福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
手に汗握る戦闘シーンは具体的に書き込まれ、いちど読み始めたら止まりません。ただ、潜水艦の主砲でB29を撃墜するシーンなど、大事なところで「おいおい」と思う所もありますが。
征人とパウラの掛け合いはラノベ的で、全体的な物語の雰囲気から少し浮いています。よく言えば、史実を思わせる程の緊張感の狭間に差し込まれた清涼剤。エンタメ小説として支持される理由のひとつでしょう。
戦後60年程を駆け足で振り返る終章を蛇足と捉える意見もあります。しかし、終章によって本書は他の戦記物、SF、エンタメ小説と性質を異にしたと思います。
わたしのような21世紀になって成人した人間は、戦後史を現在の視点から遡って見ざるを得ません。つまり、今の価値観を少しずつ過去に向かってずらしていくことで、戦後史を想像可能なものにしているということです。しかし、過去へと遡る中である時1945年8月に行き当たります。それは、明らかな断絶との出会いです。
この断絶または差異をいかに理解するか。おそらく、戦後の価値観に染まった者がいまの立ち位置からいくら観察しても理解できないものだと思います。
したがって、征人やパウラのような戦中世代の生を疑似体験することで、戦後社会を戦前戦中から逆照射する必要があります。すると、社会人として勤め、結婚し、子をなし、家を建て、老いる。これらのことが全て特別な経験になっていることに気付かされます。忘れ得ぬ死者への思い、価値観の激変に対する違和感など、背負い込んだ重い荷を降ろすことができないままに。
その上でもう一度現在の視座から戦後を見渡してみましょう。戦後および今の自分の立ち位置に対し、評価の変化はないでしょうか。こんな問題提起を終章がしたのだと思います。
そして最後に、温子かわいい。 -
Posted by ブクログ
ガンダムユニコーンは素晴らしい作品だと思う。ファースト~逆襲のシャアをきちんと押さえ、新しい設定もうまく組み込みながら、古くからのファンも、新しいファンもどちらも納得させるクオリティーの高いストーリーに仕上がった。
「ラプラスの箱」の正体も、許容範囲というか、うまく説明したと思う。
そしてやっぱり、フロンタルの圧倒的な強さ、カリスマ性にガンダムファンとして胸が高鳴った。
アンジェロはフロンタルと共に逝くことを選んだのだろう。
美しい青年の将来を嘆く気持ちもあるが、彼は彼なりに自分の命を全うしたのだと、つらいばかりの人生だったが、最後は心安らかであったのだと思いたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ全然、事件は起こってないし、これからの物語なんだけど、これだけは言える。
面白かった!!
というか、この本、ずいぶん前に出ている本だと思うんですけど。
「アベノミクスは失敗し……」
とか書かれてて、この本って予言書?? ってかなりびっくりもさせられました。
いやまあ、失敗するだろうっていうのは想像つかなくもなかったし、私もきっとそうなるだろうって予想できていたので、当たり前といえば当たり前なんですけど、それを堂々と物語に組み込んでしまうのって作家さんとして、結構勇気が必要だと思うんですけど、それをやってのけたのがすごいなあ……と。
終わってる現実じゃなくて、これから始める現実を物語に投影していくのって本当にすごいと思います。
現状は確かにこの本に書いてあることに近くて、これをどうやってこれから変えていくのか、とても楽しみにしています。