林真理子のレビュー一覧
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「風と共に去りぬ」をヒロインのスカーレットの視点で描いた作品。
考えてみると、「風と共に去りぬ」を活字で読んでいない?ような気がする。映画を何度も観ただけだった。
アレクサンドラ・リプリーの「スカーレット」は読んだことはあるのだが…。
数行読んだだけで、映画の映像が色鮮やかによみがえってきて懐かしさで胸が一杯になった。マミイとのやり取りや、レット・バトラーとの出会い、木陰で大勢の男性を侍らせるスカーレット、
そして図書室。アシュレへの愛を拒絶されて暖炉に花瓶を投げつけるシーンが目に浮かんだ。
まだまだスカーレットの活躍はこれから!
続刊を楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
献本企画で頂きました。
林真理子さんも、風と共に去りぬ、お好きだったとは。私が『風と共に去りぬ』を初めて読んだのは中学の時、新潮文庫の大久保訳で、見学ばかりだった体育の時間、こっそりかくしてまで夢中で読んだものです。ヴィヴィアン・リーの美貌が輝くような映画も観ましたし、宝塚でも観劇、ファンと言って差し支えないと思います。
今年は『風と共に去りぬ』ブームのようで、新潮版も新訳なったところ。波に乗って、人気作家の林真理子さん、どうお訳しになるのかなと思って、わくわくと読み始めました。
一言で言えば、痛快!スカーレットの心理が鮮やかに描かれていて、難しいところはありません。素直で激情家で、かな -
Posted by ブクログ
超高級介護施設セブンスター・タウンで働く3人の中年女性、看護師と看護婦と食事係は各々親の介護に一人で苦しむ。非協力的な夫・兄嫁・弟・子供たちに憤りながらも熱心に介護する彼女たちは健気だ。お金もない。追い詰められた彼女たちは、セブンスター・タウンでとんでもないことを思いついて実行してしまう。親を救おうとしていても、やっていることは犯罪である。でも、自分の親を何とかしてあげたいと願う彼女たちのことを考えると、応援したい気持ちになる。▼内容は非現実的である。でも、介護の悲惨さや、親が年をとって人格が崩壊する哀しさが伝わるとともに、最後に彼女たちのハチャメチャさ加減が諷刺的かつ漫画的で面白い。
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途中から、私は渡辺淳一を読んでるのか、って錯覚した。女の作家が男の主人公を描くってどんな感じなんだろう。失楽園の凛子は、女性の目から見るとなんともアンドロイドっぽくて、現実感が足りなかった。男は、こんな女性を求めているのか、と思っただけ。どちらの作品にも共通するのは、並外れた文章力と構成力と魅力的な表現で、全く飽きることなく一気に読んでしまうこと。それこそが、もしかしたら本のテーマ以上に大事なんじゃないかと、この頃思う。その意味では大満足。読後に、何かが残っていれば、それでもう、その作品はいいのだから。本書は、最後に男の寂寥が残った。地位も、お金もある不自由ない人生の男たちに、だ。多分、それこ
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30代のおんなの心と生活と価値観と両親との関係があまりにもリアルで、「身に覚えのある私達」は途中から主人公の幸せを祈るように読んだ。林真理子は「働く女性たちにどうかいいことがありますようにという、祈りを込めて小説を書く」と言う割に、こんな怖ろしい結末を用意して、まるで突然掌を返したように「不倫はいけませんよ」などと教科書ヅラするのはなんなのだろう。奈央子みたいに周囲に自らに誠実に生きてきた女性が、(家族はともかく)見ず知らずの人から狂ったような罵倒されなきゃならないほどの不倫とも言えない恋をして報われないなんて、ちょっとあんまりじゃない?と思う、思うけど、この小説が、世間的お利口さんなんかやめ
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大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。
素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。
時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―。
小説を読むときに、ストーリーを楽しむのも1つですが、知らない世界を垣間見る、という楽しみがあります。
私の知っているシンガポールと、久坂さんの目を通して映るシンガポールは全くの別物です。地名は知っているものだけに、その差異というのがとても楽しい。
富裕層の人が生きているのは私にとって、別世界です。それは、ファンタジーの世界と変わらないくらい。遊び方も、しきたりも -
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製薬会社副会長、シンガポールと日本を行き来する久坂は53歳。父の会社は長兄が継いだが、妻の多額の遺産で潤う55歳田口。金に困らない男たちが、旨いものを食い、あちこちの女に手を出す、という話。
くだらないと言えば実にくだらない。空虚なのになぜかぐいぐいと読ませる。基本的にここに出てくる女性は、40代から50代しかいない。恋愛(やそれに付随するもろもろ)に関しては、もはや20代が中心だというのはもう古いのかも知れない。少子高齢化社会でもあるので、もっと歳いっても恋しようよというのが作者のメッセージなのかもしれない。
たまに含蓄がありそうな表現はあるものの、基本的には何も残らない、いっときのエン