あらすじ
女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した――。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。 江戸川乱歩賞受賞第1作『M1』を改題
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
マネー・ローンダリング(マネロン、資金洗浄)とは、犯罪で得た資金の出所を隠し、あたかも正当な手段で得た資金のように見せかける行為です。これには、架空口座や他人名義の口座を経由した資金の移動、株や債券の購入、偽装取引など様々な手口があり、国際的な犯罪組織やテロ活動の資金源となるため、各国が国際的な連携のもと対策を強化しています。
女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した――。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。 江戸川乱歩賞受賞第1作『M1』を改題
Posted by ブクログ
池井戸シリーズ2冊目?だったかな。今回の作品はとても面白く読ませていただきました!少し専門的で難しいところもありましたが、全体としてスラスラと読めるテンポ感の良い作品でした。ドラマになるような有名どころ以外にもたくさんの名作があるんですね。ありがとうございます。、
Posted by ブクログ
文体に初々しさを感じるのは、著者の初期の作品だからか? 金融取引の部分は疎いので理解するのに苦労したが、今の日本でこういうことが存在しえるのか?全くのフィクションだとしたらよく思い付くなと思いながら読んだ。本当に、色々な人がいる。真っ黒な人、真っ直ぐな人、わけありな人、それぞれの人物描写がよかった。
Posted by ブクログ
通貨とは何か?お金とは何か?
通貨発行、強制取引、ハイパーインフレ、デフォルト。
現実に起こりうるようなリアルな設定で、一企業独裁地域をエグく描く。
円が乱高下する現在のほうがより恐怖を感じながら入り込めそう。
池井戸潤の、詳細な経済知識に基づいた構成と、引き込まれる文体は言うまでもない。
さらにこの小説は、実際に起こってもおかしくない内容を、緻密かつリアルに組み上げているところが素晴らしい。
田神札は似たようなことが起こっている国や地域はきっとあるだろう。
田神亜鉛の安房社長は恐ろしいけど、その考えを詳しく聞いてみたくなった。
黒沢麻紀は優秀なビジネスパーソンになるだろうな。
全体的に重くて暗めなので、半沢直樹のイメージで読むとかなり違うけど、僕は好きでした。
Posted by ブクログ
半沢直樹シリーズの前の、池井戸潤初期の作品。重たい読後感で、半沢直樹シリーズのような「爽快感」はない。ストーリー(仕掛け)も複雑で、ちょっと難しい。テレビ/映画化は難しいかな。
Posted by ブクログ
借り物。そんなこともあるのかーと思いつつ、楽しく読み進めた
女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した――。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。
Posted by ブクログ
●前半はよし、特に取引の複雑さがどんどん明かされていくストーリーはハラハラで面白い。
●その分、後半のあっさり感はいただけない。まあ、仕方がないんだろうけど、もうちょっと他になかったかな…
●最初はなんだこれって思った女子高生がめっちゃいい味出してる。ドラマ化するべき。
●地域通貨が出来上がっているカラクリはお見事。よく思いつくなあと感心する。
Posted by ブクログ
主人公は元商社マンの高校教師、という池井戸潤では「MIST」のように珍しい設定。とはいえ商社で信用調査部に在籍していた経験と知識から教え子の父親の会社を救えることができないかと奔走する。個人的には「期限の利益喪失」について何度も説明があったのがありがたかったが、想像を超えた結末に少し後味が悪い。
Posted by ブクログ
某所でクソ暇で90ページまで読んだので買って続きを。んー面白くならなかったな。ヒロインどっちも活かしきれてないだろ。田神札も面白いんだけど、下請けに押しつけるとかあんまりリアリティを感じなかった。トロッコのとことか必要だった?なんと言うか支離滅裂な一冊。ラストの後日談も興醒めだよ。
Posted by ブクログ
お金とは何か、を深く考えさせられる小説。
お金の表と裏=希望と絶望
というタイトルを理解できた気がする。
お金に使われるのも使うのも自分次第。
お金とうまく付き合える人生にしたい。
Posted by ブクログ
「池井戸潤」の長篇ミステリ作品『架空通貨(原題:M1)』を読みました。
『銀行総務特命』に続き「池井戸潤」作品です。
-----story-------------
街は暗黒の企業に呑み込まれた!
女子高生「麻紀」の父が経営する会社が破綻した――。
かつて商社マンだった社会科教師の「辛島」は、その真相を確かめるべく「麻紀」とともに動き出した。
やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。
「江戸川乱歩賞」受賞第1作『M1』を改題
-----------------------
2000年(平成12年)に発表された「池井戸潤」の第二長篇… 『果つる底なき』で「江戸川乱歩賞」受賞後プロ作家としては初の長篇となる書下ろし作品、、、
企業小説の一種になるのかな… 金融関係のネタをしっかり仕込んだ独特の作風で、金融ミステリとか、金融スリラーとか、そんなジャンル名がぴったりの感じの作品でした。
■第一章 霧
■第二章 黒い町
■第三章 軌道道(きどうみち)
■第四章 破綻
■第五章 期限の利益
■第六章 オルゴール
■解説 杉江松恋
元商社マンで信用調査部に籍を置いていた「辛島武史」は、自社のリストラ方針に嫌気がさして退職し、現在は私立高校の社会科教師として奉職している… ある夜、彼が副担任を務めるクラスの「黒沢麻紀」という生徒が、「辛島」のマンションを訪ねてきた、、、
「辛島」はその態度に不信の念を抱くが、翌日、彼は「麻紀」の父が経営する黒沢金属工業が第一回目の不渡りを出し、そのため「麻紀」の転校届が提出されたことを知る… 翌月の決済日には第二回目の不渡りが出て会社が倒産することは間違いなく、「麻紀」の家族は多額の借金を抱えることになる。
「黒沢家」を訪ねた「辛島」は、「麻紀」が会社をすくうために田神亜鉛という会社を単身訪問しようとしていることを知る… 田神亜鉛から黒沢金属工業に押し付けられた社債7千万円の期前償還が実現すれば、会社は倒産を免れるからだ、、、
教え子の直向きな思いに打たれた「辛島」は、「麻紀」の後を追い、東京から400km離れた田神町を目指すことにする… 田神町――、田神亜鉛の関連需要が町の経済を左右する、事実上の田神亜鉛の城下町である。
亜鉛産業一色に塗りつぶされた黒い町の人々の挙動は「辛島」の胸中に疑念を呼び覚ます… 田神亜鉛の社長「安房正純」が田神町を支配している手段は通称「田神札」と呼ばれている私製通貨だった、、、
田神亜鉛の関連企業や、その下請企業のみならず、彼らが利用する飲食店、商店、そして一般住民までが「田神札」という架空通貨に苦しめられており、町は失意と絶望のどん底に陥っていた… この「田神札」を巡り、南米のダミー会社を利用したコンサルタントの「加賀」と暴力団によるマネーロンダリング、黒沢金属工業を買収することになる幽霊企業、融資を回収しようとする金融機関等の様々な思惑が交差する中、遂に田神町に巣食っていた闇が爆発する事態が発生する。
黒沢金属工業の破綻は防げるのか?「加賀」の真の目的は?そして、田神亜鉛に支配されている田神町の運命は? やや、現実離れした設定ではあるものの、ミステリとして愉しめる展開でしたね… そして、知的興奮が刺激される一冊でした、、、
お金のことについて、こんなに考えさせらえた作品は初めてですね… お金って、貨幣って、何なんだろう、自分にとって必要なモノって、何なんだろう って、結論は出ないけど、考えさせられましたね。
「池井戸潤」作品… 面白いなぁ、、、
次も「池井戸潤」作品を読んでみようかな。
Posted by ブクログ
・飽きさせない展開で読んで満足だった。
・キーパーソンが次から次に現れ、先が読めないところが面白い。
・展開として後半あたりからめちゃくちゃになっていくシーンがあり、そこは入り込めなかった。
Posted by ブクログ
●池井戸さんは元銀行マンだけあって、マネーを扱ったストーリーが得意だ。本書も、私募債や田神札という地域振興券が人や企業、銀行までを支配してしまう構図が複雑に展開し、面白い。辛島・真紀という主人公が登場するものの金の動きに奔走させられる人間模様という感じです。
●また、書中で気になったのは、①“悪貨は良貨を駆逐する”。だが本当に駆逐されるものは、金ではなく、その金を持つ人の生活であり人生であり、ときに良心である ②金を中心とした価値観、経済観念が人々の心にこれほど深く寝付いてしまっている現代社会の歪み ③ビジネスの原則を無視した金は、必ずその指からすり抜けてく・・・、等である。言わずもがな、お金は重要と思うが、ひとの価値判断のモノサシにはならないと思う。
●私は、人に対する思い遣り、感動、共鳴できる心、・・・等を大切にする人に敬意を表したい。そういう社会でありたいと思います。
Posted by ブクログ
辛島は高校教師。教え子の女生徒の家が経営難で潰れてしまうかもしれないため、前職を生かして助けようと奔走する。
一企業だけにとどまらず一つの町をのみ込む大きな問題に発展していく。
金とは何?
扱う人により善にも悪にもなってしまう。
考えさせられました。
Posted by ブクログ
世の中金がないと生きられないが金に囚われても生きられないと感じる作品だった。
私立高校の教師辛島が前職である商社での仕事の経験を元に生徒の親の会社の危機を救おうとしながら「悪いお金」の闇を解明していく中で判明してきた事実は様々な因縁が絡み合っていた
Posted by ブクログ
ビジネスと金の恐ろしさがわかる小説。
お金に振り回される人間の脆弱さと愚かさがわかる小説でした。
お金なしでは誰も生きていけないような現代社会で、知らないうちにズブズブ闇に引き込まれる恐ろしさ。
自分のお金の使い方を見直したくなりました。
Posted by ブクログ
池井戸潤の作品にしては、少し物足りなかった。
最終場面の方ではフィクションが過ぎるので、リアリティがほしかったと思った。また、著者の他の著書を読んでみたい。
Posted by ブクログ
前半でタイトル回収の話が出てきたところが1番引き込まれた
読み終えた後のスカッと感などはない
メイン登場人物のその後が気になる(っ ॑꒳ ॑c)
Posted by ブクログ
池井戸潤先生の本を初めて読みました。会社の経営やお金について沢山勉強になることが詰まった本でした。
ただ、私には少し難しい内容だったため最後まで読むのに苦労しました。
Posted by ブクログ
――金は、この世の共通言語である。結局のところ、薄っぺらで自分の世界の無い人間たちにとって、最も手っ取り早く、そして分かり易い自己表現が金なのだ。(第六章 オルゴール)
Posted by ブクログ
お金とは何か。
会社とは何か。
色々考えて勉強になる作品でした。
普段使わない専門用語も池井戸さんの作品では、自然と分かりやすく説明を入れてくれるので流石です。
Posted by ブクログ
とにかくスケールの大きな作品だった。怖かった。筆者の他の銀行ものの作品より、膨大な数の一般人がお金に振り回されており、不景気な今の状況と重なってより悲壮な気分になった。世紀末感がすごかった。お金ってほんと大事。専門知識のないわたしとしては難しかった。
途中からはぐいぐい引き込まれて楽しめたが、終始ヒロインの女子高生の存在がストレスに感じてしまったため星3つとする。一方、加賀のような大人の女性には憧れる。池井戸作品は登場人物に女性が少ない方が好みだと気付く。
Posted by ブクログ
読んでてとても悲しくなった。
下請け会社がこんなにも虐げられている現実。
この本はだいぶ前の時代で、今は下請け法で守られている部分はあるけれど、これに近いことはあるのかもしれないなと思うと、末端の会社は辛いなと思う。
池井戸さんの小説は、大逆転劇がおきるのが大筋だけど、本作はとても悲しい気持ちのまま終わった気がする。
ひとりの女性の復讐は成し遂げられたのかもしれないけど、ひとつの町が壊滅的な打撃をうけ、暴動さえもうまれ、結末はとても苦しい現実だった。
お金がひとつの大きなテーマになっていて、このお金によって人は狂うし、人でなしになっていく。こんな人にはなりたくないと思いつつも、自分は正しくいられるだろうかと思うと、自信がない。
どんな逆境にあっても、強く生きられる人間になりたい。
Posted by ブクログ
女子高生がヒロインだったりと、やや違和感はあるものの、面白く読んだ。
途中、分からない部分もあったので、金融の勉強をしなければならないなと感じた。
世界は銀行(会計)が動かしているように感じる。
Posted by ブクログ
登場人物が多いが、それぞれに個性がありストーリーの中で存在感が際立っていた。タイトルの架空通貨により町全体が翻弄され、蝕まれ、破壊されていく様はまさに人工ウイルスのようで恐怖を感じた。畳みかけるような後半の展開は少し奇抜にも思え、他の作品ほど入り込みないところもある。
Posted by ブクログ
ひと言で表すなら、空恐ろしい…。
今でこそ、仮想通貨なる物が私たち一般市民にもおおかたの概要、イメージとして周知の事実となった時代ではありますが、これを20年も前(2003年)にフィクションとしてここまで仕上げて見せてくれた池井戸潤氏が凄い!
2003年に読んでいたとしても、凡人の私の頭では、ポカーン必須でフィクションの域を超えなかったと思うけれど、今なら架空通貨の恐ろしさを身近に感じることができる。
大きな組織から下へ下へと流れる謎の紙幣。
下請けの弱みに漬け込むように、押しつけられるそれは、最終的には個人商店へと貯まって…否、溜まってゆく。
1万円の対価と支払われたとしても、銀行でそれが1万円になることはない。小さいながらも店を経営するものとして心底ゾッとする。
父の会社を救おうと翻弄する高校生の麻紀と高校教師の辛嶋が、謎の紙幣の真相を追う長編ミステリー。
細かい数字のマジックとトリックは複雑で、正直付いて行けてないのですが(笑)終始、緊迫感ありで十分に楽しめます。
今年の17冊目
2021.11.17
強引さを感じる展開
最初はあまり面白い感じはしませんでしたが、途中から話しが強引に展開されて、訳の分からない奇妙な所に連れて行かれ、最後まで振り回された感じがしました。面白いといえば、それなりに面白いのですが、ちょっと無理を感じる部分もありました。