池井戸潤のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
●主人公が、銀行を業績悪化に追い込んでも、なお責任を取らずに私腹を肥やそうとする会長を糾弾する物語です。
●最終退行とは、一番最後に銀行を退社するという意味だそうです。主人公が毎日遅くまで残業し、最終退行の常連で、業務をこなし、頑張ったということでしょうか。物語は、会長が役員会で糾弾されるというエンドです。しかし、主人公は不倫したり、妻も不倫したりで今一つ迫力に欠ける小説でした。
●但し、書中には共鳴出きる事が書かれています。①組織の論理を振りかざす奴に限って、自らはそのルールを軽視して、好き放題をやっている ②高給批判も公的資金注入も、結局のところ「俺達はエリートだ」という鼻持ちならない選 -
無料版購入済み
ようこそ、わが家へ
犯人の行動がどんどんエスカレートしていくところが、じわじわと恐怖感が高まってとてもおもしろい。
-
Posted by ブクログ
「海に眠る金塊」をテーマに、組織の不正を暴いていくストーリー。
主人公・蓮沼は、都市銀行の副支店長であり、妻子持ちの男である。ある日蓮沼は、ある会社への融資返済の依頼に行き、断られる。その結果を受け、支店長・谷は禁止されている融資予約を口実に無理やり返済させ、その会社を倒産させる。倒産した会社の社長は自殺した。
この件が問題になったとき、支店長・谷は責任を逃れるために本部に根回しをし、全責任を蓮沼に押し付ける。
蓮沼は、同時期に浮気が妻に知られ、仕事面だけでなく家庭面でもどん底に落ちる。
そこから蓮沼は、不正だらけの組織に反旗を翻し、社内の不正を暴くことに専念する。
蓮沼は次々に手がかりを集 -
Posted by ブクログ
銀行を舞台に様々な欲にまみれた人達を描いたミステリーです。池井戸さんの初期作ということで、ミステリー色の強い作品でした。
元銀行員ならではの知識が豊富に散りばめられていて、一般人には知らなかったことだらけでした。そういった知識も噛み砕いた表現で書かれているので、わかりやすいとまではいきませんが、なんとなく理解できました。
また、トリックも銀行員特有の仕掛けなので、実際にそのようなことが起きていたんじゃないかと思うくらい、生々しかったです。欲にまみれた人達の描写は、人間の腹黒さを惜しげもなくみている様で、良い意味でイラッとさせてくれました。
銀行員がメインだけでなく、警察をメインにしながらも銀行