伊東豊雄のレビュー一覧
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最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
受験勉強しているわけではないのですが)
そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
なので割と気に入っています。そこで読み終わった
今回のこの本。
川崎の桐光学園高校に様々な
論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
こんな高校生はとても幸せだと思いますが
多分自分が高校生だったときはあまり興味を
覚えなかっただろうなあと思います。
でも、それでもそういうことを言っていた -
Posted by ブクログ
ネタバレ・・・象徴物に力を求める資本主義と、建築技術の飛躍的向上により、フランクゲーリーやザハハディドの巨大彫刻のような建築が世界的ブームになっているが、
伊東やSANAAは外部空間と建築と人間の壁を無くす日本的な空間建築で風穴をあけている。
「みんなの家」
あの日から、個としてのオリジナルな表現も都会的要素も無い場を地域の人々と心をひとつにしてつくることができた。
近代主義は私と他者、内と外など物事を切り分ける思想だった。
しかし日本では、日本語や伝統建築空間、あいまいな人間関係によって豊かさが保たれていた。
機能と言う概念は人間の多彩で複雑な行動を単純に区分して抽象化したに過ぎない。
だ -
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ネタバレせんだいメディアテークなどに携わった建築家伊東豊雄さんの、建築に対する考え方を記した本。震災をきっかけに、建築の求められているもの、伊東さん自身が建築にとって大事なものが変わっていった、その経過を克明に書き綴っている。真摯な姿勢でわかりやすく説いてくれており、好感が持てる。
震災後2011年3月末に「帰心会」という震災について考え、行動する会を立ち上げた著者。その会で言った「批判をしないこと」という復興に対するスタンスにうなずけるものがあった。「批判は部外者だからできること。批判をしないとは(中略)自分自身が復興に関わる当事者であるという自覚を持ち続ける」ことだというのだ。すべての社会問題 -
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少し前の本ですが、学びある。
動物の世界は必然性の世界であり、
アルゴリズムが支配する世界であり、
強いつながりの世界である。
それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。
人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います -
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東日本大震災を通して筆者が見出した建築の本来あるべき姿が語られている
安藤忠雄の自伝で語られていた内容と一部通ずるものがある
現在の資本主義は技術万能の近代主義の都市を作り上げ、建築家はその経済、資本を目に見える形にする、その道具に成り下がっている
故に住まう人の心に寄り添うこと、建築の先にある生活、すなわちリアリティを感じること、社会とともに集団で作り上げるという本来の建築の形をおざなりにしてしまっているのだ
著者は震災復興における"みんなの家"プロジェクトを通して、建築が本当の意味で社会にもたらしているものを感じ取り、そこから湧き上がる信念を具現化し、さらに引き継ご -
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3.11後の被災地に於ける有名建築家の方々の建築について調べる機会があり、その中の一つ、伊東さんの「みんなの家」に興味を持ち本書を読むことに。
多分3.11前から伊東さん自身、現代の建築のあり方についてモヤモヤされてたのが、3.11が起こってその疑念が確信に変わったんじゃ無いかなぁと本書を読んで思いました。
使う側とコミュニケーションを取りながら創る、確かに効率や利益だけ考えれば特に現代では難しく避けられがちな方法ですが、使う側に寄り添ったからこそ、伊東さんの「みんなの家」は結果被災地の方々に受け入れてもらえたんだなぁと思いました。
伊東さんの丁寧な性格がそうさせているのか、これ程有名な建 -
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ネタバレ読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい -
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世界に誇る日本の建築界第三世代を代表する一人で、2012年度ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞した伊藤豊雄氏が、2011年3月11日の東日本大震災後に、今後の人間社会、そして建築についての思いを語ったもの。
伊藤氏は震災を、「東京が失ってしまった豊かさが東北にはまだ残っている。なぜ豊かかと問われれば、ここには人と自然とが一体化された世界が存在しているからである。人々は未だ自然の恩恵で生きていることを幸せに感じている。・・・東京のような近代都市の向こう側に見えてくる未来の街の萌芽は確実にここにある。二一世紀の人間社会のモデルは東京ではなく、東北の地にあることを、大震災は多大な代償と引き換えに -
Posted by ブクログ
建築家でもこんなことが考えている人がいるんだぞ、と社会一般に示しているかのような本で、好感を持った。
だいいち、現代の建築家が書く文章にありがちな、必要以上の小難しさや気取った感じがない。
またそれに、「建築家や建築の"在るべき姿"をまず説いたうえで、その"在るべき姿"に沿っているのだという説明の仕方で自身の建築を紹介し、いかに素晴らしいかを説く」というのが、ありがちな現代の建築家の書き方に近いようでいて、実のところ本書では伊東の建築へのこれまでの向き合い方をも相対視されているというのが傑出しているところ。
とても正直な気持ちがつづられていると思う。