千葉敏生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレトレーディングフロアや登場する面々の雰囲気はうまく書いているんだろうと思う。
著者は若くしてすぐ稼いですぐ辞めたので勘違いしたままのようだが、著者の能力がすごいから稼いだんじゃなくて、たまたまそこに座ってたから稼げたというのが大前提。他の人間でも額の上下はあれ、相応に稼げたはず。
やってるトレーディングもニッチ市場なんで著者が属するシティバンクの力が大きくて殿様トレーディング。リスクテイクしてポジションとるというよりは注文が来るので、それをさばきつつうまく立ち回って鞘を抜くって感じだろう。音声で注文が来て情報端末とExcelファイルを見て値段を提示するなど昭和的なトレード原始時代の延長線上に -
Posted by ブクログ
自伝としてのお話としておもしろく次々と読み進めてってしまう展開が広がってくる。実際、シティバンクで、そして東京支店も含めてこのような取引の時代があったこと、これは外からはなかなか見えないところである。
ただ、取引のとても目を引くところだけが書かれているという印象も強かった。実際にこのような取引を自己ポジションとして利益を上げていくことに。リスク管理など銀行の経営管理のところには言及がほぼない。銀行は無制限に取引できるわけではない。少々、お話を面白くしすぎているようにも見え、後半3分の1ぐらいは惰性で下記進められているような印象も強くなってきた。
やっぱりお話ではある。 -
Posted by ブクログ
面白い。
東ロンドンの貧しい家に生まれた著者は、類まれな数学の才能を武器にトレーダーとして成り上がっていく。
大金を稼いでいくのだが、その一方で虚無感が募っていく。
タイトルにあるようなトレーダーとして活躍していた時の葛藤や信念、責任感やプレッシャーなどに物語の焦点があたっているではなく、トレーダー時代を経た自分の人生がどのように変わっていったかを中心に描かれる自伝的な内容。
「欲望と幻想の市場」の様なトレーダーにとっての箴言などは軽め。
文章がサラサラしていて読みやすいのだが、その分状況説明があっさりしていて、わかりにくい部分もあるが、読み物としては面白かった。
世界の格差が広がり -
Posted by ブクログ
正しく物事を判断するために、確立思考を身につけたいと考えていたが、人間は本質的には統計に強くない、ということが本書から分かった。少ない標本で誤った結論を導いたり、特定の選択肢を過大/過小評価してしまったりしている。引用も多いため、参考になる。
以下自分用メモ。
1. 指数関数的な成長を見つける。魔法の種は存在しないが、目の前のものが何年で2倍になるか(72の法則)は常に見極める必要あり。なお、本当は71or69が正確。
2 ギャンブルでは破産を防ぐことが重要。せっかく確率的に勝利が近づいていても、破産してしまうと勝負すらできない。なお、ギャンブルではハウスエッジ(胴元の取り分)の考慮が必 -
-
-
Posted by ブクログ
半導体の歴史について、バリューチェーンと各国との関係性の観点から、アメリカを中心に俯瞰的に勉強できたと思います。
個人的に文章が冗長に感じ、基本的に各章の最初と最後の段落さえ読めば追っていけるような気がしました。ジャーナリズムというか、ドキュメンタリーチックなストーリー仕立てにしたかったのかもしれないのですが、あまり入り込めませんでした。
また、設計・装置・製造に関する各国のプレイヤーやアメリカ、中国、ソ連といった主要国の政策を知ることができましたが、技術的な構造については、本書からではイメージしにくく、別で技術補完したいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
効率的市場仮説の不完全性を補完する新しい考え方についての経済本。600ページの分厚さだけど、著者のポエムや昔話などもかなりのボリュームがあって、無味乾燥でお堅い学説といった雰囲気は無い。
金融市場は経済法則だけで動くものではなく、人間が進化の過程で獲得してきた特質によって生物学的に説明されるとしている。
どこまでの範囲を仮説と呼んでいるのか?事例紹介はあるけれど科学的根拠の裏付けがあるのか?など、不明点はいろいろあるけれど、考え方として面白いなと感じた。
■基本原理
・人間は常に合理的でも非合理的でもない。進化によって特徴づけられる気まぐれな存在である。
・人間の行動にはバイアスがある。 -