千葉敏生のレビュー一覧

  • 僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない―――デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史

    Posted by ブクログ

    インフレの歴史で1番印象的なのはドイツのハイパーインフレ。低い金利で融資を得られた大企業は、まるで蜂蜜のツボが無限に手に入る熊みたいなもので大金持ちになった。強い外国通貨を担保にドイツマルクを借り入れできた人は巨額の補助金を受け取って利益を追求しているに等しい状態だった。シュティンネスの例。
    預金という資産を何に変えるのかということが論点だが、マイナスの実質金利と急騰する名目所得の両方によって、住宅ローンが目減りしていくことを教えてくれている。

    0
    2024年05月11日
  • 億万長者だけが知っている教養としての数学―――世界一役に立つ数学的思考力の磨き方

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ギャンブルをネタに、数学の幅広い分野について語られる。
    数学を扱ったポピュラー・サイエンスの本で、全く数式を使っていないことを売りにしている本が時々あるがかえって読みにくい。これぐらい(具体的な内容の数式がパラパラ出る程度)がバランスがよいように思う。

    ・パレートの法則が本当にすばらしいのは、そうしたパターンをグラフにプロットすると、べき乗分布に従うという点だ。つまり、分布の任意の部分が分布全体に対する自己相似性を示すという点で、フラクタルのようにふるまうのである。たとえば、全人口の20%が富の80%を保有しているとすると、その20%の富裕層のそのまた20%が富裕層の富の80%を保有している

    0
    2024年04月27日
  • ダマシオ教授の 教養としての「意識」―――機械が到達できない最後の人間性

    Posted by ブクログ

    確実に「意識」というものに迫り、解説してくれるのだが、一つ一つの言葉の定義が半端なままで展開される論説に揺さぶられ、時々、手ごたえを感じて言葉を握りしめる。手を開くと、そこに部分的な理解が得られているという読書。

    明示的な知性と非明示的な知性。
    心と意識は別。意識と覚醒も別。

    ー 私たちの感じるものはすべて、私たちの内部の状態と対応している。内受容の仕組みにより、感じることに言葉の力が不要。血管や皮膚、内臓や内分泌腺、生殖器は、感情を生み出す宇宙だ。麻酔は心に作用するわけではないが、感知機能をブロックされると、心が機能し得ない。意識も同様。脳幹上部の前部が損傷を受けても、昏睡は生じないし、

    0
    2024年04月20日
  • スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。―未来を思索するためにデザインができること

    Posted by ブクログ

    かなり事例紹介が多い。それぞれめちゃ面白い!
    事例たちはよくオーガナイズされていて、今の世界に対する別の可能性を提示するためのデザインの使い方について理解を深めることができた

    0
    2024年04月12日
  • 僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない―――デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史

    Posted by ブクログ

    自分には難しいところもあったが、最後の14の教えの部分が分かりやすい。インフレとはなにか、どう対処すべきかが、ざっくりとわかる。もう少し背景までとなった場合、もう少し読み込む必要があるかも。

    0
    2024年04月05日
  • 僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない―――デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史

    Posted by ブクログ

    この本の論点
    国は量的緩和やりすぎ。貨幣供給量増やしすぎ。
    政府がインフレを債務削減策に使うことある。
    インフレは金持ちをもっと富ませ、貧乏人をより貧しくさせる

    MV=PT
    Mは貨幣量、Vは貨幣の流通速度、Pは物価水準、Tは取引量

    インフレ予防にはテイラールールが効果的
    テイラールール=インフレ率がFedの想定する2%のインフレ目標を1%上回るたびに、または実際の産出量が潜在産出量を1%上回るたびに、政策金利を0.5%引き上げること。

    量的緩和政策による貨幣供給量の著しい増加。

    0
    2024年04月07日
  • スタンフォード式 人生デザイン講座 仕事篇

    Posted by ブクログ

    大好きなスタンフォードシリーズを久々に見かけたので思わず読んでしまいました。
    人生デザインというタイトルでしたが、主に職場やキャリアについて書かれていました。
    モチベーションをどのように保つのか、キャリアアップのためには何が必要なのかなどが書かれておりました。
    私が印象に残ったのは社内政治の章です。自分には権限がないからといって諦めるのではなく、権限がなくとも自分の意見が通るためにどう操るのかということが大切だと述べています。私は操るといったことが得意ではないので「影響力を持つように爆速で出世する」もしくは「影響力のある人に絞ってプレゼンしにいく」と言うことなら実践できると思いました。
    そのた

    0
    2024年03月04日
  • 半導体戦争―――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

    Posted by ブクログ

    面白いけど内容は難しい。
    冒頭に用語集があったり読みやすさへの配慮はあるが、歴史やIT知識、国際情勢への理解がある人のほうがより一層楽しめる1冊。難しい箇所は読み飛ばしてしまったが、技術の奪い合いでスパイを紛れ込ませるも、実物を盗んだのに中身が難しすぎて技術まで真似できなかったエピソードなどただ箇条書きにするような本とは違って、登場人物に人間みもある(ただヒトもいっぱい出てくる…)。
    株をやっている人にもオススメ。各国の誰しもが聞いたことのある有名企業の盛衰を辿ることができる。

    0
    2024年03月03日
  • 見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク

    Posted by ブクログ

    2024/1/12 読みたい
    冒頭の表現がSNSで紹介されていて、とても面白い思考実験だと思ったので購入。

    2024/2/19 読み終わった
    「長期主義」という考え方についての本。長期主義について一言で言うと、「未来のために今いいことをしよう!」という考え方。この考え方がなぜ合理的なのかを全体に亘って解説している、という感じだった。
    未来のためになることを、と言われて、そりゃそうだし、そうした方がいいと言う人がいるのはわかる。でも未来の不確実性の方が勝つんじゃないかなーと浅い感想。そもそも「良い」の定義が難しい。本の中では人類の滅亡を最悪のパターンの一つとして例示しているけど、それが悪いこと

    0
    2024年02月19日
  • 半導体戦争―――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

    Posted by ブクログ

    競争する気持ちはわからなくもないが、度を越しているように思う。あまったエネルギーを自国のためではなく、世界のために使おうというリーダーは出てこないものか。

    安いだけの理由で、ファーウェイの製品は買えなくなる。

    0
    2024年01月27日
  • アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのプログラミング

    Posted by ブクログ

    プログラミングに手を出そうとして読んだ一冊。
    授業ノートをまとめなおしたような見え方なので、比較的読みやすかった。

    ただ、元が英語のせいか、英語の教科書を読んでいるような気分になる日本語だった。
    章のしめくくりにあるクイズでは特にそう感じた。
    日本語として捉えづらく、答えにくく感じる質問もあった。

    ひとまず「プログラミングとはどんなものか」をさーっとなぞった程度だったので、再度読み直してみる予定。

    0
    2023年12月29日
  • 半導体戦争―――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

    Posted by ブクログ

    地政学的リスクの高いTSMCに、最先端の半導体がほぼ依存している事の危険性を、改めて認識させてくれる。
    日本も国策で最新の半導体を作れる会社を作ろうとしているが、本当に巨額投資を続ける事が出来るのか、甚だ疑問だ。

    0
    2023年12月25日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

    Posted by ブクログ

    お喋りな友人はいるだろうか。纏まらない会話を文字数制限無視して喋り倒し、聞いてもいないのに説明口調で話し続ける。勝手に脱線する。ボールキープし続けて、パスも出さないしキャッチボールもしない。自分の足下にボールを落とし、自ら拾って話し続けるのだ。知識もひけらかしたいのだろう、連鎖反応で注釈まで添えてくる。そんな人と会話すると、相槌さえも自殺行為になるから、ただただその場を切り上げる作戦に集中する。文字通り、我々は、そうした存在に時間と寿命を奪われている。

    本著は、そうした存在を本に閉じ込めたような仕立てだ。読書に体力がいる。その疲労感により、重みのある読書だという錯覚を味わう事も可能だが、多く

    0
    2023年12月16日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

    Posted by ブクログ

    言いたい事は、分かる気もするが。

    一つ抽象概念を打ち立て、これも当てはまる、こんな良い事がある、という創作本であり、こじ付けにも見えるので取り留めがない。「反脆弱性」という概念だが、ホルミシス反応とか、具体例でいうと、恐らくワクチン反応みたいな事だろうし、失敗は成功のもと、とか。他にも、心的外傷後成長、雑音が集中力を高めると言うような過剰補償、一定限度までであればストレスがプラスに働く効果とか。骨は一時的なストレスがかかると密度が高くなる。

    そういう作用はあるだろうが、それらを抽象化させて反脆さ、と言われても。当てはまらない例も無数にあるが、それを無視してはあまり論理的な話ではないし、何だ

    0
    2023年12月15日
  • サッカーマティクス~数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」~

    Posted by ブクログ



    “世の中は数学に溢れている。”
    サッカーマティクスの文字通り、サッカーというスポーツを数学的に紐解いてく本。
    ざっくりと理解できたが、完全な深くは理解できていない印象。
    抽象的な部分が多く伝わり切ってないと思う
    数学好きにもサッカー好きにもどっちつかずな印象だった。 
    ただ、参考文献をもとに論文を読んでみると、しっかりとしたロジックをサッカーに落として込んでいたことが伝わる。

    0
    2023年12月12日
  • スタンフォード式 人生デザイン講座

    Posted by ブクログ

    愛、仕事、健康、遊びの4つのカテゴリーに対してセルフチェックを行う。セルフチェック、つまり自分自身を深く知ることは大事。

    0
    2023年12月07日
  • 半導体戦争―――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

    Posted by ブクログ

    デバッキング(虫取り)の語源は、その当時の電子計算機はで使われていた真空管は電球のように白熱をしたため虫が寄ってきてしまい、それを取り除く行為から

    半導体産業は3つのカテゴリーに分類できる
    ①「ロジック」と呼ばれるスマートフォン、コンピュータ、サーバを動かすプロセッサのこと

    ②「メモリ」と呼ばれる一時的な記憶を提供するDRAMと、長期的にデータを記憶するNAND「フラッシュ」のこと

    ③センサーなどのアナログチップや携帯などの無線周波数チップや、機器の電力消費を制御する半導体など

    アナログチップはトランジスタの微細化が重要なのではなく、巧みな設計の方が重要な意味を持つ。
    今日の最大のアナ

    0
    2024年03月30日
  • おバカな答えもAI(あい)してる~人工知能はどうやって学習しているのか?~

    Posted by ブクログ

    少なくとも今のところ、AIが活躍できる分野は相当限られている。汎用型AIの登場はまだ先なんだろう。
    AIの、人から見ておバカな結果をたくさん上げてくれている。ただ、こんなアホな出力しましたよ的なリストは、元が英語のせいか、げんなりするだけ。
    「合理的な」AIが、人が与えた課題に、思いもかけない答えを出してくるあたりは面白かったな。左の通路に行く人を減らすには、全員殺せばいい。
    この辺が、AIを知らずにAIに頼ることの怖さなんだろな。
    言外の共通に認識とか、当選あるべき前提が理解できない。逆説的だが、人間社会における伝統とか常識とか共通認識が、いかに大切なのかも分かったな。

    0
    2023年10月28日
  • クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    デザイン思考に関する入門書。

    全体的に、それができれば苦労しないよって感じの内容。良いことは多く書かれているけど、何だか心に響かない感じ。ビジネス寄りだからかだろうか。

    スチールケース社の「ノード」という椅子について知ることができたのは良かった。


    【良かったところ】
    ・問題を解決するたったひとつの名案をずばっと思いつくのが創造性ではありません。何百回と試行錯誤を繰り返した末に最良の解決策にたどり着くのが創造性なんです。(P165)
    ・出来不出来に関する評価はいったん脇に置き、とにかく何かを形にしよう。(P180)
    ・大事なのは、行動を最優先する考え方(P208)

    【その他、気になっ

    0
    2023年09月23日
  • デザイン思考が世界を変える〔アップデート版〕 イノベーションを導く新しい考え方

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    デザイン思考の豊富な事例に触れることができたのは有益だったが、各事例においてデザイン思考がどのように役立ったのか、デザイン思考の方法論はどのようなものなのかについての説明が薄かったのは残念。
    デザイン思考の趣旨としては、従来型の論理的思考によらない、観察、実験、ストーリーを重視する方法論だと理解。プロダクトやサービス開発への活用が主だと思うが、行政サービスの設計にも使えるのだと思う。この辺りは他の書籍で勉強したい。

    0
    2023年09月18日