなど認知症に対しての構え方ヒントが隠されている事を非常に興味深く読ませて頂きました。哲学とは認知症対策だったのかとあとがきで触れていたのも納得でした。

0
2023年09月05日

Posted by ブクログ

物事は、驚くからストレスにならないのか!むしろ冷静を保つことこそ肝心とか思っていたけれど、驚ければ忘れられて、偶然の産物になるのだとか。これ、やってみよう。
著者のお父さんが、こう言った、こういうことをやっていたと、読み進めるたびに4月に亡くなった親父がのことが、親父もそうだったよな、親父はそうだったかな、と色々思い浮かんできたが、やっぱり会いたいよな、認知のままの親父でもいいからさ。

0
2023年08月02日

Posted by ブクログ

自身の介護実体験と古今東西の思想家の議論とを照らし合わせながら、認知症業界で用いられている言葉を一つひとつ吟味し相対化していく。ただ吟味とは言っても、あくまで所感であって、エッセイ的にいい感じのところで手仕舞いしている感はある。まぁ、だからこそ気楽に読めるのであり、そのように仕上げる著者の力量はすごいと思う。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

認知症が哲学になっている。こういう捉え方は驚きで新鮮だった。多分国民病みたいになってくる認知症、身近なものでありながら未知のもの。福祉専門学校ではニーチェを必読書にしても良いかと。あるいはサルトル?
福祉を学ぶ人はこの本を手にとってほしい。

0
2023年06月03日

Posted by ブクログ

哲学は苦手だ。なんだこの本、俺は認知症のことが知りたくて手にしたのにと、正直ザッと読み飛ばそうと思ったがいつの間にか引き込まれたわ。
100冊を軽く越える参考文献の数にただ者ならぬ作者の本気度を感じてしまった。この人、すごい。
親子のやり取りに涙は出そうになるし、ノートを引っ張り出して抜書きを始めるし、俺もおかしくなった。アルツハイマーの進行する妻をもっともっと大切にしよう。

0
2023年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重い、切ないテーマをなんだかユーモラスに描いてくれてニヤリとしていいのかどうか、たじろいでしまうけれど。
認知症の父親を看ているということにまず、スゴいと思ってしまう。
本当にその境地に達した人は哲学者になるのでは。
いざという時、(いつ?)
また手に取ってしまう本だと思う。

0
2023年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

認知症に対する著者独自の視点が面白かった。
ように思う。ただ、その切り口が哲学なので少し難解ではあった。
あとがきから読めばもう少しすんなりと頭に入ってきたように思う。
また、お父さんが病気だとわかった時の著者の「考えてみれば、体が動くから認知症が問題だったわけで、動けなくなれば問題でなくなる。体が動くからこその「問題行動」であって、動かなければ問題も消えるのだ。自立した生活ができるのかと不安を覚えるから認知症なのであって、病院生活ならみなさんのお世話になる患者である。いつまで続くのかと悲観したから認知症だったわけで、週単位の余命だと宣告されれば毎日が愛おしい」(p249)という気付きには大いに納得した。
父親の介護をした著者の436日を独特の視点で描き、分析しているけれど、それらの根本には愛情がある。
難しい話が出てくるけれども、最後には暖かい気持ちになる。何事もそうだけれど、悲観的に考えるのではなく様々な視点から物事を見る大切さも学んだ。
著者の謂わんとしていることをしっかりと理解したとは言えないが、素敵な本だと思う。
機会があったら再読したい。

0
2023年12月14日

Posted by ブクログ

認知症の父親が亡くなるまでの1年半の生活を記録したノンフィクション。認知症について、父親の言動や行動を哲学的な観点で考察する。意思疎通が難しい父親とどのように付き合うか、認知症の知識、現在の対処方法、言葉の定義や意味、哲学的な考察など、著者が苦心する様子と親子のユーモラスな会話などが読んでいてとても面白いし勉強になった。
自分も月に1度、妹が世話している認知症の伯母の介助に行っていたが、会うたびに徐々に会話が成立しなくなり、うわの空の状態が増えて、最後は自分の身の回りの事がわからなくなって施設に入った。伯母は半年後に97歳で亡くなった 。母の姉達は、90代に入っていずれも認知症を発症し、80代の母も不安に思っている。自分も今後、認知症への備えが必要と感じており、この本は認知症の親の対応に大変参考になると思う。

0
2023年10月09日

Posted by ブクログ

認知症の父の言動を哲学の命題と照らし合わせて考察する著者。目から鱗のような発想だと思った。著者が言う哲学の命題の数々はよく理解できないが、認知症の方の言動を哲学的に説明しているのを読むと、認知症は、人間の本質に近づくことであるような気がした。

このお父さん、側から見るとなんとなく可愛らしくクスッと笑ってしまう。最後まで息子夫婦(著者の妻がまた見事) のそばで暮らせて幸せだったことだろう。

0
2023年10月06日

Posted by ブクログ

認知症の人が何を考えているのか想像しにくいところだが、日々のやりとりを哲学で意味づけしていくと、難しいながらになんとなく、そうなんだと理解できる場面もある。
病気として捉える必要はない。

0
2023年06月14日

Posted by ブクログ

哲学と認知症をむずびつけるとはなんともユニーク。
哲学は私には難しいけれど、なるほどと思うところがいくつも。こんな視点で向き合うのも時には必要。優れた介護士さんはこんな境地なのかしらとも思う。

日経BPでもインタビュー記事がありましたが、併せて読むとさらに興味深い。
それにしても、何度も散歩に付き合い、会話する著者には脱帽。仕事から逃げるには好都合だったとは、私もそうなりそうで、深くうなずけました(笑)

0
2023年03月02日

Posted by ブクログ

父の脳内を知りたい、理解したい、でも困難。確かに、認知症を哲学としてとらえると腑に落ちる部分もあると思います。「はい泳げません」が面白かったので手に取りました。ノンフィクション作家の視点での筆致ながら、父の介護での切なさや葛藤が伝わります。

0
2023年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

朝日新聞の書評欄でとりあげていたので読んだ。
親の認知症が顕在化してきたというのも動機の一つではある。
高橋さんはひとりぐらしの認知症の親と暮らしているのだが、お父さんの認知や徘徊が相当ひどい。うちの親はまだここまではきていない。
 著者である息子と会話はするもののトンチンカンな返答ばかりで、おかしな会話となってしまう。それを著者が読んできた哲学書や思想書と照合するとなんとなく腑に落ちるというような気づきがいろいろ出てくる。会話も支離滅裂なら、思想との結びつきもおもいつくままって感じで、ニーチェとかアリストテレスとかウィトゲンシュタインとかだされても、一過的で読んでいるほうとしてはあまり深くは共感できなかった。
そういうふうに考えてもいいんじゃないですか。といった感じでした。
 そもそも哲学とか宗教は日常当たり前と思っていることを当たり前とせずに深いところからものをみて本質を捉えようとすうので、認知症に世界に当て嵌めてもなんとなく通ってしまうってことではないんでしょうか。
 結局、認知症の人が幸せにいきるようにしからず、また危険や不潔はさけて生活できるようにするしかないのではないでしょうか。

0
2023年12月29日

Posted by ブクログ

認知症のお父さんとの実際のやりとりを観察し哲学的に解釈、分析することで作者自身介護が辛くイライラするものではなくなっていったんだろうなと想像できました。とても穏やかに論理的に書かれており感情面はほとんど触れられていない。亡くなったお母様や奥様がきっと素敵な方なのだろうと思った。
私の周りにもいつか認知症になる人がいたら、もしくは私自身が認知症になる日が訪れたら、こんな風にウィットに富んだ解釈で淡々と前向きに向き合えたら。

0
2023年12月09日

Posted by ブクログ

認知症の概念を破壊するくらい、新鮮な切り口。
なんだか、屁理屈を捏ねてるようでもある。
認知症の父親の行動や言葉、訳がわからないと思いつつ、よくよく、吟味してみると、これは哲学?宗教の言葉、哲学者の言葉、そうか!そうも見えるな、そうだったのか。一見正常と思われてるこの日常が、まるで逆転するかのようだ

0
2023年10月21日

Posted by ブクログ

参考文献の多さに驚きました。


自分というものが(ほぼ)失われてしまった人は、周囲の人々の精神状態に容易に反応する
あるいは共振する。つまり援助者や介護者が苛立ったり焦れば、それに呼応して認知症老人はたちまち不安定になり扱いにくくなる。

と。
うーん空気が大切なのね。

自分が認知症になってしまう事も考えるけど
それより10歳上のダンナ君が認知症になったらどーしましょ?

まぁ、なっちゃてから慌てるか?
スッゴい新薬が発見されるかも?

でも本当に認知症って厄介だなぁ。



0
2023年07月02日

「エッセイ・紀行」ランキング