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「リバース・イノベーション」という概念、たぶん日本で有名になったのは、ハーバード・ビジネス・レビューでGEのケースが紹介されてからだと思いますが、本書を読んで、GE以外にも多くの事例があることを知り参考になりました。本書の前半はリバース・イノベーションの理論的な側面と、やりきるための組織、人材的な留意点が記述され、後半は色々な業種に属する企業のリバース・イノベーション事例が紹介されています。
後半の事例集を読むだけでも非常に示唆に富んでいますが、著者も強調しているように、リバース・イノベーションはそれをやりきるのがとても難しいと思います。つまり先進国企業(例:日本企業)がホームカントリー(例:日本)でイノベーションを起こすのと比べて何倍も困難である。それをやりきるためには、本社と現地法人の連携と分業、通常のプロジェクト評価とは違う軸での運営ができるか、など組織面での課題が大きな壁になります。そのため本書を読んで逆に思ったのは、グローバル企業の競争力は、リバース・イノベーションができる組織かそうでないか、によって判別できるということです。
そして日本企業全般を見渡したときに、これができる日本企業はどのくらいいるだろうか?おそらくかなり少ないのではないかと懸念をしました。しかし日本企業と比較的似ていると言われるドイツ企業でもできるのであれば日本企業にできないことはない、チャレンジあるのみ、ということで、本書を読んでリバース・イノベーションの理解が深まると共に、これをやりきることで日本企業のグローバル競争力も絶対高まるだろうなと感じました。
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途上国の課題解決に重要な視点を与えてくれる。「優れた日本の技術を売る」では、きっと失敗するのだろう。彼らの課題解決を先に考えて組み立てていく必要があるということ。
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先進国の多国籍企業の視点に立ち、新興国市場向けに顧客ニーズの把握、ゼロベースからの製品開発、バリューチェーンの構築を進め、最終的には先進国市場のニッチを突いたり、先進国市場製品にとって替わる製品となる、新興国から先進国へ、市場や技術成熟の川下から川上へ逆流するイノベーション。
まさに今の日本のデジタル家電の苦戦をイメージしながら、読み進めました。
なるほどと納得!
このリバース・イノベーションというコンセプトの、バーノンモデルとイノベーションのジレンマとの整合性および発展性に期待したいです。
さらに、顧客ニーズを深く理解することと、経営資源の重要性の2点について、改めて重要アイテムであることを実感させてくれます。
そういう意味では、基本の重要性にも気付きを得ることができる。
名著の予感がします。
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『グローカリゼーションは、国境を越えたマイナーチェンジには対応できるものの、富裕国と貧困国のギャップを解消するまでには至らない。
ほとんどの場合、富裕国向けに設計した製品をただ持ち込んだり、微調整したり、コスト削減のために二、三の機能を省いたりする程度で、これでは中国やインドで急に大ブレイクする製品は生まれない。
10ドル使える人が1人いる市場と1ドル使える人が10人いる市場との基本的な違いに対処しようとするのであれば、もっと変革をもたらす何かが必要となる。』
読みやすく、シンプルで、実践的。
具体例も豊富で説得力もある。
自国での先進国的成功体験に漬かりきった企業への痛烈な警告に聴こえるなぁ。
ここで言われているLGT(ローカル・グロース・チーム)を組織化できる企業風土があるかどうかが、成功出来るかどうかの試金石なんだろうなぁ。
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現在のグローバル市場が、先進国で生まれたイノベーションを新興国向けに単にカスタマイズ(多くの場合品質と価格を落と)して展開する「グローカリゼーション」のアプローチだけでは太刀打ちできない、新たな競争ステージに入っていることをふまえた経営戦略と、その実践のための方策をまとめた一冊。
筆者が主張するリバース・イノベーションでは、先進国と新興国の間にある「5つのニーズのギャップ」に着目し、新興国ならではのニーズにフォーカスした製品・サービス、ビジネスモデルを一から開発することを提唱する。そして新興国で成功したモデルが、先進国のニッチ市場、さらには主要市場にまで「さかのぼる」ことで、既存製品・サービスを凌駕することも可能であるという。
新興国の市場に「ブルーオーシャン」を発見し、そこでの成功モデルを「破壊的イノベーション」として先進国市場に持ち込むというふうに捉えることもできるが、それは筆者の理論の一つの側面に過ぎず、リバース・イノベーションのスコープはより広範囲にわたっている。具体的事例も豊富で、実践的ガイドとしても使える良書。
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「あ!そこ!?」思わず唸る課題発見の実例が充実した一冊。
特に新興国をマーケットにした場合、今あるものをカスタマイズすれば売れるという発想では通用しないという事が痛いほど腹に落ちる。
携帯型心電計開発の背景(電力供給の不安定、設置場所の制約、暑さ・誇りなど設置 型心電計が通用しない) PC用マウスが実は操作性の拡張よりも、 中国都市部ではアパートのとなりの部屋の マウスの干渉を受けて止まる事の克服こそ が重要だったロジテックの戦い
バングラデシュのコレラ脱水症状解決のた めに開発されたゲータレードの事例などなど。
基幹回線網を個人までつなぐ最終段階がなければ通信インフラは利用されない「ラス トワンマイル」の概念や、イノベーション を標榜する組織に対する評価制度のカスタマイズなど大変勉強になりました。
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製造業を始めとする大企業が新興国において、苦戦を強いられる状況が何故起こるか。新興国で成功を収め、且つ先進国市場において波及効果をいかにもたらすか。リバースイノベーションの代表的な成功事例を基に、非常に理解しやすく記述している。
終章の纏めはこれからの会社人生において、幾度と無く読み返していきたい。
新興国市場は先進国のプレモデルではなく、先進国市場に通用していた論理(dominant logic)をそのまま適用する事では成功に至らせることはできない。
新興国市場のニーズ(その地域の生活習慣、文化、マインドも含め)を肌でダイレクトに感じ、支配的論理を取り払い、白紙状態からロジックを形成する事が成功への第一歩であり必要条件である。
自分の会社も東南アジアをはじめとする新興国市場において他国の巨大企業、現地企業に水をあけられている。上記の事を念頭に置き、リバースイノベーションの実践を実施していきたい。
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ハイスペック製品をハイエンド市場に売ることに慣れてしまっているマーケティング担当者、ハイスペック製品をハイエンド市場のために開発に慣れてしまってる開発担当者には、グサっと来るか何も響かないか両極端に評価が振れる本だと思う。
どこに市場があって、どこでイノベーションを起こすかの感度があるかないかは企業の生死を決めるポイントになり得る。
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第一部でリバースイノベーションの概念を簡潔に説明し、続く第二部で事例を次々と説明することで概念の理解を促すという構成が良かった。とても読みやすい。
途上国のニーズは先進国のニーズとはかけ離れていることや、途上国では超割安価格でそこそこ良い性能を持つ製品が求められていることなどは、本書から学んだ重要なことの一部である。そして、これらの主張から「ファクトフルネス」の内容を思い出した。世界の中心は欧米からアジア、アフリカに移っていくという同書の主張はリバースイノベーションの重要性を支持すると思う。一方で、同書は世界の大半が極度の貧困から既に抜け出しているとも書いている。本書が書かれた時代や、本書が参考にした事例が起きた時代はすでに10年以上前であることを踏まえると、本書を活用する前には、世界の見方のアップデートが必要であると思う。
本筋ではないが、学習について説明責任を負わせるという教訓は印象に残った。不確実性が高いプロジェクトでは、計画遵守や財務指標についてリーダーに責任を負わせるの合理的ではない。しかし、フリーパスで良いわけではない。そこで、例えば、統制の取れた実験を行ったか、迅速かつ低コストで学習したか、学習結果に基づいて適切な意思決定を行ったか、その過程で仮説を精緻化できたかを評価することが重要。
Posted by ブクログ
イノベーションとは、決して富裕国から途上国への一方通行ではなく、昨今は途上国から富裕国へのリバースイノベーションが当たり前のように起こっているという点を、当該理由(途上国と富裕国のニーズのギャップ)、マインドセット、ビジネスモデルの3つの視点で記載されています。
全体的な印象としては、クリステンセンの繁栄のパラドクスの無消費経済に対するイノベーションに違い文脈という印象でした。
①富裕国と途上国でのニーズのギャップ
「性能」「インフラ」「持続可能性」「規制」「好み」に必ずギャップが生まれるという論点がありました。途上国には、富裕国の製品の廉価版を提供しておけばOKという考えでは絶対に成功せず、ゼロベースでビジネスを考えていく必要がある。これは、富裕国と途上国という構造のみならず、市場創出活動において全て当てはまるのではないかと感じています。
②マインドセット
一番心に刺さったのは、「自分たちが相手にするには利益率が低すぎるというバイアス」でしょうか。この考えは、単にビジネスモデルを考えきれていないだけ。1億の利益を出す顧客が1人いるのと、100万の利益を出す顧客が100人いるビジネスでは、戦い方が異なるのはごもっともです。
また、途上国だからといって古い技術で安い製品を出せば良いというわけではなく、途上国だからこそ最新の技術を応用してより効率的で安価な製品を出す必要を感じました。そのために如何に社内を巻き込むか、組織の重心を当該事業を推進する組織におくか、そして権限や財務の独立性を保ちながら、既存のリソースを使うことも可能にする。ここまでやって初めて成功への道筋が見える。やはり、成功している人や組織は、並々ならぬ覚悟を持って取り組んでいることを痛感しました。注意点として記載されていたのは、決して全てを途上国向けのイノベーションに注力せよという話ではなく、バランスを維持する必要性についても言及されていたことが、さらに難易度を上げる要因でした。
③ビジネスモデル
まず第一歩は支配的論理を壊すこと。端的には過去の成功体験に縛られないこと。そして、独立した組織を作り上げることが重要なポイントとしてあげられています。その組織で何をコミットするかというと、決して数字ではなく、最も顧客のために効率的で効果のある学習をしているかという点。そういう組織が必要。自分たちの組織に当て嵌めたらそうかな。顧客との接点を持つ組織と、そのニーズを具現化する研究機関とそれを製品化する我々の組織くらいの座組みが必要ではないかと。自分自身も知識として蓄えるだけでなく、行動を伴って支配的論理を崩していきたく、その仲間も欲しいなと思いました。
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新幹線内で飛ばし飛ばし読み終えた。
リバース・イノベーションという名前に惑わされていたのだが、リバースに力点があるのではなく、新興国でのイノベーションにポイントがあるのだということが理解できた。いかに真剣に、ゼロから新興国対応に取り組むか、それにかかっている、というのが第一のポイントで、それを富裕国に活かすのは、その次。
扱う製品や事業を言い訳にしたくはないが、適する製品、適さない事業があるのではないかと思ってしまった。だからイノベーションが起きないんだな。
[more]
(目次)
【第1部】 リバース・イノベーションへの旅
第1章 未来は自国から遠く離れた所にある
第2章 リバース・イノベーションの5つの道
第3章 マインドセットを転換する
第4章 マネジメント・モデルを変えよ
【第2部】 リバース・イノベーションの挑戦者たち
第5章 中国で小さな敵に翻弄されたロジテック
第6章 P&Gらしからぬ方法で新興国市場を攻略する
第7章 EMCのリバース・イノベーター育成戦略
第8章 ディアのプライドを捨てた雪辱戦
第9章 ハーマンが挑んだ技術重視の企業文化の壁
第10章 インドで生まれて世界に広がったGEヘルスケアの携帯型心電計
第11章 新製品提案の固定観念を変えたペプシコ
第12章 先進国に一石を投じるパートナーズ・イン・ヘルスの医療モデル
終章 必要なのは行動すること
付録 リバース・イノベーションの実践ツール
ネクスト・プラクティスを求めて
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「途上国で最初に生まれたイノベーションを先進国に逆流させる」
リバース・イノベーションの定義を本書ではこう綴っている。
ただし、これはあくまでも最終的な理想形であると考える。
多くの日本企業においては、途上国の需要(特に低価格による低所得者層の囲い込み)に、
ローカライズさせることに成功している企業は少ない。
まずは、このローカライズの実現に向けて、改めるべき日本企業の常識を学ぶ意味でも、
本書は大変意義深い内容になっている。
いくつもの事例が紹介されており、勝てば官軍の印象はあるものの、
このローカライズさせる考えはどれも同じ。
自身の今の仕事にもいろいろ当てはまる内容ばかりであり、良い勉強になった。
理想形である逆輸入を目指す位の勢い・考えがないときっと成功しないのだと思う。
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なかなか面白かった。
途上国だからこそ生まれるイノベーションがある。
欧米を中心とするグローバル企業は、いかに途上国で起きるイノベーションを
途上国の企業ではなく、自社から生み出すかが鍵。
Posted by ブクログ
リバース・イノベーションとは、途上国で最初に採用されたイノベーションのこと。
このリバースイノベーションを興すための施策と戦略について、前半、分かりやすく語られています。
戦略は全部で9つ!
後半はその9つの戦略ポイントが活用されたリバースイノベーションの実際の事例をこれでもかというぐらい紹介してくれます。
ロジテック、P&G、EMC、ディア、ハーマン、GEヘルスケア、ペプシコ、パートナーズ・イン・ヘルス。
全体として、日本語訳も分かりやすく、かつ事例も分かりやすいので理解が進みます。
まず、リバースイノベーションについてです。
私たちが通常、考えている新興国対応については、グローカリゼーションとして定義されます。60ページに分かりやすく表としてまとめられています。
ぶっちぇけで言えば、先進国で投入した商品をダウングレードし価格下げして、新興国に投入してもうまくいかない。
新興国には価格だけでなく、新興国の独特のニーズや独自の環境があるため、それにマッチした商材の投入が必要という事。それを引き起こすイノベーションが必要という事になります。
普通に考えてみればそりゃそうですよね。
顧客のニーズが違うのに、いつかは新興国は先進国のニーズに追いつくだろうから、これ使っておけって言っている様な物ですものね。
そして、新興国で生まれたリバースイノベーションが逆流して、グローバル企業を脅かしていく。
これは、イノベーションのジレンマに似ていると思いました。
本書で解説している、グローバル企業がリバースイノベーションを引き起こすために必要な事については、以前に読んだ「ストラテジックイノベーション」で説明されていた内容に近いと思いました。
「ストラテジックイノベーション」では、大企業の中でどうやって新規事業を興すのかを具体的に記載されています。
その際にはニューコという新たな組織で、今まで経営資源をうまく活用しながら、今までの評価方法とは別の評価基準で事業を進めていく手段が具体的に解説されています。
本書でもグローバル企業が新興国で新たなイノベーションを興すために、LGT(ローカルグロースチーム)という別組織で、今までの経営資源基盤を活用し、グローバルとは別の独自の損益計算書を作り、事業を進めていく事が解説されています。
そして、これで成功した企業が今のグローバルを脅かす!
それに対する備えも企業は考えていかないといけません。
ジレンマとか言っている場合じゃないでしょうね。深い...
お勧め!
Posted by ブクログ
先進国のテクノロジーを新興国に浸透させるグローカリゼーションではなく、新興国でイノベーションを起こして、先進国に反映させるというリバースイノベーションの名著。
<メモ>
・富裕国と途上国の間にあるニーズのギャップ①性能のギャップ ②インフラのギャップ ③持続可能性のギャップ ④規制のギャップ ⑤好みのギャップ
・新しいソリューションは白紙の状態から始めるイノベーション
・リバースイノベーションは川上へ向かって逆流する。
・リバースイノベーション戦略の9つの重要ポイント
①単なる輸出ではなくイノベーションに取り組まねばならない
②機会を活用して、新興国イノベーションを他の貧困国、富裕層の取り残された市場、そして最終的に富裕国の主流市場へと移転させる
③新興国の巨人を自社のレーダーで捕捉し続ける。
④人材・権限・資金を成長している場所である途上国に移す
⑤リバースイノベーションマインドセットを全社的に養う。
⑥途上国ではグローバルとは別の独自の損益計算書をつくり、成長性に関する指標を重視した業績を別途設ける
⑦ローカルグロースチームは白紙の状態でニーズの評価を行う、ソリューションを開発する、組織を設計する。
⑧LGTが自社のグローバルな経営資源の基盤を活用できるようにする
⑨迅速かつ経済的に重要な未知の事柄の解明に注力し、リバースイノベーションの取り組みを統制のとれた実験として管理する。
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話題になったこの本ですが遅ればせながら。新興国で生まれたイノベーションを成熟国へリバースする、というリバースイノベーションの考え方と実例を紹介するもの。刺激になりますね。
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リバースイノベーションとは、途上国向けに開発された簡易モデルが先進国でも採用され、既存の商品を駆逐していくような状態を指すのだと理解していたが、解釈がかなり違っていた。起業家や支援者、研究者など、イノベーションに関る人は必ず読むべき本だと思う。この本では「途上国」を対象にした事例をたくさんとりあげているが、自分の解釈では強烈なニーズが顕在化しつつあり、かつ購買力(=市場)があるエリアと考えた。先進国はいろいろな商品やサービスが溢れ、たいていのものは揃っており、イノベーションにつながるような商品開発は行いにくいのではないか。やはり 強い"Pain"に引っ張られて発明や開発、事業化が行われたほうが大きなインパクトにつながる気がする。そうすると、先進国ではそのようなイノベーションは起こりにくいのではないか。一方、先進国には当然日本も含まれるが、日本のなかでも「地方」では状況が違うかもしれない。これはよく考える必要があるので関連書籍を大人買い。
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新興国用に作られたローテクの製品が、世界を席巻するという話。
状況を紹介し、どうやったら、うまくいくのか戦略を語る。
なかなか読み進めない。59ページで中断・返却(7月5日)
(9月9日)やっと読み終わった。
後半3分の2は、リバース・イノベーションの成功例の紹介
従来の技術を担当する事業部ではなく、本社CEO直轄の新規事業部が担当して、前者の持っている既存技術を自由に使えるようにしないとうまく行かない、ということが強調されている。
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1.この本をひと言でまとめると
これからのグローバル競争の鍵
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・10ドル費やせる人が1人いるのと、1ドルを費やせる人が10人いるのとでは、ウォンツやニーズはまったく異なる。だからこそ、富裕国の製品やサービスが貧困国でも大きな効果を出せるなどと期待するのは、非現実的なのだ。(p22)
→逆パターンはこれからもっと成功の可能性が高まると思う。
・途上国の人々はむしろ、超割安なのにそこそこ良い性能を持つ画期的な新技術を待ち望んでいる。つまり、わずか15%の価格で、50%のソリューションを望んでいるのである。(p25)
→根本的な思想の転換が必要。そのためにチームを作るのは合理的な考え。
・リバースイノベーションにとっての最大のハードルは、科学的なものでも、技術面でも、予算でもない。経営者や組織である。(p91)
→日本企業はこの問題が顕著ではないか。
・リバース・イノベーションではビジネスの利益と人々の利益がほぼ一致する。実際に、世界で最も頭の痛い社会問題の一部を解決するツールとして、リバース・イノベーションの力を見逃すことはできない。(p334)
→ビジネスの利益と人々の利益が一致するのは理想的だと思う。
・本書は我々日本人に「変革なくして発展なし」からさらに踏み込んで、「変革なくして生存なし」という考え方に転換すべき時が来たことを訴えている。(p375)
→イノベーションに真剣に取り組むべき時代が来たということ。
3.突っ込みどころ
・経営者視点の話が多く、そうでない下っ端の視点での記述が欲しかった。
・本の内容の2/3が事例、理論は最初の1/3というのは、理論としてはまだ未完ということ?
4.自分語り
・いかに守りを続けるのではなく、新たな挑戦を継続して行っていく必要があるかは明らか
5.類書
・イノベーションのジレンマ
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イノベーションは、先進国から始まり、世界に広がる。ところが、その逆のパターンが発生している。これが、リバース・イノベーション。これに気をつけないと、先進国の我々は、後進国に負けることになる。というか、すでにそうなっている気がする。
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イノベーションは先進国で生み出され、それが途上国にも普及するのはもはや過去の考え方。今や途上国が大きなマーケットになっているため、途上国に合わせた製品開発が必要。そしてその製品は先進国の今まで気づかなかったところで広がっていく。この点に視点をおいた著者の分析は見事だが、後半に同じような実例が続くのは読んでいて少々疲れる。
Posted by ブクログ
先進国で起こったイノベーションは、時間差で発展途上国で開花するといった説は、現在ない。
コミュニケーションが発達した現在は、一段も二段も飛び越えた技術浸透がなされる。
よって、利益の構造や求められる使い勝手も先進国のものとは全く異なる。
ローカリゼーションも大事ではあるが、大事なことは、地場地場に会った商品やサービス地場の環境や課題になぞらえて開発すること。
そのためには現地の人たちからのマーケティングが、最も重視される。
Posted by ブクログ
よくあるグローバル展開、新興国でのビジネスの成功についてだけではなく、そこで成功したビジネスモデルは既存エリアすらも変えていくイノベーションになる事を説いた本。
その難しさや対抗策を実例を交えて解説しているので、教科書的に持っていてもよい本だと思う。
Posted by ブクログ
人間の脳は見たいものしか見ない。
ことを成し遂げるには、抵抗勢力に屈しない熱量が必要である。
本書の要諦は、この二つだと考える。
グローカリゼーションにより成功を収めた大企業、その幹部、技術担当者など、それぞれの立場で過去の成功体験にひきずられて現実を見てしまう。
虚心坦懐に、今起こっていることを直視する。その後のアクションを決定する重要な要素だけに、ここに色眼鏡を持ち込んではいけない。そのためには、数字などできる限り客観的に見ることができる事実を丁寧に集めることが肝要。
私は、今、新製品を開発する部署には属していない。本書で紹介されているような事例に遭遇する可能性は非常に低い。
それでも、日常業務の中で成果物を提出する時に、「前はどうやってた?」とよく上司から聞かれることがある。
先人の知恵に学べという意図であればいいのだが、保険を求めているように思えたり、思考停止に陥っているのではないかと疑問に感じることがある。
この思考様式には注意しておかないと、失敗することもなければ大きな進歩も期待できないと思う。
少なくとも、自分が成果物を仕上げる時には、常にゼロベースで考える癖をつけておかないといけない。
Posted by ブクログ
感想:ちきりんブログで紹介されていて読むことに。
先進国から新興国という通常の流れとは逆方向のイノベーションである、通称、「リバース・イノベーション」について書かれた本。
これからの世界の中心は紛れもなく先進国から新興国へと移っていくことから、イノベーションが逆流していくことは極めて筋が通っている。
最も印象的だったのは、「リバース・イノベーションは発明ではなく忘れることから始まる」というパート。
火星に降り立ったと考えるべきと書いてあったが、それくらい全く別物と考えた方がいいということだろう。
多国籍企業は過去の成功体験を忘れられなからなかなか新興国しんしゅつがうまくいかないのも納得。
実例も豊富に紹介されていて新興国を相手に仕事をしたい人には参考になる一冊。
Posted by ブクログ
一言で言えば、GEでポータブル超音波診断装置を作った話。同じことが繰り返し語られている。もっと薄く安くできるはず。表題のことよりも、社内での新規事業の立ち上げ方、という一般論、およびそれの事例集として読める。実際に、自分が新興国(タイとか)に行って仕事をするか、(衰退する)国内で生き延びれる仕事をするか。
Posted by ブクログ
途上国で最初に採用されたイノベーション。新興国市場は大幅に異なる世界であり、既存製品のカスタマイズは通用しない。
強みが弱みになり、弱みが強みになる。
Posted by ブクログ
イノベーションは先進国から発生するのではなく、
成長著しい新興国で発生するもの。
リバース = 新興国から発信し、先進国で拡がる。
実際にアメリカの企業が行ったリバースイノベーションの事例を紹介。
新興国では
・先進国が成長する時にはなかった技術を享受できる。
・既得権益を含めインフラが未整備な分、イノベーションを
導入しやすい。
新興国と先進国ではニーズが違う、「機能を落として価格を下げれば良い」という事もあるが、それだけでは無い。
・先進国で売れた物を新興国向けにカスタマイズする(グローカリゼーション)だけではダメで、現地調査をもとに白紙から商品設計を行う。
・現地のチームには、社内リソースを最大限利用でき、また挑戦し、学ぶ機会を与える為、他部署からの邪魔が入らないよう、最高経営者の直下に置く等、最高の権限を与える。
商品だけでなく、サービスにも適用できる。