あらすじ
待望の初孫が生まれた長尾勘兵衛は、雛人形を揃えてやりたいと初市へ向かう。そこで町娘たちの簪が次々と抜かれる現場に出会した。鮮やかな手口で伝説の掏摸とよばれている初音の仙蔵と、その子らであった。仏の顔も三度までと見逃し、仙蔵も「まっとうに生きてみる」と足を洗う覚悟を決めたのだが……。
大好評「十手裁き」シリーズ第二作!
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Posted by ブクログ
主人公の勘兵衛の人柄に惹かれる。
このシリーズがこんなに続くのも、勘兵衛にまた会いたくなるからだろうか?
人は人の言葉で奈落の底に突き落とされたり、また人の言葉で勇気を持って生きられる。
自分の価値を人に委ねるものではないが、支えとなる言葉は目に見えない財産になるだろう。
ラストの「まいまいつむろ」は寂寞の思いに囚われる。上司に逆らえない優秀な社員と重なる。生きている以上、しがらみは消えることがない。
いつも前を向いて進めるわけではない。天を仰ぎたくなる時もあるし、頭を垂れて地面しか見えない時もある。
気を取り直して進めるのは、拠り所となる言葉だったりする。
批判と傍観は容易い。どう生きるかを考えた時、それが不器用であったとしても、自分を生きているんだと胸を張れる人生でありたいと私は思う。
Posted by ブクログ
うぽっぽの旦那勘兵衛シリーズは安定した良さ。
前作のほうが会話のやり取りや人情話も濃かった気がしますが、それでも最後はほろっとさせられました。