小野不由美のレビュー一覧
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一番前列の竹のあたりで微かな音がガサ、として、そこに白い染みが現れた。
(72p)
‥‥この世のものではないものが来る。それが次第とひとのかたちを為してくる。こういう描写は流石、小野不由美。
1990年パンプキン文庫より初出。
2016年、発行所を変え大幅に加筆修正して刊行。
2023年、更に発行所を変えて加筆修正して角川文庫より発行。
どの様に修正されたかは確認のしようがないが、
これは「正当、理不尽な呪いモン」である。
前半はテンポ良いティーンの明るい会話で構成されているだけに、後半の呪われた17歳たちの言葉や行動が、ゾワゾワして、もうこれ以上彼らを向こうに連れて行かないで、と思う。
「魔性の子」(91)の一年前の発表だった。だからか、異端のものの力も、恐ろしいけど、それほどじゃない。でも、主人公格の直樹が、本人でも充分にわかっているのに、段々と妖(あやかし)に取り込まれてゆく一人称視点での描写は、こういう呪詛、読んだことなかったので中々ぞくりとした。解説子が「ジャパニーズホラーの逸品」というのも宜なるかな。 -
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「ゴーストハント」6巻でございます。
「実は、この子を診ていただきたいんです」と、若い男性が幼い姪を連れてSPR(渋谷サイキックリサーチ)に依頼に来た。その子の首には帯状の湿疹が一周しており、また背中には同じような湿疹が文字を描いていた。それは戒名だった。
依頼を受けたナルたちは、能登へ。料亭を営む吉見家では、代替わりの際に多くの死人が出るという。いったいなぜなのか、祟りか呪いか因縁か、調査開始!
今回の舞台は、目の前に能登の海が広がる料亭。みんな泊まり込んでのお仕事なので、ちょうど季節も夏だし、私も旅行気分が味わえましたわ。
今回はナルが憑依されちゃったので、あたくしの推し、ぼーさんが大活躍です。あぁ、良き。安原くんとの〈不心得な漫才〉なんかもう、いつまでも見ていたい。安原くんてばもうこのメンバーにすっかり馴染んでおりますな。
数多の霊と命がけで戦うみんなの姿に、涙が出ました。〈あたしたちはこの怪異の根元を絶ち、囚われた霊を解放しなければならないんだ〉と、こいつらみんなサイコーにカッコいいぜ!
真砂子ちゃんはめっちゃかわゆいしねぇ。なんだかんだで良ーいコンビじゃないの、真砂子と麻衣ったら。本当に良い子たちだ。
映画監督の中村義洋氏による解説が、映画をよく見る私にはおもしろかった(『鬼談百景』と『残穢』が映画化されていたとは知らなかった!)。そうなんですよ、キャスティングをね、本シリーズに限らず本を読んでると考えちゃうんですよ。ただこの子たちみんなめっちゃ若いんでね、なかなか難しいですわ。
あー、次で終わっちゃうのかぁ。寂しいなー。やだなー。
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「ゴーストハント」シリーズ5巻の舞台は、洋館です。2巻も洋館だったけど、今回のは一癖も二癖もある建物。明治33年頃に建てられたという、古城のような、さびれた巨大な洋館で、増築に増築を重ねた、まさしくタイトルどおり、迷子必至の「迷宮」でございます。
そして、ナルの師匠だという森まどかさんがいきなり登場、さらに、4巻で活躍した安原くんがめでたく大学生になって登場だぁ!(やっぱり!) しかもしかも、ついにリンさんの本名と出自が明らかに! 極めつけは、麻衣がなぜ学校に行かずにナルのところでバイトをしていられるのか、読者がずっと抱いていたナゾが明かされる! いやもう盛りだくさんで目がまわりそう。
ということで、5巻もめちゃおもしろかったです。怖いというより、気味が悪かったわ。この、ぐっちゃぐちゃに増築が繰り返されたお屋敷はもちろんだけど、ラスボスがとにかく胸糞悪い。
でもSPR(渋谷サイキックリサーチ)の子たちがみんないい子だから救われる。今回初登場のまどかさんもかわいらしい人だし。この子たちのおかげで、気分の悪くなるようなヤツが出てきても、読者の心は汚されずに済んでいると思う。さあ、このシリーズを読んで心を浄化しよう。
最後に、ひとつだけ気になった違和感を。それは、まどかさんが渋谷所長のことをフツーに「ナル」と呼んだこと。そのときにはまだ誰も所長のことを「ナル」って呼んでいないのに、まどかさん「ナルはいないの?」ってリンさんに聞いてる。「ナル」って、麻衣がつけたあだ名じゃなかったっけ? と思って1巻を確認したら、やっぱり、60ページ4行目で麻衣が〈ーーあんたは今から、ナルシストのナルちゃんだ〉と決めて、それ以降「ナルちゃん」と呼び始めてる。まどかさんは、「ナルにゴーストハントを伝授したのは、私なの」と言っているけど、なぜあなたは彼のことを麻衣のつけたあだ名で呼んでいるの? 彼が今「ナル」と呼ばれていることを、なぜ知っているのでしょう??
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ネタバレ私…漫画版しか読んだことなかった。漫画版も最後までは読んでないはず、と思ったけど、7巻読み終えて、じつは最後まで読んでたことに気づいた。ばかー。
3日間で7冊読み切ったものの末路、いえ、断末魔を以下に記す。
あやこちゃん、おめでとうがめちゃくちゃ怖いよね。1人ずつ子供と入れ替わったりするし、コップはお助けアイテムじゃないというのも辛い。(むしろ車だった。安原さんナイスだ)
手を繋いだ相手の声が遠くから聞こえるシーンもこっっっわ。
そして、先生と子供たちとのシーンは泣けてしまった。
で。物語の真相とラストについては。
はあ…もうね。
ナルの正体とか、夢のなかのナルの正体とか、バッサリ弟くんから、どっちが好きだったの、と尋ねられて終了、ってすっごいラストだよね…。
最後のあの切ない一文もね。ほかのティーンズ小説には絶対来ない一文でしょ。
そりゃあ、当時の読者たちの余韻と悲痛な叫びがあったはずだし、このシリーズがここでこんなふうに終わったわけもよくわかりますよ…。
よくわかるけどさあ!
やっぱり、ナル麻衣が欲しかったわけよ。
あのナルとこのナルのギャップに萌えたのは事実だけどさあ、手品みせたり紅茶いれてくれたナルは本当に優しかったわけだしさあ〜〜〜(泣)。
って、まあ、もう、このシリーズのおわり、人間関係のおわりを宣言されたらやはり悲しいではないですか。
ラスト、一応まだ出張所?は残るらしいし、人間関係はふわっと続くから、残りは二次創作で楽しんでね、ってことにしとこうかな…。←私が
それにしても、ナルやリン以上にまどかさんが謎じゃないか?
あとさあ、最初の頃の、ナルシストのナルちゃん由来になった、「僕の顔、そんなにいいと思うか?」の意図はなんだったんですかあ?
作中のセリフ応酬みてたら、氷室冴子が読みたくなった。やはりギャグやキツめのセリフは彼女ほど巧い人はいないな…さびしいわ。