あらすじ
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「ひとかけ屋」というお店で、「主人公が欠けている」という本を購入した美緒。本には美緒のこれまでの人生が描かれていた! 読み進むうちに、美緒の身にも危険が迫り――。 第二部は『わたしの本』の大学生作家・まみが再登場、「あなたの本」の解明に挑む。
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Posted by ブクログ
友人と一緒に訪れたフリーマーケット。店を見ていると、『ひとかけ屋』という何かが欠けてしまっている物を取り扱っている店に出会った。店主曰くなんでも、その欠けている部分の代わりに何かしらの物語があるというのだが…。 *** 前作「わたしの本」の第二部。物語の始まりは、主人公である美緒がフリーマーケットで一冊のノートに出会うところから。主人公が興味本位で購入したえんじ色のノートには、前作と同じように怪談話が延々と書き連ねてあり、それを美緒と一緒に読んでいく。内容は前作の「わたしの本」よりずっと怖く、時にはグロテスクでなかなか刺激的。そして、その怪談の恐怖をさらに引き立てるのが、今回の主人公が見舞われている怪異そのものである。本に書いてある内容は本から見て「あなた」である美緒が今まで体験してきた恐怖体験そのもの。それ自体は終わったことなのでまあ、百歩譲ってよいだろう。 しかし、ノートに記されている恐怖体験はやがて過去から現在に至り、それが今の主人公に追いついた時の怪異の猛威には、ある意味で目を見張った。 この怪異が今の主人公に追いつくという設定が非常によく、すばらしいと感動した。この本の怖いところは、前作の「わたしの本」と同じくノートに記された恐怖体験が実際に主人公たちを襲うという点だとおもう。ノートが原因であるが、対処方法がわからないという不気味な感じが面白い。