あらすじ
知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけてゆくには、どんな方法が可能か? 読書の技術、カードの使い方、書斎の整え方、散歩の効用、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして結婚生活……。本書には、さまざまなヒントとアイデアが、著書自身の体験を通して、ふんだんに示されている。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
久々に再読。もう46年前の著作ということで、後半のノウハウ的な部分は、色々な意味で時代性を感じる点も少なくない。が、「過去の成功例をそのままマネしても、意味がない」ということは、著者自身がそもそもちゃんと書いている。この点を念頭に置きつつ、どう応用できるかを考えながら読めば、今でもとっても参考になる1冊。
本書のなかでより普遍的なメッセージは、前半部分だろう。分かったつもりにならない・分かることを恐れる「知的正直」の大切さや、自分自身の古典を作ることの意義は、著者自身の読書遍歴や当時の世相も交えて具体的に語られているがゆえに、かえって古びない。
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初版は1976年4月発行。時折読み返しているが、読むたびに新たな発見がある。
本書は知的生活の肝を「本との関わり」と定義しており、書斎の設計図まで提示されている。本をネットに置き換えて、有効な活用方法を考えるのも面白い。
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これまで読んだ知的になる本の中で、一番自分に合う感じがした。
学びの興味はあっても、選ぶコツだとかが適当だとうまくない。自由をとって幸せを取らないみたいなことにもなりかねない。
知的な自由でいながら満たされる可能性を感じられた。いつまでも勉強をしているけど、強い諦めも感じていた。少しマシになれそうな気がした。
Posted by ブクログ
初版と言うか第一刷を持っている。
本書の出る前は、知的と言うと京都大学教授の梅棹忠夫さんの知的生産の方法だった。
そこに上智大学教授渡部昇一さんの知的生活の方法が出た。
発想法、KJ法の東京工業大学教授川喜田二郎、
地球物理学東京大学教授の竹内均、
頭の体操の千葉大学教授多湖輝等々が活躍していた頃だ。
岩田一夫もその頃か。
知的生活には、エアコンが必要だ
と書いて、一部からは 贅沢だと叩かれた
という時代だった。
しかし本書は新鮮だった。
知的という言葉を、生産から生活に拡げた功労者だと思っている。
日経新聞のおかげで、渡部昇一さんの講演会を聴く機会を得たのも、本書の縁だと思っている。
まとまってないけど、リリース。
Posted by ブクログ
●若かりし時代に読んだ本で、座右の一冊です。
●私は読書が好きで、先人に学ぶ事や擬似体験する事が人間形成に役立つと考え、色々な本を読んできました。そのように、読書する事の意義を考えていた頃に、この本に出会い、その後の読書姿勢に役立ちました。
●共感した点を少し書きます。「①知的な生活が細々とでも続いている確実な外的指標としては、少しずつでもちゃんとした本が増えているかどうかを見るのが、一番簡単な方法である。②十年間に一冊も本らしい本を買わなかった、ということは、この人は日常生活のみをやって過ごしたということをなので、知的生活はなかったと言ってもよいだろう。③知的な生活が細々とでも続いている確実な外的指標としては、少しずつでもちゃんとした本が増えているかどうかを見るのが、一番簡単な方法である。④あなたは繰り返して読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、あなたがどんな人かよくわかる。しかしあなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない。」長くなったが、今でも私の読書の座標軸です。
●この本を早く読む事が出来てよかったと思っています。前述した他にも著者の経験談を元に参考になることが沢山あります。読書が好きな人に読んで貰いたい一冊です。蛇足ですが、本書は講談社現代新書史上最大のベストセラーだそうです。
Posted by ブクログ
読書家に読んで欲しい本。
読書術や勉強術といった類いの本ではなく、知の巨人たちが如何に自分達の知的生活を持ち続けるかという本である。
少し前の時代の知の巨人の話を聞くことで学ぶことの原点を改めて見つめ直すことができる。
Posted by ブクログ
この本は、梅田望夫さんの「Web時代を行く」という本で取り上げられていて、気になったので読んでみた。
本当に面白いと思えるものを見つけること、そして見つけたものに対して継続的に活動や努力をし続けることが知的生活の根本的な考え方かなと。
好きなことを見つけたら、余暇のほとんどの時間をそのことに費やしても苦にならないし、モチベーションも維持できるというものだろう。
知的生活には、絶えず本を買い続けることや、知的正直(わからないのに、わかったふりをしない)であることの重要性が書かれている。
後半は、ワイン、散歩、クーラー等の効用が書かれていて、さらっと面白い。
また、知的生活には、家族との付き合いや結婚にも慎重であるべきというような記述や、本の置き場所が重要だから書斎や書庫、部屋が載った家の設計図まで載ってて、どこまで!?という感じもするが、そこは著者の情熱なのかなと。
なかなかよい本でした。
Posted by ブクログ
知的な喜びの源泉は、自己に忠実であって、不全感をごまかさないことを感じてのみ与えられる。分からないものをわかったふりをするはせずに、面白くないものを面白いというふりをしない。
面白くない本を無理して読んでも、読後に何にも残らないのは確か。知的向上を図るためには、自己に忠実であるべき。
自分の古典を見つけるというのも、新たな知的発見が可能となる。早速、2-3年前に読んだ本の読み返しを行おうと思う。
Posted by ブクログ
文句なしの名著。とりあえずみんな読もう。
p160 ハトマン「知的生活(intellectual life)」:人生を空費させる最も大きな敵は、「下手な勉強」
これにはドキッとした・・・
Posted by ブクログ
全部知ったような顔をして生きてきた自分にとってはかなり突き刺さる内容だった。これから中身も問われる中で、読んでおいてよかった本
●知的正直とは、わからないのにわかったふりをしないこと
★知的生活の真の喜びは、自己に忠実であって、不全感をごまかさないことを通じてのみ与えられる。
知的生活を行う者は、退行現象ということを考慮に入れてそれに備える心構えが必要
●知的生活は、専門的な勉強、職業上の仕事のみでは不十分である。どうしても、知的な関心を持つ人たちとの、肩のこらない交流と、特定の目的に束縛されない自由の読書のための時間が必要
Posted by ブクログ
著者が様々な本を読んで、実践してきたこと、自ら工夫したことを、"本を読んだり、物を書いたりする時間が生活の中に大きな比重を占める人たち"の参考になるように書かれた本である。
だから、本書が最も役立つと思われるのは、主に学者や作家という人たちになるだろう。
それ以外の人でも、知的生活を送りたいと考える人たちにとって、それを実践するためのヒントは得られるだろう。
また、カントやゲーテなどの偉人の生活を垣間見ることによって、スマイルズの「自助論」のような自己啓発書として読むこともできる。
本書の出版は1976年である。2024年の今から約半世紀前に書かれたものであるが、版を重ねており、いまだに新品で買うことができるということは、時の審判に打ち勝ち、世間から認められたという証である。名著であるが、決して固い本ではない。文章も内容も読みやすい本なので、「知的生活」という言葉にピンと来る人は一読をお勧めする。
Posted by ブクログ
おもしろいし、おほむね賛成
いやあ初めて読んだが、いろんなエピソードが出てきてめっぽうおもしろかった。たくさん笑った。
たしかに後半、頻繁に精神分析を持ち出してきてオカルトめいてきたり、ワインとかビールとかいふ変な部分はある。
しかし全体的にかなり納得・共感した。たとへば、知ったかぶりをする子供は進歩がないとか、カントの規則正しい生活と血圧とか、見切り法とか、知的生活と縁のない配偶者とか。なるほど!である。しひて言へば知的空間のための建築の部分があまり現実味がないが、まあ理想を高く持てといふことであらう。
知的生活とは
出版されて40年経っても、読み続けられています。ところどころ、古くなってしまった発想もありますが、今なお、知的生活を送るための心構えを示してくれます。
Posted by ブクログ
知的生活を送るための信念や方法を論じた一冊.
前半部の心構えは知的生活をするしないにかかわらずプロになるための方法とも思えた.
これから知的生活を送るうえで本・情報源へのアクセスは近い距離がよいと思え,その量自体も沢山あるべきだと共感できた.
勉強する習慣は学生で終わりと思わないので,社会人になってからこの本を手に取りどう生きるかを再考するべきと思った.
以下章ごとの要約
自分をごまかさない精神
わかったふりをしない.わかるまでやらなければ器用貧乏のように終わってしまう.
古典をつくる
何度も何度も舐めるように繰り返すことが大事.そうすることで感性を研ぎ澄ますことができる.
本を買う意味
身銭を切ることでモチベーションをあげられる.手元に置くことでアクセス性が向上する.
知的空間と情報整理
知的空間の必要性やおすすめの間取りを紹介.情報整理についても筆者なりのやり方を説明.
知的生活と時間
知的生活を送る上での時間の使い方を説明.
知的生活の形而下学
知的生活を送るための具体的な食生活や人間関係を説明.
Posted by ブクログ
カード式についての見解が興味深い。金があるなら、本買った方が良いが、金がないなら、カードしかない。しかし、時間はかかってしまうことは覚悟すべきということ。単に、身銭を切らないと身に付かないと言っているのではないところに注目した。また、繰り返し読むという点にも注目。古典の形成過程を分析して、繰り返し読むことの意義を論じているところは、興味深く、納得できる内容だった。
Posted by ブクログ
渡部昇一さんの考え方が好きで憧れを持って読んでみた。知的生活を行うための態度として特徴的と感じたのは「分からないことを恐れないこと」と「静かなる持続」の2点だった。
簡単に言えば、僕らは「勉強」をする時にその成果に対してせっかちになりすぎているのかもしれないな。と本書を読んでいて気付かされた。
結果は後からついてくると信じて、知に大きく投資する勇気を持とう。
Posted by ブクログ
タイトルから、いかにも「インテリ向け」という印象がしたが、そうではないという誤解がないような配慮を冒頭に記している。まだインターネットがない頃の本。後半の書斎スペースや家族との時間を持ちながら読書時間を捻出する課題については、インターネット、ネット書籍などが解消してくれる気もした。
個人的に、著者や歴史の教科書に出てくる偉人にも「退行」となる行動はある意味必要だったということに衝撃を受けた。自分の生活パターンや脳の働き方について考えるきっかけをもらった。
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作者の体験をもとにかなり具体的に「知的生活」について実践的な方法を提示してくださっている。なかには庶民には真似できないようなこともあるが、まるっきり真似ることが重要なのではなくあくまで参考にし自分の生活にあった知的生活をとりいれるのが正解なのだろう。
しかし女性や同性愛を軽視したような発言があるのはいただけないと思った。それも彼が知的生活を保つことを重要視しているとともに、その難しさを十分に理解しているからこそなのだろうが。
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何十年ぶりかで読んだがとても楽しく面白かった。
若い頃に読んだときは早く結果を出したいと焦っていたためか、
「得るところは無かった。しょせん私立大学の教授レベルだ」
などと不遜な感想だった。
反省している。
歳を取り、経験もそれなりに積んでこそ分かることがあるのだと改めて感じ入った。
テクニックやノウハウは古くなっている箇所もあるが、読者がそれを現代の手法に置き換えれば良い。
役立つ面白さでなく、分かる面白さだった。
今はすぐ成果の出るビジネス本がたくさんあるので、つくづく今の人は幸せだと思う。
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金は時なり=時間という要素が一番大きい。
時間を買うためにも本は買う。
無駄な勉強に時間を費やさない。
上智大学では、英語に集中させるために第二外国語を見切っている。
早起きカント。起床は5時。7時まで準備。9時まで講義。1時まで仕事。
溶鉱炉は火を落とさない=仕事は4~5時間まとめて時間をとる。
半端な時間は、暗記する。
みんなと同じことをしていれば、みんなと同じ平凡なことになってしまう。断固として始発電車に乗った人の話。
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己に忠実に。
ある知的生活者の日々の教訓を伺う本。姿勢を見習う。
・「わからない」ということを恐れない。「わかった気になる」ことを恐れる。
・小説を理解するには知的レベルが必要。読めないときは読まない。知的レベルの向上が先。
・時間の間隔を置いて繰り返し読む。繰り返し読んだ本が何かで<わたし>が見える。
Posted by ブクログ
期待して読んだが、自分にとっての学びは少なかった。本書は著者の考えや習慣等をまとめたものなので、必要な部分だけ読めば良い。それ以外は参考程度に流し読みするか、飛ばしても良いと思う。
Posted by ブクログ
知的生活=読書といってもよい。
自己投資。お金の使い方はとりもなおさず、本を買うことであり、買うという行為が身を引き締めて知識を得ようとする行動につながるのだ感じる。
1970年代の本であり、現代には参考にならない箇所もあったが、精読や知的生活の大切はよく理解できる。
何度も読む本が自分のとっての古典になるという点は実践したいと思った。
また知的内容の濃い生活を送れているか自問する良いきっかけとなった。
知的生活者にとって、Time is Moneyであり、時間も金で買うことは大事。これは、行列に並ばないこと、VIP席に座ることなど、生活のちょっとしたことに対する自分の価値観と比較して、どれが一番良い選択肢を選ぶことも知的生活を生きるという意志にもつながると個人的に思う。それは、お金で解決したことによって、それから生ずる時間のゆとり、心のゆとりを獲得し、さらなる知的生活を過ごせる時間を生み出すことだと個人的に思う。
退行現象の話は面白かった。カント、ダーウィンなどいずれも知の探求者はどこかで休息が必要で、それが睡眠方法だったり、妻の音読だったりする。
Posted by ブクログ
メディアの進化や男女観等、時代を感じる部分はあるが、今に通じる部分もある。
彼の言う知的生活がどんなものかは理解することができたように思う。私自身は本を所有するということに重きを置いてこなかったので、所有する利点について気づきがあった。
Posted by ブクログ
分からないものを分かったふりしない、繰り返し読む自分の古典をつくる、身銭を切って本を買う、自分なりの書斎をもつ、散歩の時間をもつ、等、知的生活を送る上での具体的な話が参考になった。
Posted by ブクログ
物を読み書きし勉強することを一生を通して行っていきたいという人のための、実践的な方法を紹介している。
内容は、精神性から情報整理法、時間や食事方法まで知的生活に関することを具体的に示している。一般人には到底真似できないと思うような理想のような記述もあるが、知的生活を実践した先達の言うこととしていくつか自分のできる範囲で実践していきたいと思った。特に、下手な勉強は時間の空費ということについては常に意識したい。
著者のその後の本を読むと、本書にある家庭は知的生活にとってだいたいマイナス要因であるという考えは変わったようである。
Posted by ブクログ
憧れます「知的生活」。
本当は今の職業を選んだのだって、多少なりともそういう部分があるかなという期待があったわけですが、現実は全く違いました。
これを読んでいると、やはり研究者とか大学の先生くらいしか、こういう生活は送れないのかなあ。
しかし、あまり難しいことを考えるのも私にはできそうもありません。やはり、知的生活はあきらめるしかなさそうです。
この本は、いろいろな文献からの引用が豊富で、過去に知的生活を送ってきた人たちのエピソードが読めて面白いです。憧れると同時に、自分には到底たどり着くことはできない極みのような気もします。
2章の「古典をつくる」というのがなかなか面白いです。同じ本を何度も読んで、それでも読みたいと思えるような作品に出会う。それが、その人にとっての「古典」です。
そういうものに出会うと、本物とそうでないものが簡単に見分けられるようになる、と簡単に言ってしまえば、そういうことなのですが、同じ本を何度も読む、確かにあまりしてなかったなあと反省させられました。
私にとっての古典は、いつ生まれるのでしょうか。