坂岡真のレビュー一覧

  • うぽっぽ同心十手裁き 蓑虫

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    この「うぽっぽ」シリーズも好きだ。あと30年早ければ、中村梅之助さんの主演でドラマ化して欲しいくらいだ。普段は、周りからバカにされていても、いざとなったら、颯爽と悪者をやっつける、昔の時代劇の良いところである。最近、そういう時代劇が無くなったのが残念。

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    2024年12月10日
  • はぐれ又兵衛例繰控 : 10 迷い牛

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    周辺から嘲られながらも淡々と仕事に励む又兵衛。困った人が居ても、見て見ぬふりしながらも徐々にはまりこんで行く。それなら、最初から助けろよとツッコミを入れたくなる安定の進行。
    標題の『迷い牛』でも悪い岡っ引きに嵌められた浪人を助け出すために、最後は自身の退職をかけて上司に直訴。悪人どもを成敗し、浪人を助け出したものの名誉復活ならず。大岡捌きのような結果も何とか自身の首が繋がる。相変わらず親友の長元坊の活躍あっての又兵衛だった。

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    2024年12月08日
  • 帰郷~鬼役(三十四)~

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    待ちに待った鬼役の続き。

    前作では鬼役の座を退き、影の鬼役となった蔵人介。 そのまわりも時と共に周りを固める顔ぶれも変わり、なにか寂しい気がしていました。

    上方へ医者修業中の息子鐵太郎が江戸に蘭学広めるためのミッションでやってきたものの、実は他にも目的があり、意中の女性の消息を追って来た。とそこまで読んだとき、過去何度かすぐに女の子に好意を持つが実を結ばずだったので、こりゃまた最後はその流れかと思っておりました。

    不思議なものでシリーズを読んでいると、なにか鐵太郎が自分の親戚の子供でもあるかのように、その成長と、今後の活躍を見守りたくなります。

    今回は新鬼役さんの毒見場面も少なく、やっ

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    2024年05月27日
  • 帰郷~鬼役(三十四)~

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    息子の鐵太郎の一時帰国は、ある女性を追って来たこと。隠された理由に矢背家は全面バックアップ。恋の成就に一家をあげて奔走するという心温まる内容の筈だが、次々と起きるコレラを使った凄惨な事件とキリシタン騒動。江戸城に一家総出で乗り込んで大合戦。鐵太郎の想いは遂げられるのか?
    シーボルトの娘が日本で初めての女医となった実話がベースなのかと思った。

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    2024年05月17日
  • 鬼役(壱) 新装版

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    歴史に疎いので、この当時の江戸幕府についての知識は他の時代小説(奥右筆シリーズ)程度の知識なので分からないことも多いのだが、それでも色々解説もあって読みやすくしてある。
    主人公のキャラがよく出来ており、どこか(必殺シリーズの)中村主水を思わせる。派手な切り結びのシーンも多いながら、ストーリーもよく練られていて最後まで一気に楽しめて、この後シリーズ化されるのも納得の出来栄え。
    視覚的な見せ場も多いので、映像化に向いているのでは?

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    2024年04月25日
  • うぽっぽ同心終活指南(二) 夫婦小僧

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    新うぽっぽシリーズの第2巻。
    心を寄せた二人の女を見送り、最愛の娘を嫁がせ、晩年にさしかかるうぽっぽ。

    体の衰えは十分に自覚される毎日だが、最後はどおっと、巨木が朽ちるようにと根岸からの言葉を頼りに、今日も1日10里ほどを見回る日々。

    『訳によっては、小さき悪はめこぼすが
    巨悪は絶対に許さない』
    彼の信条によって救われた人々とも長い付き合いに。

    普通の同心たちから嫌がれるが、悪と立ち向かう。
    彼を心酔する仲間とともに。

    物語のあちらこちらに、語れる「老い」の描写が、同胞たる読者にグサリと刺さる。

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    2024年04月18日
  • うぽっぽ同心終活指南(一)

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    うぽっぽシリーズ、3シリーズとなる新シリーズ。
    いつ隠居してもおかしくないような高齢となった長尾勘兵衛。体力の衰えも感じてはいるが、悪を憎む心は今でもみずみずしい。

    どの逸話も素晴らしい。

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    2024年04月04日
  • うぽっぽ同心十手綴り かじけ鳥

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    シリーズ最終巻!
    最後まで、爺様と呼ばれてもおかしくない、「うぽっぽ」という渾名のある同心の活躍は痛快そのもの!

    大事な一人娘を嫁に出し、寂しい日常を過ごしていたうぽっぽだったが、事件はそんな彼を暇にはしておかなかった。

    人情あふれる彼のもとに、最後の望みを託した最底辺の貧しく悲しい女たち。
    その遺体を目にし、事件の謎を追う!
    絵師の殺人事件にも関連があり、うぽっぽ自身も囚われの身に!危機一髪!

    堪能した最終巻!読んでお楽しみに。

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    2024年03月12日
  • うぽっぽ同心十手綴り 病み蛍

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    剣の達人ながら、血を見るのが怖い若い同心、鯉四郎。
    父親は、上司の罠で自死に追い込まれ、汚職などの罪を背負わされていた。

    今回の事件は、初めは不審が残る心中事件と大店の荷車に飛び込み腹の子が死んでしまうといった事故の2件。

    点と点が合致し、鯉四郎の父の無念を晴らすことに。

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    2024年03月07日
  • うぽっぽ同心十手綴り 藪雨

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    主人公の妻が、行方不明になってからうぽっぽこと、長尾勘兵衛を支えてきた心の妻とも言える「おふう」に翳りが。

    次々と接点のわからない女殺しが続き、おふうのそばにも危険が。

    女だらけの河原芝居。数を重ねる嫌がらせは、死人も出てしまう。

    事件は起きな悲劇に。主人公の心を大きく傷つける事件に。

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    2024年03月03日
  • うぽっぽ同心十手綴り 藪雨

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    うぽっぽ同心シリーズは、途中で『終活指南』を読んでしまったので、長尾うっぽぽが還暦になった話から、また遡って『藪雨』を読むことに。

    正直前半はいまひとつな感じがしたが、最後に『終活指南』で謎だったことがわかりました。 おふうさんです。 なぜうっぽぽの仏壇におふうの位牌があるのか、いつの間に死んだのかと思っていたら、ここで語られているとは。

    ドトールで最後のほうを読んでいたのですが、ちょっと涙目になりましたよ。
    ということで、星4つ。

    シリーズものは順追って読むに限ります。

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    2023年12月25日
  • うぽっぽ同心十手綴り 凍て雲

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    第4弾ともなると、うぽっぽの様子がくっきりし、かっこのいいシリーズとなっている。

    あろうことか、強盗を捉えたはずの火盗改が、その盗人たちを動かし、私服を肥やす。
    しかも、無血の盗みが新庄の名前を騙り。

    うぽっぽが拾い上げた「十手」の謎が解ける。
    今回も巨悪にはめっぽう厳しく、子供には優しい男だった。

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    2023年12月23日
  • うぽっぽ同心十手綴り 女殺し坂

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    シリーズ3巻目。
    行方しれずの妻、静。
    記憶を失って、あろうことか押し込みを働く盗賊と一緒にいる。『ひきこみ女』として働いている。

    記憶を失っていた静は、八丁堀が無性に気になる。記憶が僅かに回復しているのだろうか?

    今回もうぽっぽ大活躍。

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    2023年12月01日
  • うぽっぽ同心十手綴り 藪雨

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    物語とはいえ、やっぱり、結末が悲惨だと、気が滅入る。このシリーズは、数年後が舞台の「終活指南」と同時進行だけど、そう言えば、あの人は出てなかったな?

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    2023年11月28日
  • はぐれ又兵衛例繰控 : 8 赤札始末

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    3つの独立した短編。個人的には1冊丸々長編の方が読み応えがあって良さそうに思うのだが。
    ・3分坂の殺し
     南町奉行所の又兵衛は街歩きの途中で、片手を落とされた奇妙な屍体に出会う。対応していた北町の同じ例繰方の根張与力に出会い、追い出される。浪人が犯罪者にされそうになり、又兵衛のお節介が始まる。敵と思った根張与力は・・
    犯罪の陰に幕府の有力者。
    ・赤札始末
     火付を狙って商家に貼られる赤札が、又兵衛の御用部屋の机にも貼られていた。巻き込まれて行く又兵衛。こちらも大身旗本が陰に。
    ・駱駝の瘤
     江戸で駱駝の見世物があり、又兵衛一家も見物に。この駱駝がいつの間にか行方不明に。一方、若い娘達も大勢行方

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    2023年11月27日
  • うぽっぽ同心十手綴り 恋文ながし

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    シリーズ2巻目。
    人となりがわかった主人公の生き様は目立たぬように、だけど人のために。痛快でほろ苦さを伴う。
    登場人物たちが生き生きと動く物語は、時代は違えど必死で生きる現代同様。

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    2023年11月26日
  • うぽっぽ同心十手綴り

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    新刊かとおもいきや、どうも他の書店で全巻刊行済みらしい。

    さすが、そういうシリーズだけに面白かった!
    手柄はいらないと言わんばかりに、目立たず苦しむ人を助ける「うぽっぽ」という仮の姿。

    裏では、南町奉行とはツーカーの仲で、秘密裏に頼まれごとを。

    うぽっぽの名前に隠れ、実は剣豪。
    江戸のみんなは誰も知らない。

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    2023年11月21日
  • 継承~鬼役(三十二)~

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    ここのところ時の経過を感じる、蔵人介の心情。
    鬼役(表も裏の役目も)を次へ渡す日が近づくにつれて、若い頃の単にお役目果たすことだけに忠実に生きてきたが、ここにきて自問自答は避けられず、蔵人介の周りも同じく年齢を重ね、いろいろ先を考える時にきている。

    今回が個人的には一番良かった気がします。勧善懲悪の部分でなく、あらがえない時の流れの中の人の思いと人の一生。
    最後の方は、もっと頑張ってくれ、なぜに。。。といった感じでしょうか。
    畳の上、せめてもの救いです。

    そんな中ある意味時の流れにぶれない男、串部。 凄腕ながら天下太平的な。
    そして衰えを知らない志乃さまでしょうね。

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    2023年08月27日
  • 黒幕~鬼役(二十八)~

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    橘右近亡き後、物語が今ひとつピリッとしないので、この先読み進めるのはどうしようかと思っていました。

    今回は良いのではないでしょうか。
    蔵人介が自ら動き、だんだん年齢を重ねて深みが増してきたような。

    この中の『おしどり』『柊侍』は、なかなか内容が良かったです。12巻の切腹を思い出します。

    “までさま”なしのほうが、話しが締まると思うのは私だけでしょうか?

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    2023年08月07日
  • 慟哭~鬼役(十七)~

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    『六郷川の仇討ち』では、男の格好をし父の仇討ちを決心した娘が中心になる話だが、卯三郎に助っ人を頼んだり、もしや行く行くは二人が恋仲になり夫婦になるのではと思っていたのです。 蔵人介、鬼役の嫁が弓の達人であるように、跡継ぎの嫁もしかるべきかと。  が、とんだ読者の先走りでした。

    しかし、なぜ、ここでまさに”慟哭!!”
    このシリーズの清涼剤のようなお父上孫様が、なぜに。
    おようさんは、さすが元粋筋。 握り飯を持たせ手を振る。
    あ、涙です。 親子の絆。 わしの倅をを舐めるなよ、と。くわっと二つの盃ですよ。
    とにかく読んでください。 孫兵衛かっこいい。

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    2023年06月10日