渡部昇一のレビュー一覧
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2015年1月に発刊された『読む年表 日本の歴史』も持っているのだが、令和の時代まで増補されたというのを見て買ってしまった。
増補されたのは、たったの8ページ。渡部昇一先生は2017年に亡くなっているので、増補部は編集部作成のものだ。文体や主張は渡部先生のものと見分けはつかないので、取って付けた感じはしない。
旧版を持っていれば、好事家以外は買う意味は少ないだろう。旧版を持っていなければ、迷わず『増補新版』をお勧めする。
もともと本書は、全7巻からなる『日本の歴史』特別版として発行されたもの。いわばダイジェスト版である。本書のそれぞれの章は、全7巻の区分によっている。
日本の歴史1 古 -
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『知的生活の方法』の最終結論。
渡部昇一先生の「知的生活」に関する本は、『知的生活の方法』、『続 知的生活の方法』をはじめ、『終生 知的生活の方法』まで、ほとんど読んできた。
タイトルから想像すると、没後の2018年に発行された『終生 知的生活の方法』が、「知的生活」の最終結論だと思っていた。しかし、本書を読んでそれが違っていたことが分かった。
亡くなる半年前に発行された本書こそが、『知的生活の方法』最終結論だったのだ。それはあとがきに書かれた、次の言葉からもわかる。
「知的生活」を志し、それを奨める本を書いた著者が、約四十年後にはどうなっているかのレポートが本書である。(p253)
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Posted by ブクログ
ネタバレオーディオブックで聴き、紙の本でも読んだ。
「日常の仕事でそんなに疲れるなら、それはあなたの生活のバランスが悪いので、是正すべきだ」人間の精力は、日常の仕事に全てを吸いとられてしまってはならない P.20
睡眠というのはある程度は習慣の問題であり、怠惰な生き方のほうにこそ問題がある P.21
→睡眠大切に、朝の時間を充実させたいものである……。
「習慣を変えるなら、あまり大きなことを公言せず、さりげなく始めなさい」P.82
自分のしていることなど、あまり大げさに他人にしゃべらないほうがよい P.142
→私は口に出したり大げさに宣言したのに、できなくて凹むということもよくあるので、この言 -
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Posted by ブクログ
著者が様々な本を読んで、実践してきたこと、自ら工夫したことを、"本を読んだり、物を書いたりする時間が生活の中に大きな比重を占める人たち"の参考になるように書かれた本である。
だから、本書が最も役立つと思われるのは、主に学者や作家という人たちになるだろう。
それ以外の人でも、知的生活を送りたいと考える人たちにとって、それを実践するためのヒントは得られるだろう。
また、カントやゲーテなどの偉人の生活を垣間見ることによって、スマイルズの「自助論」のような自己啓発書として読むこともできる。
本書の出版は1976年である。2024年の今から約半世紀前に書かれたものであるが、版 -
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試し読み
Posted by ブクログ
昭和5年生まれの筆者が、明治維新後から自らも経験した戦中、東京裁判辺りまでの日本史を、戦争を軸に振り返る。
第二次大戦時の大本営の称賛こそ無いが、「自衛のための戦争」「結果的にアジア諸国の独立に繋がった」「連合国側の方がよほど残虐」という論調が強い。やや偏った感はあるが、教科書通りの歴史感だけでは本質を見落とすことがあると気づかされる。
賛否両論あるだろう本だが特に印象に残ったのは2つ。昭和に入って軍部の暴走を招いた一端に憲法の不備があったが、明治中期までは維新に関わった元老達の良識がその欠点をカバーしていたということ。そして文章にやたらと「~なのは言うまでもない」が多かったこと。