伊東豊雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3.11の震災後、著名な建築家がどのような想いでいるのか、ベネチアビエンナーレ金獅子賞の「みんなのいえ」ができる過程などが気になり、読んだ一冊。
建築に携わるいろいろな人の講演で、震災後、建築家が求められていないことの虚しさともどかしさから活動を始めたという話を聴く機会があった。
本著では、社会的背景や歴史などを踏まえて、なぜ建築家が求められていないのかという、著者の見解が語られている。
なぜ海外で評価されている建築家が、日本で評価されていないのかなど、納得。
読みやすい文章で、建築の知識がさほどなくても、理解できる。本著に登場するひとつひとつの建物について、詳細を知りたくなった。 -
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Posted by ブクログ
地球、陸地、国、地域、町、家、住む人。
機能や生産性だけに特化すると、
住む人を抽象化し、必要な箇所だけ構築することになる。
それは地球上のどこで通じるものかもしれないが、それだけでしかない。
抽象化することができない個人の部分、
これをお互いに認め合って生きていくことができるようにする、
人が特化するのではなく自然に溶け込ませてもらう、
それを実現するのが建築をはじめとする、
人が作るもののあるべき姿なのかもしれない。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○やはり「管理」ということなのです。本来であれば、こうやっても工期は延びないか、費用は上がらないかという質問をしてくる以前に、 -
Posted by ブクログ
誰が見ても素晴らしいと思うモノを追求する必要はない。
それよりも今近くにいる人たちと、幸せを感じられるほうが大切である。
その幸せを形にし、積み上げていくことが、
建築が担ってくれる一つの役割なのかもしれないと思いました。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
●「経済の豊かさより心の豊かさへ」
一、自然との関係を回復する
二、地域性を取り戻す
三、土地に固有の歴史や文化を継承する
四、人々の繋がりやコミュニティの場をつくり直す(P.56-57)
○一方、設備環境はというと、構造や空間が固まってから検討を始めます。つまり設備は後づけだったのです。けれども最近はテクノロジーが発達して、初期 -
Posted by ブクログ
あの震災以降、建築家の方々が自分の建築について、これからの建築についてどう考えているのか気になってた。
機会が無くて講演とかは行けなかったので、この本は私にとってとても気になる内容でした。
インターネットや雑誌なとで伊藤さんのお仕事については知ることができるけれど、コンセプトやプロセスなどはなかなか知り得ないのでとても興味深い内容でした。
現代の若者に対しての意見はなんとも賛同しにくいけど、震災以降の自分の建築に対する考え方の変化は私自身も自分の生き方について考えさせられた。
個人的には6章以降の話が面白かった。
仕事柄省エネ・エコ・自然エネルギー等々の話題は尽きないけど、まだ模索段階だな