小野不由美のレビュー一覧
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ネタバレ2025年ラスト!
まさかのナル戦闘不能によりぼーさん大活躍という歓喜回。仏教、寺、神社、民俗宗教その他もろもろの専門用語に加えて家系図も複雑すぎてなんとなくしかわからなかったから2周した。
身内が立て続けに死んでるっていうのにもうそれを当たり前のこととして受け入れちゃってて、目の前で兄妹が死んでもあんまり動揺しない彰文さんが切なかった。和泰さんが亡くなったときに言っていた「自分のしたことを知らずに済んだからよかった」というセリフがなんだかすごく胸に残った。
安原ニキいつめん入りありがとう。絶対に専門外なのにめちゃくちゃ役に立っててS級調査員すぎる。
あと1巻で終わるのヤダー! -
Posted by ブクログ
ネタバレ父の再婚を機に一人暮らしを始めた高校生・荒川浩志。
ハイツ・グリーンホームに越してきた所から物語は始まる。そこは、地元では有名な曰く付きの物件で、よく人が亡くなるという。薄気味悪い住人も多く、なんとなく馴染めない。無言電話、夜中に奇妙な落書きをする幼児、無記名の手紙…日に日にエスカレートする不気味な出来事の先で浩志を待っているものとは?
ちょうどいいボリューム感。
そう多くない駒をちょうどよく料理し、ちょうどいい所に着地できている。駒の数は変わらずに、いたずらに長編に仕立ててくる作品も少なくないが、引き算の美学とでも言おうか、過不足ないというのは意外と大事である。その塩梅を正確に捕捉できているのは、さすが小野不由美である。
日本の怪談的な控えめな怖さが目立つ前半。
気味の悪い事は多いが、物語が大きく動くことはない。それがどうだろう、大林の登場によって、いきなり動的な怖さに打って変わる。怖すぎて震える類の物ではないが、お作法に則ってちゃんと怖いという形式美を感じた。ホラー小説の教科書って、案外こんな感じかもしれない。
いじめっ子の言い逃れのようにも聞こえる。
確かに、オサルの死因に直接関係があるわけではない。でも、加害者の罪悪感を払拭してやるのはなんか違う。抱えてしまった罪悪感とは心中するしかないのではないか。特に、浩志からの又聞きでオサルの言葉を受け取り、スッキリしている金子はあまり好きになれなかった。飛行機を取り返した浩志を責めていないが、おまえのことはわからんぞとも思う。めでたしめでたしとは思わなかった。 -
Posted by ブクログ
【短評】
直感に従って手に取った小野不由美は、数々の名著を生み出すに至った彼女の初期作品とのことだ。1990年発表の作品であり、凡そ35年前という恐るべき隔世の書を引き当てたわけだが、十分に令和の読書に耐えうる一作だったと思う。
両親の元を飛び出した高校生・荒川浩志(あらかわひろし)は<ハイツ・グリーンホーム>に引っ越すこととなった。6号室の奇妙な少年・和泉聡(いずみさとる)は、初対面の浩志に「出ていったほうがいい」と告げる。それ以来、不気味な落書きをする男の子や頻発する無言電話など、気味の悪い出来事が頻発するようになりーー
良くも悪くも「ハートフルホラー」の見本のような作品である。
良く言えば王道的。悪く言えば類型的。
良点を挙げるならば、伏線の張り方、恐怖の描写等、丁寧に小説を組み上げているのが良く分かった。程なく才能が爆発する予感を感じさせる秀作だ。他方、正直、瑕疵が無いとは言えない作品ではある。文章のリズムはイマイチだったし、作者の意図よりワンテンポ早く「真相」に気付けたりもした。
しかしながら、作品の「余韻」は素晴らしいの一言。仰々しい感動に振らず、静かに美しく幕を下ろしたのが、凄く好みだった。
三点か四点か最後まで迷ったが、変調気味な作品ばかりを摂取してきた反動からか、本作のストレートな作風が結構刺さったので、四点評価とした。
【気に入った点】
●断片的に唸らされる描写があった。流石は小野不由美である。男の子の落書きとか、手紙の内容とかゾゾッと来るものがあった。
●飛行機というモチーフが良い。安易にお涙頂戴の別れに流されないところが良い。バランス感覚が凄いなと素直に思った。
【気になった点】
●専門的な指摘は出来ないが、内面描写における括弧の多用とか、文章にノイズめいた癖があるように感じた。
●もっとキャラクタの内面を掘り下げて欲しかった。浩志と両親の確執とか、物語に溶け込めていない感もあるし、「ある人物」の葛藤などは全面に押し出しても重厚感が出たのではないかと感じる。
才能の原石の輝きを楽しむ一冊。
ホラーとしても感動物としても一定の水準に達していることは間違いない。