坂岡真のレビュー一覧
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▼ちょっとご縁があって読んでみました。江戸時代、江戸で将軍の食事の毒見役をする人を、「鬼役」と言ったそうで。つまりは旗本ですね。主人公が「鬼役」です。ただその業務自体では当然ドラマは無く。主人公は「鬼役」兼「裏では若年寄だったか老中だったかの特命で”悪”を叩き切る役割」をこなしている、という。つまりは「死して屍拾うものなし」的な隠密剣士。そしてとにかく腕が立つ。
▼好んで読んでいる「ジャック・リーチャー・シリーズ」もそうですが、とにかく1:1(ぢゃなくて複数でも)の戦闘になると、まず負けない。大抵は「越後屋」的な悪者がいて、かわいそうな犠牲者がいて、最後に悪い奴をみんな主人公が叩き切って殺戮して終わる。長七郎江戸日記とか桃太郎侍と基本は変わりません。子供の頃、80年代にその手のものはいっぱい夕方の再放送とかで見たなあ、と思い出しました。
ただその事件の背景の味わいとか、サスペンス的な語り口の旨さとか、描かれる人間模様とか、主人公の哲学などがこどこまで滋味深いか、が問われることになります。ただ安心して読める。
▼完全に余談ですが、悪者の大商人は大抵「越後屋」だと思っていたら、関西ではたいていが「越前屋」だということを文珍さんの落語を聞いていたら知りました。そんなところに東西の地理で分断があるのか、と面白く思いました。 -
Posted by ブクログ
いつものように短編3つ。
「黒壁の番所」
又兵衛の師匠の小見川一心斎と、居なくなった若い嫁との話しが中心。又兵衛が師匠の技量を全く知らないことに驚く。浪人とその妻達も行方不明が多数出てくる。師匠も関わってくるが、やはり腕前は見えてこない。
「ひとり相撲」
八百長を疑われた秋葉山が没落し、大道芸でひとり相撲を披露。又兵衛のボケた義父が秋葉山を拾って、養い子とともに自宅に連れ帰る。食事をさせるが、その後、秋葉山は罠にハマって、殺人の濡れ衣を着せられる。
「鹿殺し」
奈良の神獣である鹿が殺され、ツノをくすりにされている。次々に起きる殺人と神社仏閣からの宝物泥棒。幕府高官が裏にいるようだ。
最後の鹿殺しだけ他からの手助けがあるが、又兵衛と親友の長元坊だけでの戦いが多く、解決しても評価されるわけでは無いのが可哀想。助けられた人々だけが幸せになるのがせめての褒美か。