福井晴敏のレビュー一覧

  • 人類資金III

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    ロシアのファンドマネージャー鵠沼英治が赤字補てんのための簿外取引を繰り返していることに気がついた真舟は、電子上の莫大な金「M資金」を盗み出す工作を実行に移してゆく。緊迫感のあるシーンの連続とそこに現れる重要人物達。まだまだ辿り着かない気がしてしまうが、三極戦の様相を呈する金融戦争の攻防が面白い。映画が始まってしまうけど、早く全七巻まで辿り着きたいなと。

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    2013年10月06日
  • 亡国のイージス(上)

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    古本で購入。上下巻。
    本棚整理にあわせて再読。

    国家に“殺された”息子の仇を討とうとする自衛官によるイージス艦の反乱に、アメリカが作り出した新型兵器と北朝鮮の精鋭工作員が絡み合う舞台仕掛け、そこに福井晴敏お得意の「バディ」モノのアクションが加われば、一級のエンターテインメント小説ができあがり。
    ミステリー仕立ての序盤からハリウッド映画さながらの大ドンパチが始まる後半のクライマックスまで、ズンズン読ませる。

    作品としては後のものになる『終戦のローレライ』と通じるのは、主人公のひとり、先任伍長の仙石のこの言葉。

    「生き甲斐だよ。生きててよかったって思うことだよ。それがあるから人間、生きていけ

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    2013年09月20日
  • 終戦のローレライ(1)

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    全4巻。
    本棚整理にあわせて再読。

    ドイツからもたらされた潜水艦「伊507」とそれに搭載された特殊兵器「ローレライ」めぐる陰謀と戦いを描いた小説。
    戦史モノと言うよりはSFに近いが、エンターテインメント作品としてよくできてる。

    南方戦線で地獄と人の本性を見たことから「あるべき終戦の形」「国歌としての切腹」をめざす男、それを生きる人々を無視した頭でっかちのくだらない思い込みと反発する少年と伊507の乗員たち。
    『亡国のイージス』同様、暑苦しいまでにアツい福井節が炸裂している。

    「『甲斐』を見つけろ。そのために生きて、そして死ね」
    これもまた『亡国のイージス』と通じるテーマ。
    「何のために生

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    2013年09月20日
  • 亡国のイージス(下)

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    仙谷先任伍長の人柄が、いいねぇ。
    海のオトコの常に諦めないという執念が突き動かす。

    如月行は、戦闘的人間。
    あらゆる危機を切り抜ける。

    とにかく、自衛隊オタクには、たまらない本だろうね。
    自衛隊で、反乱する。
    自衛艦が自衛艦を攻撃を受けた。

    宮津艦長の私怨。が、ここまで駆り立てるのか。
    それで、仲間が死ぬ。
    戦争が始まった。反乱とは、戦争なんだね。

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    2013年09月02日
  • 亡国のイージス(上)

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    亡国のイージス(上) 福井晴敏(著)

    自衛隊とは、どんな存在なのか?
    守るべき国はあるのか?

    ミニイージス艦を乗っ取って、東京を攻める
    という発想自体が面白い。小説に醍醐味。

    『アレ』という名付けが、馴染まない。
    辺野古ディストラクションが、事件の発端。
    北朝鮮の工作員 ホヨンファ。
    戦略的構築力と、人心掌握が優れている。
    オーストラリア行き飛行機。それを爆破する。
    その描写が、何とも言えないアクション的である。

    如月行という男のもつ 凄さ。
    仙谷の自衛官としての誇りと価値判断力。

    オトコのロマンなのかな。生き甲斐とは。

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    2013年08月26日
  • 亡国のイージス(下)

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    今年読んだ中では一番でした。しかし、長い、文字多い。。。
    そして専門用語のオンパレード。
    海上自衛隊に少し詳しくなりました(^^;
    SF物なのかな?と思ってなかなか手を出さずにいたのだけど、読まず嫌いでした。


    6000度の光熱でしか無効化できず、1リットルで、東京を全滅させる脅威の化学兵器「GUSOH」を積んだ「いそかぜ」をどう止めるのか。

    「いそかぜ」艦長の宮津、北朝鮮工作員ヨンファ 対 仙石曹長と如月行の行方は。。。



    読後もとても良かった。





    戦争はない方がいいに決まっている。
    しかし、攻めて来られたら?今の技術では、先制攻撃で終わってしまう。
    それでいいのか?
    よく考

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    2013年06月29日
  • 亡国のイージス(下)

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    やっと読み終わった〜〜!!
    いや〜、時間 かかったわ〜

    最初は 難しくてなかなか読み進められなかったんですが、
    話が進み始めたら 面白くて
    (と言いつつ かなり時間かかったんですが)

    人物描写も 細かいので、
    いつの間にか その人物が魅力的になってたりして、
    エピローグなんて ちょっと泣いてしまいました。

    すごい長い話だから、踏み入れるのに覚悟がいりましたが、
    読後感は 面白かった!よかった!
    。。。です。

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    2013年06月22日
  • 亡国のイージス(上)

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    上巻だけで500ページ超の長編国際謀略冒険小説!自衛隊の兵器や軍事行動・作成などが詳細に描かれ、読むのに苦戦したものの、とにかく面白い!

    冒頭、主要な登場人物である宮津艦長、仙石先任伍長、如月一等海士の背景が描かれる。そして、北朝鮮のテロ活動が…Gとは何か…宮津の息子の死の真相は…いそかぜは…

    中盤からは綿密に仕掛けられた事件が予想も出来ぬ展開につながり、結末はどうなるのか、早く下巻を読まねばと思うような面白さ。さすが、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞の三賞を受賞した作品だけのことはある。

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    2013年04月11日
  • 小説・震災後

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     福井晴敏 著「小説・震災後」を読みました。

     東日本大震災後、東京に住む平凡なサラリーマンの家庭が舞台。原発事故を経て、希望を失い心の闇にとらわれてしまう息子。その息子に希望を取り戻すためにあがいていく家族。そして、祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来の物語」が語られていく。

     フィクションでありつつも、そこに描かれている世界はまさに現実の世界、現実の家族であり、自分の家族や子供たちのことを考えずには読めませんでした。

     あの震災後、どの家庭でも今の生活のあり方やこれからのことをそれまで以上に考えずにはいられなかったと思います。

     そこに、未来や希望を見つけることは大変なことで

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    2013年03月01日
  • Op.ローズダスト(下)

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    ついに、福井晴敏著「オペレーション ローズダスト(下巻)」を読み終わりました。

     かつての仲間だったテロリストチームと命を賭けて闘う防衛省の特殊工作員の活躍を描いた最終巻。恐怖の戦場と化した東京をはたして救うことができるのか、いやが上にも盛り上がるクライマックスでした。

     臨海副都心の特殊な構造をうまく巧妙に利用した予告テロ、それを阻止しようと、立ち上がった主人公たちでしたが、防衛省と警察庁との確執など、敵がテロだけでない状況の中、最後まであきらめずに闘う姿は涙を誘わずにはいられません。

     そんな主人公たちの闘いを通して、まわりの世界が少しずつ変わり、未来の日本がほんの少しでも明る

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    2013年01月24日
  • Op.ローズダスト(上)

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    福井晴敏著「オペレーション ローズダスト(上)」を読みました。

     待ちに待った作品なので、楽しみながらこの大作を読み味わいました。

     防衛省の特殊部隊の主人公が連続爆弾テロに立ち向かうアクション巨編です。

     しかも、この主人公と爆弾テロのリーダーには、過去の深い因縁があり、この戦いはある意味運命付けられていたものでした。

     スリル満点のアクションと世界の情勢や政治の裏舞台などが描き込まれ、小説の醍醐味を味わうことができます。

     また、登場人物たちもそれぞれに過去を背負って今を生きている様子が表現されており、物語の世界観を作り上げています。

     ただのアクション小説ではなく

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    2013年01月24日
  • 小説・震災後

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    久しぶりの福井晴敏。読み始めたときは、福井は原発廃棄路線でこの物語を綴るのか?という思いで読んでいた。物語は中盤から、震災後の日本を語る話から、一家族の話にスケールダウンして行く。その一方で、父が子に、親に語りかける言葉から、むしろ日本や近代社会への思いが強く伝わってくる。原発への思いは人其々だけれど、原発反対の人も、容認の人も、是非読んで欲しい作品だった。新幹線の中でちょっと泣いた。

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    2013年01月17日
  • 終戦のローレライ(4)

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    とても面白いです。長さを感じさせない圧倒的な筆力。
    特に戦闘シーンの描写が素晴らしいです。感傷に流されない精緻な文章は、テレビよりも映画よりももっと映像的です。

    終章は蛇足だという意見もありますが、私は、作者はこれこそが書きたかったのではないかと思います。
    これがあるから「第2次世界大戦を描いた作品」になっているのではないでしょうか。

    それにしても、菊政さんは何をやっても死ぬ運命なのでしょうか…

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    2013年01月01日
  • Op.ローズダスト(上)

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    ネタバレ

    この作品もおっさんと青年の福井晴敏作品のおなじみのパターンです。
    「上」は作品の導入部分のみでした。
    「中」「下」の作品のスピードに期待していきたいです。

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    2012年11月26日
  • 6ステイン

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    福井晴敏さんが短編を書いてるとは思いませんでした。
    この短編集は読みやすいです。
    時系列としては、他の市ヶ谷シリーズ(ダイスシリーズ?)とは別になりますが、これも読んどいて後悔はない作品です。
    文庫本を見て、福井晴敏さんの作品がどれも長くてとっつきにくそうだなぁと思ったら、この短編集を読んでみるといいと思います。

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    2012年11月26日
  • 機動戦士ガンダムUC バンデシネ(7)

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    齢を食うと・・・
    涙脆くなります。
    この巻でも(ガンダムですが・・・)感動であります。
    託される者よりも託す者の齢になってしまったからかな・・・

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    2012年11月24日
  • Op.ローズダスト(下)

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    面白かった!

    最後のお台場決戦は迫力満点。
    圧倒的熱量。

    警察や公安、自衛隊に本当にあんな人いたらいいな。
    “新しい言葉”探そう…。

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    2012年12月04日
  • 終戦のローレライ(4)

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    「ローレライはあなた方のためには歌わない」。絹見艦長、かっこいいです。もう1回言います。絹見艦長、かっこいいです。
    征人が少年から男になる決意、行動。感動です。涙出ました。
    主に征人の視点で読んだけど、読みきった今、あらためて絹見艦長、田口掌砲長、フリッツ少尉、浅倉大佐、それぞれの視点でもう一度、読み通してみたい。
    『半落ち』を抜いて、2012年度のMVP本になるかな。

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    2012年09月28日
  • Op.ローズダスト(下)

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    ネタバレ

    福井晴敏氏は正しいと思う。
    福井氏に添って生きていきたい、という思いばかりが強くなる。

    「国益という名の重石を抱え、救援の手をこまねく政府の無策
    ――組織の論理がもたらす感性の硬直が、臨界副都心に取り残された一万の人間を殺す。
    助けようと思えば助けられない道理はないのに、
    無名の他所を人間と捉えられない想像力の欠如、
    なにごとも合理で量る感性の摩耗が人を殺す。」

    と、世の中を冷静に見極めたうえで、

    「個々人が指の先ほどの美徳を発揮すれば、
    がんじがらめの世界が救われる余地はいくらでもある。」

    というシーンへと発展させる。
    この辺りの美しさが、たまらない。

    それから主要メンバーの幕の引

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    2012年09月20日
  • 終戦のローレライ(3)

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    8月6日の原爆投下時のシーン。一瞬ですべてが破壊され、灰になったというこのシーンはいろんな小説で書かれていると思うが、この本の表現が、一番印象に残る。「・・・魂魄さえ焼き尽くし、成仏することすら許さない・・・」
    ところで、この第3巻。起承転結でいうところの、まさに転。浅倉の言う、あるべき終戦の形ってそうだったのか。でも違うんちゃうか、それって! いけ、伊507!! すぐ、4巻を読もう。

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    2012年09月20日