渡部典子のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ジャック・ウェルチの経営を否定。金融第一・株価至上主義の経営からの脱却を説く。その問題提起はさまざまな方面から噴出してきている。
資本主義経済に代わるコンセプトが求められている。
1.世界No.1経営者とされるウェルチに対して、歴史の評価は「✕」を下す
2.ウェルチの経営は「財務」でしかなく、究極は「GEキャピタル」に収斂した
① リストラ・コストカット=人員削減・アウトソーシング
② M&A その後①へ
③ 自社株買いへキャッシュを注ぐ
3.研究投資・Innovationなく、「未来」は生まれない 本業は衰退
社員のモチベーション劣化
⇔ロマン・社会貢献の重要性
4.株価至上主義=時 -
Posted by ブクログ
かつてジャック・ウェルチと言えば名経営者の誉れ高く、当時の社長も「ウェルチはこう言っています」とよく引き合いに出していました。しかし、その名門GEが、ダウ平均銘柄から外され、収益源と言われたGEキャピタルを手放し、さらにはドル箱だった発電機・ヘルスケアも売却。いまや「ただの航空機エンジンのサプライヤーになり下がった」内情・顛末について詳しく論じています。本書ではその要因を、「ダウンサイジング(人員削減)、事業売買、金融化」を推し進めたウェルチズム、内部でのパワハラ言動、粉飾操作などに起因すると分析しています。
正直、ここまでひどかったのかと驚かされました(ウェルチはアンパンマンの対極)。 -
Posted by ブクログ
AIが既存のビジネスを効率化するだけでなく、その建て付け自体を大きく変えうる技術要素であることが理解できる1冊。一方で、本書に度々登場するウーバーの事例のように、AIファーストな企業であっても、必ずしも圧倒的な競争優位を築いているわけではないこと(マルチホーミングやネットワークのクラスタリングによる)も具体の事例をベースに学ぶことができ、AIの持つ可能性だけでなくそれを用いたビジネスの事業経済性や戦略の観点からも複合的に学ぶことができる。
AIがこれまで人が行ってきた判断を部分的にでもITシステム化できるようにしたことで、ビジネス活動における人が思考・判断することでしか行うことができなかった業 -
Posted by ブクログ
「リバース・イノベーション」という概念、たぶん日本で有名になったのは、ハーバード・ビジネス・レビューでGEのケースが紹介されてからだと思いますが、本書を読んで、GE以外にも多くの事例があることを知り参考になりました。本書の前半はリバース・イノベーションの理論的な側面と、やりきるための組織、人材的な留意点が記述され、後半は色々な業種に属する企業のリバース・イノベーション事例が紹介されています。
後半の事例集を読むだけでも非常に示唆に富んでいますが、著者も強調しているように、リバース・イノベーションはそれをやりきるのがとても難しいと思います。つまり先進国企業(例:日本企業)がホームカントリー( -
-
-
Posted by ブクログ
先月もslackを買収したことで大きなニュースになっていた、Salesforce。
そんなSalesforce CEO マークベニオフが説く、企業のあり方についての本です。
マークベニオフといえば、大統領になってほしいCEO30にも選ばれるなど、非常に民衆からの支持が厚い経営者です。
その理由として、
・LGBTQ問題に積極的に声を上げる
・サンフランシスコのホームレス問題解決のために 法人税を上げるために尽力
・社会貢献のために個人資産の莫大的寄付
・1-1-1モデルの確立
などがあります。
この著書では、これらの詳しい内容は勿論として、これから我々はどうあるべきか、これからはどのよ -
Posted by ブクログ
一言で感想を言うならば、「意外」。
セールスフォースの創業者マーク・ベニオフの著書なのだから、相当な武勇伝が書かれているのかと思いきや、様々な問題に直面し、苦慮し、少しずつ前進する姿が描かれている。
「企業は善行を行うべし」
というようなことが一貫したテーマなのだが、最近のHBRの記事に通底していて、スッと入ってきた。
世界のトップクラスの企業のリーダーは、こういう世界観で生きているのだ、と恐れ入った。
恐れ入るだけではなく、こういった視座を持つことがリーダーになる人間の責任なのだ、ということも理解できた。
いい意味で「意外」な一冊だった。