【感想・ネタバレ】リバース・イノベーションのレビュー

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Posted by ブクログ

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イノベーションとは、決して富裕国から途上国への一方通行ではなく、昨今は途上国から富裕国へのリバースイノベーションが当たり前のように起こっているという点を、当該理由(途上国と富裕国のニーズのギャップ)、マインドセット、ビジネスモデルの3つの視点で記載されています。
全体的な印象としては、クリステンセンの繁栄のパラドクスの無消費経済に対するイノベーションに違い文脈という印象でした。

①富裕国と途上国でのニーズのギャップ
「性能」「インフラ」「持続可能性」「規制」「好み」に必ずギャップが生まれるという論点がありました。途上国には、富裕国の製品の廉価版を提供しておけばOKという考えでは絶対に成功せず、ゼロベースでビジネスを考えていく必要がある。これは、富裕国と途上国という構造のみならず、市場創出活動において全て当てはまるのではないかと感じています。

②マインドセット
一番心に刺さったのは、「自分たちが相手にするには利益率が低すぎるというバイアス」でしょうか。この考えは、単にビジネスモデルを考えきれていないだけ。1億の利益を出す顧客が1人いるのと、100万の利益を出す顧客が100人いるビジネスでは、戦い方が異なるのはごもっともです。
また、途上国だからといって古い技術で安い製品を出せば良いというわけではなく、途上国だからこそ最新の技術を応用してより効率的で安価な製品を出す必要を感じました。そのために如何に社内を巻き込むか、組織の重心を当該事業を推進する組織におくか、そして権限や財務の独立性を保ちながら、既存のリソースを使うことも可能にする。ここまでやって初めて成功への道筋が見える。やはり、成功している人や組織は、並々ならぬ覚悟を持って取り組んでいることを痛感しました。注意点として記載されていたのは、決して全てを途上国向けのイノベーションに注力せよという話ではなく、バランスを維持する必要性についても言及されていたことが、さらに難易度を上げる要因でした。

③ビジネスモデル
まず第一歩は支配的論理を壊すこと。端的には過去の成功体験に縛られないこと。そして、独立した組織を作り上げることが重要なポイントとしてあげられています。その組織で何をコミットするかというと、決して数字ではなく、最も顧客のために効率的で効果のある学習をしているかという点。そういう組織が必要。自分たちの組織に当て嵌めたらそうかな。顧客との接点を持つ組織と、そのニーズを具現化する研究機関とそれを製品化する我々の組織くらいの座組みが必要ではないかと。自分自身も知識として蓄えるだけでなく、行動を伴って支配的論理を崩していきたく、その仲間も欲しいなと思いました。

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2021年02月15日

Posted by ブクログ

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なかなか面白かった。
途上国だからこそ生まれるイノベーションがある。
欧米を中心とするグローバル企業は、いかに途上国で起きるイノベーションを
途上国の企業ではなく、自社から生み出すかが鍵。

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2018年01月20日

Posted by ブクログ

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先進国のテクノロジーを新興国に浸透させるグローカリゼーションではなく、新興国でイノベーションを起こして、先進国に反映させるというリバースイノベーションの名著。

<メモ>
・富裕国と途上国の間にあるニーズのギャップ①性能のギャップ ②インフラのギャップ ③持続可能性のギャップ ④規制のギャップ ⑤好みのギャップ

・新しいソリューションは白紙の状態から始めるイノベーション
・リバースイノベーションは川上へ向かって逆流する。
・リバースイノベーション戦略の9つの重要ポイント
①単なる輸出ではなくイノベーションに取り組まねばならない
②機会を活用して、新興国イノベーションを他の貧困国、富裕層の取り残された市場、そして最終的に富裕国の主流市場へと移転させる
③新興国の巨人を自社のレーダーで捕捉し続ける。
④人材・権限・資金を成長している場所である途上国に移す
⑤リバースイノベーションマインドセットを全社的に養う。
⑥途上国ではグローバルとは別の独自の損益計算書をつくり、成長性に関する指標を重視した業績を別途設ける
⑦ローカルグロースチームは白紙の状態でニーズの評価を行う、ソリューションを開発する、組織を設計する。
⑧LGTが自社のグローバルな経営資源の基盤を活用できるようにする
⑨迅速かつ経済的に重要な未知の事柄の解明に注力し、リバースイノベーションの取り組みを統制のとれた実験として管理する。

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2015年07月27日

Posted by ブクログ

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人間の脳は見たいものしか見ない。
ことを成し遂げるには、抵抗勢力に屈しない熱量が必要である。

本書の要諦は、この二つだと考える。

グローカリゼーションにより成功を収めた大企業、その幹部、技術担当者など、それぞれの立場で過去の成功体験にひきずられて現実を見てしまう。
虚心坦懐に、今起こっていることを直視する。その後のアクションを決定する重要な要素だけに、ここに色眼鏡を持ち込んではいけない。そのためには、数字などできる限り客観的に見ることができる事実を丁寧に集めることが肝要。

私は、今、新製品を開発する部署には属していない。本書で紹介されているような事例に遭遇する可能性は非常に低い。
それでも、日常業務の中で成果物を提出する時に、「前はどうやってた?」とよく上司から聞かれることがある。
先人の知恵に学べという意図であればいいのだが、保険を求めているように思えたり、思考停止に陥っているのではないかと疑問に感じることがある。
この思考様式には注意しておかないと、失敗することもなければ大きな進歩も期待できないと思う。
少なくとも、自分が成果物を仕上げる時には、常にゼロベースで考える癖をつけておかないといけない。

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2014年11月14日

Posted by ブクログ

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イノベーションは先進国から発生するのではなく、
成長著しい新興国で発生するもの。

リバース = 新興国から発信し、先進国で拡がる。

実際にアメリカの企業が行ったリバースイノベーションの事例を紹介。

新興国では
・先進国が成長する時にはなかった技術を享受できる。
・既得権益を含めインフラが未整備な分、イノベーションを
導入しやすい。

新興国と先進国ではニーズが違う、「機能を落として価格を下げれば良い」という事もあるが、それだけでは無い。

・先進国で売れた物を新興国向けにカスタマイズする(グローカリゼーション)だけではダメで、現地調査をもとに白紙から商品設計を行う。
・現地のチームには、社内リソースを最大限利用でき、また挑戦し、学ぶ機会を与える為、他部署からの邪魔が入らないよう、最高経営者の直下に置く等、最高の権限を与える。

商品だけでなく、サービスにも適用できる。

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2018年08月05日

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