竹岡美穂のレビュー一覧
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ネタバレ5年ぶりに前住んでいた町に越してきた浩介。不幸な事故から、隣にすむ“怪談収集家”を名乗る男の助手をするはめになってしまった。彼の仕事は「本物の怪談を集めた百物語を完成させること」だというのだがどうにも怪しいぞ! *** 「わたしの本」「あなたの本」にちらちらっと出ていた、神出鬼没の男『山岸』のスピンオフ。既読の二冊ではどういう性格なのかわかっていなかったが、今作を見てなんとも飄々としていて食えない男という認識に至った。浩介を無理やり助手に従えて、住んでいる町の怪談収集に出かける。怪談の実地調査と称して浩介をいろいろなところに向かわせたり、連れて行ったりと振り回される浩介が非常に不憫。浩介が霊媒
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ネタバレ友人と一緒に訪れたフリーマーケット。店を見ていると、『ひとかけ屋』という何かが欠けてしまっている物を取り扱っている店に出会った。店主曰くなんでも、その欠けている部分の代わりに何かしらの物語があるというのだが…。 *** 前作「わたしの本」の第二部。物語の始まりは、主人公である美緒がフリーマーケットで一冊のノートに出会うところから。主人公が興味本位で購入したえんじ色のノートには、前作と同じように怪談話が延々と書き連ねてあり、それを美緒と一緒に読んでいく。内容は前作の「わたしの本」よりずっと怖く、時にはグロテスクでなかなか刺激的。そして、その怪談の恐怖をさらに引き立てるのが、今回の主人公が見舞われ
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ネタバレ怖い話を読みすぎて、怖い話展開がだいたいよめるようになってしまった私。そんな退屈な状態をぼやいていると、友人に自分で怖い話を書いてみたらどうかと勧められた。小説を書くことに憧れていた私は、怖い話を書き始めるが……。 *** 児童向けの怪談本。このシリーズは多く出ており最初から読み進めようと思ったが、それぞれが独立しているようなのでこちらから。 内容は軽めの怪談話が十数話ほど。どれもサックリ読める。 学校の七不思議がテーマのためどこかで聞いたことがある話もあるが、その中の四枚の油絵をテーマにした怖い話が一番怖かった。正確に言うならば、その油絵の怖い話から"勝手に派生した"怖い
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ネタバレ「人は一人で勝手に助かるだけ」(『化物語』忍野メメ)
海底から水面に上昇する過程においては、確かに他人の救いが必要だと思う。
溺れてる人間に空の飛び方を教えても仕方がない。
まず息が出来るように(自分で考えられるように)助けてあげたい、そこは同意。
そして、水面から空中に飛び出す時は自力で。そこも同意。
しかし…しかしだ。
ラストの羽音は、聖人に依存しているのではないのか?
あれだけ羽音も依存に警戒してたのに…。
最初の羽音と、ラストの羽音、一体何が変わったんだろうか?
どう成長したんだろう?
確かに、自身の弱さを自覚できたと思う。
自覚した結果、新たな依存先を見付けたのか?
同じことの -
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野村先生の久々の新作は本の声が聞こえる少年の物語。
しかもあの文学少女と同じ舞台なんて読む前からワクワクしてしまった。
五つのエピソードは作者らしい、切ない話、楽しい話、ほっこりする話があってとても楽しい。
四つは実在の作品だけど二話目だけは作者が登場することもあって架空の本だね。
個人的には一話目のピッピさんの物語が一番好き。
本の想いも妻科さんの想いも切なすぎて思わず泣きそうになってしまった。
それにしても、本が話すという発想は本好きならでわだなあ。
自分も本の精の話を書いたことがあるけど^^
夜長姫について本巻ではほとんど触れられなくて、むすぶと彼女との話は悠人先輩との出会いも含 -
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野村美月先生の4年ぶりの新作。吸血鬼~の打ち切りに涙した私としては待望で、Twitterのご様子から復帰を絶望視していたので本当に嬉しかった。
軽妙でロマンチックで可愛くて、でもどろりとした感情が常に見え隠れする。
ああこれだ、これが野村先生の世界だ。と再会の嬉しさをかみしめた。
誰もが心底物語を愛していて、それは近代文学からラノベまで分け隔て無い。ラノベという単語に自称読書好きが向ける差別意識を、時にラノベ作家すら持ってしまっている中で(不思議なことにラノベを書いていることに劣等感があるラノベ作家もいるのだ)、ここまで真っすぐオールレンジに愛情を向けられる人は実のところそんなにいない気もす -
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――またおいで。それで、本の話をしよう。
編集者になった遠子先輩が、売れっ子高校生ライトノベル作家の担当として活躍(?)する、という、どう考えても蛇足なシリーズ最終巻。主人公は作家の少年です。
モチーフは伊勢物語・風と共に去りぬ・ハムレット・伊豆の踊り子。
たとえ蛇足でも、また読めたことに感謝したい1冊。
それに最後に出てきたあの人の分だけで、十分に満足させていただきました。
油断しているところにここでそう来るのか!と言うのがずどん、と一発入って、小説を読む楽しさってこういうとこにありますね。
良く考えながら読んでいれば分かっていたようなことだけど、素直に読んで衝撃を受けるほうがお -
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前半は、菅原拓の自己陶酔気味に辟易しながら、最近のライトノベルに出てくる登場人物ってこういう書き方をされているんだなあと思った。まさに厨二病。
竹岡美穂さんのイラスト目当てで手に取ったので、文学少女のイメージで読むとともかく菅原拓にイライラして仕方ない。
表紙の男の子の絵が好きなのに、正体はこんな酷いキャラなんて。あと琴海も同じく自己弁護ばかりなのでイライラ。
大人になった今読むと、感情移入もできずにただただ苛立つ。前半は読んでいるときにともかく苦痛しか感じない。
「サツガイ」、そして黒いページが始まるところから面白くなってくる。
読めばわかるが、明らかにそこからこの物語は前半と後半に分かれて -
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シリーズ最終巻。
城から姿を消し実家(実国)に帰った王妃を追ったルディが妖精の森に迷い込む展開。
シリーズ初めから匂わされてきた7番目がようやく明らかになる。
前巻の読後では6番目がフロリンで7番目が王妃というトンデモ展開を予想してたんだけど違った。
7番目はちょっと意外な人物だった。
いやでもそれって決して手に入らないというより、もともとルディの相手ではないよなあ。
なので、話を引っ張った割にはちょっと肩透かしを食らった気分。
全部と一人の二者択一は、もともと成立しないような気がするなあ。
さて、もちろんルディと王妃がうまくいくだろうことは予想がついた。
まあお約束だし。
吹雪の避難小 -
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今巻はてっきりエヴァリーンの回だと思っていたら、むしろテレーズの方にフォーカスが合っていた気がする。
いや勿論エヴァリーンの回でもあるんだけど。
いやしかし、どんな女の子でも可愛く描けるな、野村さん!
高慢ちきなテレーズがどんどん可愛く見えてくるところは素直にすごいと思ってしまった。
実際にこんな女の子を相手にしたら、ちょっと面倒くさそうだけど(爆)
エヴァリーンの可愛さは前からわかってたけど。
やっぱりあれだな、あのテンパり方が可愛いね。
それにしても一気に2人愛妾が増えたと思ったら、4人かよ!
さすがに侍従長アーデルハイドは予想外だった。
彼女がデレて可愛くなる姿は想像つかない(笑)
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ネタバレサブタイトルから番号が消えたのは一度に二人も寵姫にしたからか。そして次回も二人迎えるようで。ヒロインが七番目まで居ることが明言されていたから7巻くらいまで続くかと思っていたけど、実際はもう少し早く終わるのかな?
ルディがエヴァーリンを好きになる動機が少し弱かったような気もする。その反面テレーゼが段々とルディに魅了されていく描写はかなり良かった。出番は少ないけどミーネの純情さも堪らない。それだけに有能なお茶くみによるストップはじれったいな(笑)
一方のカテリナは行動は裏目に出てしまうし、今回のルディの行動に関わることも出来ないしで散々だな。もうどうしようもないと思っていたら家出してしまうとは…