渡部昇一のレビュー一覧
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コロナ禍で「ステイホーム」となり、時間があれば海外や国内を旅行している人には厳しい時代となった。
そんなときでも日々をただ過ごして月日が流れるのは困る。今回の本は「知的生活」をテーマにしている。
19世紀に生きた英国人の価値観が反映されているが、今の時代に読んでも違和感はない。古いの一言でバッサリ斬って読まないのはもったいない。むしろ、インターネット上で無数の情報が飛び交う今こそ読む価値がある。
著者の「知的生活」(本書)と「知的人間関係」は明治以来日本でも英語の教科書に使われてきたそうだ。その理由は、文章が読みやく内容が人生にとって深く刻み込まれているからだ。
知的生活を営むには「肉体の基礎」をどう作るか論じている。健康でないと知的生活を送るのは難しい。
知的生活を送るには、量を多く取らなくても体力や知力を維持できる質の良い食べ物を食べることをすすめている。
才能を喚起するための飲み物として、紅茶を挙げている。会話をなめらかにするために利用していると述べている。
時間のつくり方、使い方では、完璧にモノにできないのに、こだわる必要はないと述べている。時間を節約したいなら、リストを作って不完全なものを断念する。
知的生活をしようと思うと、心身のバランス、金銭面の不安がないなどいろいろあるなあ。
コロナ禍、ウクライナ情勢など1個人で解決するには大きい問題がメディアで取り上げられていて、イヤでも目にする。こういう時代だからこそ、読みたくなる本だ。 -
Posted by ブクログ
前半は著者ショウペンハウエルの解説。
私は著者のことを知らなかったので概要を知ることができて参考になる。
読書とは、私たちの代わりに誰かが考えてくれることであり、その人の心の動きを反復しているだけ。
読むことばかりに慣れていると、極端な場合は自分で考える力を全く失ってしまうのだ。
本を読んでいる時、考えるという作業の大部分が免除される。
反芻することによってのみ、人は読んだものを身につけることができる。
多読、雑読。していれば、そのうちにだんだんと本を選べるようになる。
役に立つかどうか分からない本は読まない。というのは点滴で栄養を摂ることに通じる。それでは胃や腸そして歯は発達しないだろう。
読んだら自分で考える。そうしないと自分の中に根付かない。
良書を読む条件は、悪書を読まないことである。人生は短く、時間と労力には限りがあるのだから。
古典を読む。しかも原書を読むこと。
一方で、著書はベストセラーをなるべく読もうと心がけている。ベストセラーは、少なくともその時代の何かを反映していると思うからだ。
本を読んでどんどん忘れても良いのである。忘れるようなものはいらないと諦めて構わない。
自分の読んだものが身に付いたかどうか確かめる方法がある。それは書くことだ。
再読
自分で考え抜いた知識は価値が高い。また、我々が徹底的に考えることができるのは、自分が知っていることだけである。知るためには学ぶべき。
当たり前のことだが、ハッと気付かされた。
書物から読み取った他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない。とある。だが、しかし、書物から学ばなければならない我々は。と考えてしまう。
その点、ゲーテの一句が参考になる。
汝の父祖の遺せしものを、おのれのものとすべく、自ら獲得せよ。
つまり、思索するものは自説をまず立て、後に初めてそれを保証する他人の権威ある説を学び、自説の強化に役立てるにすぎない。
読書は自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。
読書で生涯をすごし、さまざまな本から知恵をくみとった人は、旅行案内書をいく冊も読んで、ある土地に精通した人のようなものである。これと対照的なのが生涯を思索に費やした人で、いわば自分でその土地に旅した人の立場にある。 -
Posted by ブクログ
歴史は古今東西、どの時代の歴史も好きになって参りました。一つの時代を掘り下げてある本を読むのも面白いですが、最近では一人の方が書いた「通史」が好きになりました。それを読むと、つくづくと歴史は繋がっているのだなと感じることができます。
一つの出来事だけでは、なぜそのような活動をしたのか理解できなかったことがありましたが、この本を読むことで、以前やられたことに対する仕返し・技術進歩により今までの軍事力が意味をなさなくなったので、他国に負けないように軍拡をし続けた等、歴史を流れで見渡すことで腑に落ちたことがありました。
以下は気になったポイントです。
・天照大神と素戔嗚尊は姉弟の関係であるが、この二人から五人の男の子と、三人の女の子が生まれる。男の子は天照大神が引き取り、女の子は素戔嗚尊が引き取った、神話では素戔嗚尊は高天原から追われて、天照大神の天孫降臨系(大和族)と、素戔嗚尊の出雲系(出雲族)に別れた、天照大神が引き取った男の子の子孫が神武天皇につながる。三人の女神は、安芸の宮島にある厳島神社に祀られ、さらに北の九州の宗像神社にも祀られている(p31)
・一神教の国では、万人は神の前に平等、古代ローマでは法の前に平等、シナでは皇帝の前に平等であった、日本では「和歌の前に平等」という思想があった、歌が上手であれば天皇と同じ本の中に入れてもらえる(p41)
・用明天皇が亡くなって蘇我氏と物部氏が争った時、蘇我氏の軍には厩戸皇子を名乗っていた聖徳太子が参加していた、戦場において聖徳太子は四天王像を造り「敵に勝たせてくだされば寺塔を建てます」と祈願し、その誓い通りに四天王寺を建てたと言われる、これ以降、日本では神社を尊びながら仏教を入れるという形に定着する(p50)
・総国分寺として奈良に東大寺が建造された、これには日本の本質がある、1)仏教は外国から来たものであるのに、日本に入ると外国にもないような壮大なものが出来上がる、2)大仏は盧舎那仏であるが、これは太陽神が仏教に入ったとされる、すなわち大日如来、これは密教における仏の一つだが、本質的に天照大神と同じものと考えられていた。これは、本地垂迹説という日本独特の考え方である、本地とは、仏・菩薩の本来の姿、日本の神々は仏教の仏(本地)が姿を変えて日本の地に現出(垂迹)したものと考えた、これは神と仏を両立させる神仏習合思想の一つである(p54)
・蘇我氏と対立していた中臣氏の血を引く若き天才・中臣鎌足(藤原氏の先祖)と中大兄皇子(のちの天智天皇)が蘇我氏打倒計画をめぐらし、女帝・皇極天皇の4年、三韓からの使者が来朝し、進貢の儀式が行われている最中に、そこに出席していた蘇我入鹿を殺した、このクーデターは成功し、大化の改新が始まる(p59)
・日本の律令制が唐のそれと異なるのは、神祇官を置き、一番高い位を与えた点である、一番肝心なところは日本流になっている(p60)公地公民制の基本となり、律令制の根幹となったのが「班田収授法」であった、農民は土地を分け与えられ(口分田)た代わりに、納税の義務をおった、そしてその土地は6年後に返還しなければならなかった、この制度は反発により次第に崩れていくことになり、743年には墾田永年私財法が出され、貴族や寺院が広大な土地を私有することになった(p60)
・平安朝における藤原氏の絶対性は、1)神話に基づく謹みがあって天皇家が安泰であると誰にでもわかった、2)律令制度を作り上げた家として、それを利用して広大なる土地を自分のものにした(=法律は作ったものがその法律を一番利用しやすい立場にある)という点にある(p70)
・35代皇極天皇(女性)以後、48代称徳天皇の崩御に至るまでの115年間に、重祚を含めて7人の女帝が即位したが、その資格は非常に厳格で、天皇の子か孫であって、しかも天皇の未亡人で妊娠の可能性がないことが条件とされ、未婚の娘の場合は、終生結婚しないという前提があった(p74)男系天皇とは、父親だけをたどって初代天皇の神武天皇まで遡れるということ、神話まで含めると天照大神と素戔嗚尊につながるという意味である(p75)
・平治の乱では、保元の乱の勝ち組であった平清盛が後白河上皇側につき、源義朝が二条天皇側についた、しかし、義朝は保元の乱で自分の父親を殺したために、当時の武士の間では人気がなかった。(p83)
・源氏が立ち上がったもとにあったのは、つまらない出来事であった。馬のことで息子が平家に侮辱された源三位頼政と、自分だけが親王になれなかった以仁王の遺恨が結合したことが、そのきっかけになった(p86)
・平家の一番大きな失敗は、京都を去るときに御白河法皇を連れて行かなかったことである、平家は安徳天皇を抱えていて三種の神器も持っていたから、本来官軍である。官軍として戦えば非常に有利だったが、後白河法皇を法皇をおいて行ったため、逆にご白河法皇が源氏に平家追討の命令を下した。これにより源氏も官軍と称し得る立場になったp92
・一回目の国体変化は、第31代用明天皇の仏教改宗、二回目は、源頼朝が鎌倉幕府を開いたことによって起こった、宮廷と関係なく天下を武力で征服し、守護・地頭を置いたことで、これは政治の原理の根本的変化である。三回目の承久の乱では、三人の上皇を島流しにした。四回目の国体変化は、明治憲法の発布で、五回目は敗戦による占領憲法の制定である(p100)
・強力な軍隊を有していた蒙古が侵略できなかった場所は3つある、東ドイツの森・ベトナムのジャングル・日本海の沿岸である(p107)
・日本の場合、他国とは異なる特徴がある、1)主導権争いは必ず皇室内で起こる、2)皇族以外の豪族が天皇になることはない、3)いくら揉めても外国からの干渉はない(p111)
・南北朝時代が続いた理由は、南朝も北朝も皇位継承権がある男系だったからである、明治の皇室典範はこの前例を踏まえて作られている。(p126)
・応仁の乱の前と後では、日本の貴族、豪族がほとんど入れ替わってしまう、皇室・公家のほかでそれ以前の名家で残るのは、島津・伊達など(p129)特筆すべきは、伊勢神宮が庶民に支えられる全国的崇敬の対象となった(p131)
・群雄割拠というのは確かに人間のレベルを上げる、ゆえにまともな封建時代がない国は近代国家になれなかったと言われる、発達した封建時代があった国は西ヨーロッパと日本だけであって、インドにも中国にも朝鮮にもなかった。それらの国の近代化は、結局、植民地または半植民地の時代を通過するか、共産革命を通過するしかなかった(p137)日本の各地に名物があるのは、封建制によって地方に根を下ろした大名が物産を作ることに奨励したから(p164)
・啓蒙時代とは何か、一言でいうならば「宗教の権威を最高にしない時代」である、信長が日本の啓蒙時代を開いた象徴的な事件として挙げられるのは、比叡山の焼き討ち、一向宗の皆殺しと行った宗教的権威の破壊である、これにより日本の近代化が始まった(p138)
・江戸時代も戦国時代も、女は政治に口を出さなかった、なぜ豊臣家では女が口出しできたのかといえば、豊臣家が公家化したから。日本史上、女が政治に口を出して成功したのは、唯一、北条政子だけである(p157)
・家康は、元和偃武によって平和な時代になると、能力主義から長子相続制度に変えた(p159)
・日露戦争において絶対に勝ち目のない日本の騎兵がロシアのコサック騎兵隊に勝ち得たのか、これは日本軍が騎兵を歩兵として使うことを覚えたから、騎兵に機関銃を持たせた(p216)
・日露戦争が終結して10年も経たないうちに欧州で第一次世界大戦が起こったが、この間にとてつもなく大きな変化が生じた、エネルギーが石炭から石油に変わったということ(p228)
・日本もシナも宣戦布告はしなかった、今日の国際法では、中立国は戦争をしている国に武器や軍需品を売ることはできない、中国も日本も武器やガソリン等を買う必要があったので、戦争と言いたくなかった(p252)
2022年2月13日作成 -
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たき子の手にかけていた糸がもつれてからまりました。糸をほどこうとして、あせればあせるほど、糸はますます、からまっていきました。たき子は泣きだしそうになって、お母さんに、こう言いました。「このもつれたところを切りましょうか」。すると、お母さんは「しんぼうして、ほどいていれば、ほどけないことは、ありません」とおっしゃいました。たき子が、落ち着いて、ほどいていくと、とうとう、もつれていた糸はほどけたのです。『修身二年生』1935
ものをまたいだり踏んだりするような不作法なことをしてはなりません。絵本をまたぐなど。
ものを売るとき、商品に傷があったら、それを客に正直に伝えないといけません。
国会議員の選挙では、候補者の中から性格と行動が立派であり、素晴らしい考えをもっている人を選らんで投票しなければいけません。自分だけの利益を考えて投票したり、他人に無理強いされて、適任者とは思えない人に投票したりしてはいけません。理由もないのに、大切な選挙権を棄てて投票に行かないことは、選挙の趣旨に背くもので、国と国民を不幸に導くことにつながります。『修身六年生』1939 -
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筆者自身が、幅広いジャンルの知識の持ち主のようだ。そんな筆者が、知識、ひいては人間性を豊かにするために、「たくさんの井戸を掘り続ける」という表現を多用して様々なことへ関心を広げることを啓蒙している。
常に外部の情報に関心を持ち、わらしべ長者の如くその情報から発展してさらに別の情報に繋げ、また別の人との交流をすることで更に発想力は広がっていくと説いている。
オカルトや薬物、精神的な病による発想の広がりについても否定はしていないところも興味深かった。もちろん、薬物に関しては違法性と身体に悪いことには言及している。
日露戦争で名を挙げた秋山真之は夢の中で予言めいた経験をして作戦を成功させたり、結果的に死後数年で発生した関東大震災を警告し、晩年はオカルトめいたところがあったらしい。本人はその情報発信源をオカルトに求めてしまったようだが、四六時中それらに関連することを考え(心配?)続けてきた結果の「発想」だったと思えた。 -
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知的生活とは
出版されて40年経っても、読み続けられています。ところどころ、古くなってしまった発想もありますが、今なお、知的生活を送るための心構えを示してくれます。
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読んで反省することが多くありました。特に時間の使い方と会話に対する姿勢については、改めなければいけないと強く感じます。ゲームやYoutubeなどは、楽しくてつい手を出してしまいますが、生産性が無いことのほうが多いです。もっと有効に時間を使わなければと、改めて決心しました。
また、会話の章では、「集いを去るときは、来たときよりもいちだんと賢くなっているか、あるいは他の人を賢くしていなければおかしい」というフレーズに、はっとさせられました。確かに、そのような意識で人と交流すれば、人との会話がいちだんと楽しいものになるに違いないです。間違っても無意味な会話ばかりで人の時間を奪うことがないようにしたいと思います。 -
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生涯現役
一部ご紹介します。
・老後に必要なものは、少数の友達、そしてカラオケに行ける財産。
・読んだ本の数が、人間の本質を支える。
・肉体を日々休まず鍛える。
・眠れなくても1日8時間は横になった方がいい。骨休めは大事。
・体を柔らかくすることは、老化を遅らせることに他ならない。
・運動後の自分へのご褒美を忘れずに
・声を出して本を読んでみる。
・卑屈にならないためにも私有財産は必要だ。
・人生では死が至る所で待ち構えている。それに備えて、いつもいいことをするように心がけるべし。
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母語の大切さ
一部ご紹介します。
・母親が大和言葉を話す。大和言葉の和歌や俳句も。漢字は振り仮名付きのもので、どんどん読ませる。たくさん漢字を覚えさせる。
・『百人一首』『徒然草』『奥の細道』をマスターさせる。基本を徹底させれば、他のものも読める。
・学校というところは、「読み書きそろばん」が教育の基本。教室でやるのは「読み書き」。「話す」ことは家庭、会話クラブ、ホームステイなどでやること。
・読書は内容のある人間を作る。
・会話は機転の利く人間を作る。
・書くことは正確な人間を作る。
・知っている単語、語彙が多くなるほど、世界は広くなる。
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ネタバレ4
読書については本来2巻本の一部であり、これはさらにその断片を切り取り、致知で著名な渡部昇一が、訳と自身の異論を含む解説をつけた形式。以前の本を読む本でもあったが、解説・解釈があっているかは確認すべきだが、それなりに納得はできる解釈。原著の内容よりも訳者のエピソードが面白い。読書後に自分で考える・書く・伝える・自分の意見を述べるといったアウトプットをしないと意味がない。渡部は本に、妻は自宅に金をかけ教養と快適な暮らしを生前から享受。子供に金を使う話や自身の哲学にお金を使う話は非常に感銘を受けた。
父の自殺、母との相性が悪い、母や妹の小説の方が売れた、この辺りは彼の哲学を読む上での前提。
「読書とは自分で考える代わりに他の誰かにものを考えてもらう事」「大量に、また一日中読書する人は自分で考える能力を次第に失っていく。自分の思考への従事から離れて読書に移るとき安堵感を得られるのはそのため。」文章を書いたりアウトプットすることは自分で考えながらやらないとできない。読書ばかりしていても、それについて自分で考える・書く・伝える・自分の意見を述べるといったアウトプットをしないと意味がない。論語なら、学びて思わざれば則ちくらし思いて学ばざれば則ちあやうしの前半部分。
「反芻することによってのみ、人は読んだものを身につけることができる」これは哲学書的な一読で理解しづらいものだけではという感じ。訳者も異論を出し、全ての本でやる必要はないと説く。訳者は雑読・多読により取捨選択できるようになるとともに時期を空けて年を取ってから再読することで感じ方や得られるものが違うというスタンス。これは正しいと思う。
「読書に費やすことのできる限られた時間を、あらゆる時代と民族に偉大な、他の人間からはるかに傑出した精神の生み出した作品、評価のゆるがないこれらの作品にあてよ」いわゆる古典や名作と呼ばれるものだが、こればかりでは正直読書が嫌になる経験も。色々読むほうが結局続く気がする。
「良書を読むための条件は、悪書を読まないことである」訳者も否定的で、自分の母や娘が書いているような通俗的小説などを悪書といっているのかもしれないが、そもそも良書を見分けるための力は多読から生まれるものだと説く。また、哲学等については、身の程を知るべきであって、分かりもしないうちに分かった気になっても意味がない。分からないこともあるという方が本当だろう。
渡部は、ベストセラーはなるべく読むようにしているらしい。少なくともその時代の何かを反映していると思うから。時代を見るために、過去のベストセラーに関心があるとのこと。詩も意外に年をとっても読めるらしい。自分なりの解釈がしやすいからかも。
「頒布は習得の母と言われる。とにかく重要な書物は間を置かず二度読むべき。結末を知ることで冒頭を正しく理解できる」ある意味その通り。間を空けて読むのもあり。
渡部は、アメリカで客員教授をしていた一年で現地の通俗小説ばかり読むようにしたらしい。現地の人と同じぐらいに楽しめるようになりたいと思い始めたとのこと。中でも「エリザベス・アルプトン」が役に立ったと。子供が不良になり、親が金をかけてくれたらと言われる話だが、ここから、「子供というのは、必要なときに金を使ってならなければ駄目だ」と感じたらしい。そこで、渡部は、借金してでもと覚悟し3人の子供を望まれた音楽の道に勧めたらしい。弦楽器で留学もさせたらしい。貯めていたらちょっとした資産家になったかもしれないが、子供が年をとってからお金をもらっても意味がない。旅行など散財するくらいしか使い道がない。渡部は本に金をかけ、妻は自宅に金をかけるというスタンスらしい。教養と快適な暮らしを生前から享受できる。
子供に金を使う話や自身の哲学にお金を使う話は非常に感銘を受けた。特に、子供の話はこの通りにしなければと感じた。野村監督の座右の銘を思い出す。「金を残すは三流、名を残すは二流、人を残すは一流」。「財を残すは下、仕事・業を残すは中、人を残すは上」という後藤新平。
史記もよいがだらだら長いので十八史略がコンパクトでいいらしい。また、何が古典として残るかについて、アーノルドベネット曰く、少数の熱狂的な読者を持った作家のみが残るということであった。大衆小説の流行作家の本が消えていくことを思うと説得力がある。渡部曰く「自分にとっての古典とは、自分が繰り返し読む本」。
ショウペンハウエルの悲観の哲学。人間の根底にあるのは「生に対する盲目的意思」であり、人間は満足することなくこれに動かされ、終わることなき苦悩となる。この哲学が悲観と言われる所以。仏教にも影響を受けており、苦悩から逃れる方法として、解脱のようなことを説く。1つは、生に対する盲目的意思を捨てる。例えば、童貞・未婚・粗食など。もう1つは芸術に触れること。一時的ではあるが、芸術的な直観はあらゆる制約から脱して事物を直観的に感ずる。 -
Posted by ブクログ
知的生活を送るための信念や方法を論じた一冊.
前半部の心構えは知的生活をするしないにかかわらずプロになるための方法とも思えた.
これから知的生活を送るうえで本・情報源へのアクセスは近い距離がよいと思え,その量自体も沢山あるべきだと共感できた.
勉強する習慣は学生で終わりと思わないので,社会人になってからこの本を手に取りどう生きるかを再考するべきと思った.
以下章ごとの要約
自分をごまかさない精神
わかったふりをしない.わかるまでやらなければ器用貧乏のように終わってしまう.
古典をつくる
何度も何度も舐めるように繰り返すことが大事.そうすることで感性を研ぎ澄ますことができる.
本を買う意味
身銭を切ることでモチベーションをあげられる.手元に置くことでアクセス性が向上する.
知的空間と情報整理
知的空間の必要性やおすすめの間取りを紹介.情報整理についても筆者なりのやり方を説明.
知的生活と時間
知的生活を送る上での時間の使い方を説明.
知的生活の形而下学
知的生活を送るための具体的な食生活や人間関係を説明.