渡部昇一のレビュー一覧
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時間は等しく24時間であり、その限られた時間をいかに有意義に過ごすかが、人生の満足度に直結するかを知ることができた。
印象五選
・やりたいことをやって達成できなかったとしても、やらない人と比べたら意味がある。しない人は1日が24時間しかないからと言い訳をし続ける。
・24時間という与えられた時間の中で、充実した1日を過ごせるように心得ておくべきことは、いかに至難のわざであるか、いかに多くの犠牲を払い、倦まずたゆまず努力しつづけなければならないかを冷静に悟ること
・来年の時間や明日の時間、今から1時間後の時間も、手つかずであなたのためにとっておかれている
・充実した完全な1日を送りたいと思ったら、1日の中にもうひとつ別の1日を設けるようにしなければならない。 この「内なる1日」は夕方6時に始まって翌朝の9時に終わる15時間の1日というわけである。 そして、この16時間はすべて、もっぱら自分の心と身体を成長させ、同胞を啓発することだけに使うのだ。
・所詮人はそれぞれ自分で自分の人生について真剣に考えない限り、本来成し得ることも成し遂げられない -
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タリーズで見かけて、割引価格で買った本であるが、素晴らしい本であった。特に読書に関してはかなり情熱を込めて語ってくれている。「文学を研究する目的というのは暇な時間を楽しむことではない。…自分自身を目覚めさせることであり、活き活きと生きることであり、喜び、共感し、理解する力を強めることである。」そしてこの著者は、現代の作品よりも古典を読むべしとしている。厳しい言い方であるが「古典を読んで腹に落ちなければ、問題があるのはあなたの方であって古典ではない」と。そして現代作品を避けなければならないのは「あなたが現代の作品の中から書物を選択できるような段階に達していないからだ」とて厳しいのだ。
そして読むだけで読書後に考えないような読書については「著者が伝えようとしている思想を分類し、伝えようとしている感情を明確に自分の心に刻印するために、労をいとわず、頭を使い、心を傾けないならば、読書とは単なる気晴らし以外の何物でもなくなる」と、痛いところを突いてくる。
題名からなんだか堅苦しい道徳本のように思っていたのが、自分の生き方について、真正面からズキンと突いてくるようなとても良い本でした。これからもっときちんと読書を楽しみたいと思いました。 -
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歴史は誰が語るかによって、その姿を変える。私たちが学校で学んだ日本史もまた、一つの見方に過ぎないのかもしれない。
戦後の日本では、占領政策の影響もあり、語られなくなった歴史や十分に教えられなかった出来事があると渡辺氏は指摘する。日本人が育んできた文化や伝統、先人たちの功績、そして国家の歩みを、教科書とは異なる視点から見直そうと試みるのである。
もちろん歴史には多様な解釈が存在する。しかし、一つの見方だけを正しいとしてしまえば、歴史の豊かさは失われてしまう。異なる史観に触れることは、自ら考える力を養うことにもつながる。
過去は変えられないが、過去の見方は変わり得る。歴史を学ぶとは答えを覚えることではなく、多様な事実や解釈に向き合いながら、自分自身の歴史観を築いていく営みなのだ。 -
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とある勉強会で紹介を受けて手に取ってみた。
非常に読みやすく、歴史の学び直しになる一冊だった。
日本の歴史について神代からコロナ禍まで重要な事象ごとに2~3ページほどで簡潔にまとめられており読みやすい構成となっている。
筆者は渡部昇一であり日本の歴史を大切にする人物により整理されていることで安心感を持って読める。
筆者としては日本の歴史を簡潔にまとめるにあたりおそらくテーマやストーリー性の的を絞って編纂したと思われるが、その中でも国体の護持または一貫性については全体を通じて感じ取りやすい内容となっている。
この国体に関する視点は日本の歴史を捉えるために非常に重要と考える。
神代についても国体を考える上では当然歴史の一部と捉えるべきであろう。(なお、神代については人間と異なる神の物語なので、男系女系などの議論については不要だと率直に思った。男神女神なのであって男性女性ではないはず。)
古代について、八紘一宇(八紘為宇)の建国理念から丁寧に日本の成り立ちが描かれている。そして仏教伝来という日本の共存共栄の歴史の始まりもきちんと解説されている。(この部分も大切で。日本は比較的上手に共存や融合をしていたはず。)
その後の古代~中世の描きかたも絶妙で、皇統護持が古代からいかに苦労していたか、国体と政体が分離する(けれど政体にも謙虚さがある)過程、日本人として誇る思想や人物(楠木正成)など、必要な内容が網羅されている。
中世~戦国について、政体ないし歴史の主体が武士に寄っていくが、その中で国体の危機や武士の力が絶大になる時期もあるが、日本という国の絶妙なバランス感覚なのか、武士も天皇を尊重するし、皇統は維持され、国のあり方は継続している。
この日本の歴史の一冊全体を俯瞰してみても、武士の時代のページは多いが、武士の時代とは政体が変化し(国体は維持され)、国が成長していく段階であり、そのパワーとして武士の存在は重要だったのだろうと捉えなおした。
江戸~明治について、江戸時代は学生時代には興味が湧かず、あまり知識として定着できていなかったので、純粋に学び直しとして有効であった。江戸時代後期からの外国勢力からの圧力を受けて以降、国内でも議論やさらには内戦を含めて方向性を決め、明治時代にかけて当時の国際社会と並ぶ決意と実践をした。この一連の流れの中で江戸時代後期の事象が重要であったこともこの書籍から感じ取ることができた。
大正以降~戦後にかけて、大東亜戦争に至るまでの客観性のある経緯と戦後処理での敗戦国としての苦渋がよく理解できる(おそらくその意図での構成上、もはや第一次世界大戦すらも紙幅の兼ね合いで割愛になっている模様)。決して日本が完全正解の行動だけをしていたわけではないが、大東亜戦争に至るには相応の事実と経緯があり、それを戦後処理などで歪曲して定着されていることを本書のような歴史認識で是正する必要がある。
日本の歴史は全く平穏というものではなく、仏教も伝来すれば、戦国時代もあり、外国勢力の圧力もあれば、敗戦の経験もある。それでも国体を護持しつづけた日本の歴史を誇りたいし、今後も必要な変化は受け入れつつ、国の本質は守り続けたい。 -
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知的トレーニングの適切な方法と努力の大切さを訴えている自己啓発書。
ニュートンの様な真の天才は、自分と他人との唯一で大きな違いは、自分には強い忍耐力があるだけだと言っている。=ひたすら努力することせずして人より抜きん出ることはできない。
若いときから早起きする習慣を身に付けている人は長生きする傾向があり、卓越した有能な人物になる場合が多い。
読書は量より質が大切。一文、一段落の終わりごとに、自分は理解しているかどうか、重要であるかどうかを自問するべき。
時間ほど貴重なものはないのに、一方で無頓着に浪費されているものもない。実際、他のものだったらことごとくケチる人ですら時間だけは、無駄遣いしてしまう。
1日を有意義に過ごすためには、1日の初めに、寝るまでに何をどれだけやり遂げたいのかを確認して実行に移すこと。1日が終わったら、その日を反省しできなかったことを確認する。
何か新しい有意義なことを成し遂げるのに、普段の生活を大きく変える必要はない。ただ、無駄にさている時間を残らず活用しさえすれば良い。
言葉は人間に与えられた素晴らしい贈り物だが、言葉に滲み出る感情は、多かれ少なかれ他の人に影響を与える。この贈り物の使い方には重大な責任が負わされていることを忘れてはならない。 -
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2015年1月に発刊された『読む年表 日本の歴史』も持っているのだが、令和の時代まで増補されたというのを見て買ってしまった。
増補されたのは、たったの8ページ。渡部昇一先生は2017年に亡くなっているので、増補部は編集部作成のものだ。文体や主張は渡部先生のものと見分けはつかないので、取って付けた感じはしない。
旧版を持っていれば、好事家以外は買う意味は少ないだろう。旧版を持っていなければ、迷わず『増補新版』をお勧めする。
もともと本書は、全7巻からなる『日本の歴史』特別版として発行されたもの。いわばダイジェスト版である。本書のそれぞれの章は、全7巻の区分によっている。
日本の歴史1 古代篇 神話の時代から
日本の歴史2 中世篇 日本人のなかの武士と天皇
日本の歴史3 戦国篇 戦乱と文化の興隆
日本の歴史4 江戸篇 世界一の都市 江戸の繁栄
日本の歴史5 明治篇 世界史に躍り出た日本
日本の歴史6 昭和篇 自衛の戦争だった「昭和の大戦」
日本の歴史7 戦後篇 「戦後」混迷の時代から
当然こちらの方が詳しく書いてある。面白さという点でも、学びという点でも上なので、合わせてお勧めしたい。私は全巻持っているが、必ずしも全巻そろえる必要はない。歴史は時代が近い方から、さかのぼって読むのがお勧めだ。出版された順序も、7、6、5…と時代をさかのぼっていき、最後が古代篇であった。