伊東豊雄のレビュー一覧

  • 中野本町の家

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    「中野本町の家」は噂には聞いたことがあったがその頃にはもうなくなっていた。変わった建築というとアート文脈で捉えられることも多いと思うけど、それが自分の生活の中心となる「住宅」だった場合にどうなるか想像するのはとても難しい。世帯主がデザイナーや建築家ならまだしも、普通の家族だったらなおさらのこと。自分自身は持ち家はまだないが、何十年という生活の中に絶えず関係性を持つことになるなかで「良い住宅」とはどういうものなんだろうかと考えてしまう。

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    2025年06月03日
  • あの日からの建築

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    すごくよかった。
    日本で建築家が社会に頼られない存在になったのは、昔からじゃない。
    建築は抽象的なものじゃない。コンセプトやパースでは語れない。コミュニティの実現まで考えているのか?
    論理の構築でものは決まらない。頭で考えたことは三日で変わるが、体でやりたいと考えたことは一生変わらない。体中でやりたいと言えるようになることは大事。感情を表して、議論をすることはそういう事。
    ふらっと近所の人と話せる場所が、コンテナハウスのように、壁だけで区切って良いのか
    建築の意見を言え

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    2024年01月20日
  • 「建築」で日本を変える

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    伊東豊雄さんの建築への眼差しが強い言葉で表現されている一冊。
    地方からコミュニティを通じて建築を考える。近代主義建築の言語ではない新たな言語の再構築。
    これからの建築家に求められる職能が明言されている。

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    2021年04月01日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    多数のジャンルの話をまとめてくださっているので、自分の好奇心の幅が広げる、とても良い機会となりました。
    特に資本主義のお話や、アートのお話。デザインではなくアートというジャンルが私にとってはとても新鮮でした。改めて、勉強したくなりました。

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    2019年03月22日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
    日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
    受験勉強しているわけではないのですが)
    そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
    塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
    くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
    なので割と気に入っています。そこで読み終わった
    今回のこの本。
    川崎の桐光学園高校に様々な
    論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
    らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
    こんな高校生はとても幸せだと思いますが
    多分自分が高校生だったときはあまり興味を
    覚えなかっただろうなあと思います。
    でも、それでもそういうことを言っていた

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    2015年06月28日
  • あの日からの建築

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    ネタバレ

    ・・・象徴物に力を求める資本主義と、建築技術の飛躍的向上により、フランクゲーリーやザハハディドの巨大彫刻のような建築が世界的ブームになっているが、
    伊東やSANAAは外部空間と建築と人間の壁を無くす日本的な空間建築で風穴をあけている。

    「みんなの家」
    あの日から、個としてのオリジナルな表現も都会的要素も無い場を地域の人々と心をひとつにしてつくることができた。

    近代主義は私と他者、内と外など物事を切り分ける思想だった。
    しかし日本では、日本語や伝統建築空間、あいまいな人間関係によって豊かさが保たれていた。

    機能と言う概念は人間の多彩で複雑な行動を単純に区分して抽象化したに過ぎない。

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    2013年04月11日
  • あの日からの建築

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    ネタバレ

     せんだいメディアテークなどに携わった建築家伊東豊雄さんの、建築に対する考え方を記した本。震災をきっかけに、建築の求められているもの、伊東さん自身が建築にとって大事なものが変わっていった、その経過を克明に書き綴っている。真摯な姿勢でわかりやすく説いてくれており、好感が持てる。
     震災後2011年3月末に「帰心会」という震災について考え、行動する会を立ち上げた著者。その会で言った「批判をしないこと」という復興に対するスタンスにうなずけるものがあった。「批判は部外者だからできること。批判をしないとは(中略)自分自身が復興に関わる当事者であるという自覚を持ち続ける」ことだというのだ。すべての社会問題

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    2015年06月08日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    少し前の本ですが、学びある。

    動物の世界は必然性の世界であり、
    アルゴリズムが支配する世界であり、
    強いつながりの世界である。
    それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。

    人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
    だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
    人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
    だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
    そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います

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    2024年06月30日
  • あの日からの建築

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    東日本大震災を通して筆者が見出した建築の本来あるべき姿が語られている
    安藤忠雄の自伝で語られていた内容と一部通ずるものがある

    現在の資本主義は技術万能の近代主義の都市を作り上げ、建築家はその経済、資本を目に見える形にする、その道具に成り下がっている
    故に住まう人の心に寄り添うこと、建築の先にある生活、すなわちリアリティを感じること、社会とともに集団で作り上げるという本来の建築の形をおざなりにしてしまっているのだ

    著者は震災復興における"みんなの家"プロジェクトを通して、建築が本当の意味で社会にもたらしているものを感じ取り、そこから湧き上がる信念を具現化し、さらに引き継ご

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    2022年03月08日
  • あの日からの建築

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    3.11後の被災地に於ける有名建築家の方々の建築について調べる機会があり、その中の一つ、伊東さんの「みんなの家」に興味を持ち本書を読むことに。

    多分3.11前から伊東さん自身、現代の建築のあり方についてモヤモヤされてたのが、3.11が起こってその疑念が確信に変わったんじゃ無いかなぁと本書を読んで思いました。
    使う側とコミュニケーションを取りながら創る、確かに効率や利益だけ考えれば特に現代では難しく避けられがちな方法ですが、使う側に寄り添ったからこそ、伊東さんの「みんなの家」は結果被災地の方々に受け入れてもらえたんだなぁと思いました。

    伊東さんの丁寧な性格がそうさせているのか、これ程有名な建

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    2021年10月16日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。

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    2021年09月26日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    11人の識者へのインタビュー集。編者の好みなのか分野と言葉は違えど、思い描いている未来社会は似通っている人選のようにも思えます。気になる人物ばかりだったので問題ないですが。

    近代の強い個を持続できるほど人間は強くなく、場の関係性の上に柔らかい弱い個をなんとか保っているのが実情。そんな個人でも生きやすい社会制度へと変えていく時代に来たのかな。

    「欲望のエデュケーション」といった気づきのような新しい啓蒙の形で、これから価値観変更を優しく迫るお知らせが来るのだと思うw

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    2021年08月23日
  • あの日からの建築

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    東日本大震災があり、それを踏まえて伊東豊雄が建築との向き合い方をどう考えているかがわかる。
    せんだいメディアテークやぎふメディアコスモスの設計に際してどのようなことが考えられた上で作られたのかが書いてあり興味深かった。

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    2021年03月09日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    さすが『物欲なき世界』を書いた菅付さんのキュレーション。VUCA時代を生き抜くための最新かつ普遍的な思想をもつ各界のイノベーターたちの言葉はすごくしっくりくる。

    テーマ偏らず、幅広い教養の基礎を身につけることかでき、ここから深掘りしていくことが、これからの時代を賢く楽しく生き抜く近道だと思う。

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    2018年12月02日
  • 「建築」で日本を変える

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    近代主義、資本主義の象徴となる都市は均質な空間を提供する一方で人同士の繋がりを断ち切ってしまった一面もあるという。

    自然と向き合う、地域を見直す、繋がりを作り直す。
    建築を皆で関わることで新たな人としての豊かさを考えましょう、と諭すようなやさしい表現で綴られています。

    そんな伊東さんと近代、都市、コミュニティーなどの解釈について、現在活躍される様々な建築家やクリエイターの方々との議論を聞いてみたくなりました。

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    2018年10月22日
  • あの日からの建築

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    好きな建築家は?と問われたら、
    ・伊東豊雄
    ・中村好文
    ・隈健吾
    と答える。なぜか?何だか茶道的だから?笑(冗談)
    足し算の建築ではなく、引き算の建築だから。
    シンプルで、そのものが強烈に主張するわけじゃないのに格好いいから!

    伊東豊雄さんの代表作である「せんだいメディアテーク」を見たとき、身震いした。一言「格好いい」。
    そんな建築がどんなふうに生まれるのか?3.11以後、建築に対してどんな心境の変化があったのか?
    わかりやすく解説されている。

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    2018年04月04日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 「建築」で日本を変える

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    ネタバレ

    タクシー代で、本は買える。これからの建築をきっかけに読んだ伊東豊雄氏の本。近代的な建築が及ぼす都市東京に対する問題提起。本当の豊かさとは何か。その突破口は地方にある。建築とはトップダウンで建物を作ることではなく、コミュニケーションを生み出すこと。みんなで作ったものだと、そこへの人の関わり方が変わってくる。自然と共存していた江戸時代。自然から人工的に隔離されている現代。これからの建築の第一歩として大三島やぎふ、せんだいでの伊東氏の建築の発想を軸にこれからの建築を語っているほ本だった。

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    2016年12月16日
  • あの日からの建築

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    世界に誇る日本の建築界第三世代を代表する一人で、2012年度ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞した伊藤豊雄氏が、2011年3月11日の東日本大震災後に、今後の人間社会、そして建築についての思いを語ったもの。
    伊藤氏は震災を、「東京が失ってしまった豊かさが東北にはまだ残っている。なぜ豊かかと問われれば、ここには人と自然とが一体化された世界が存在しているからである。人々は未だ自然の恩恵で生きていることを幸せに感じている。・・・東京のような近代都市の向こう側に見えてくる未来の街の萌芽は確実にここにある。二一世紀の人間社会のモデルは東京ではなく、東北の地にあることを、大震災は多大な代償と引き換えに

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    2016年01月15日
  • あの日からの建築

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    建築家でもこんなことが考えている人がいるんだぞ、と社会一般に示しているかのような本で、好感を持った。

    だいいち、現代の建築家が書く文章にありがちな、必要以上の小難しさや気取った感じがない。
    またそれに、「建築家や建築の"在るべき姿"をまず説いたうえで、その"在るべき姿"に沿っているのだという説明の仕方で自身の建築を紹介し、いかに素晴らしいかを説く」というのが、ありがちな現代の建築家の書き方に近いようでいて、実のところ本書では伊東の建築へのこれまでの向き合い方をも相対視されているというのが傑出しているところ。
    とても正直な気持ちがつづられていると思う。

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    2015年09月12日