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運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹。そこは木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。桃源郷のような場所にも関わらず、心優しい隆の目は昏く、なぜか母親の美紀子に対して冷淡な態度をとってしまう。母子に一体何があったのか――。「あの女が、迎えに来る…」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!! 解説・朝宮運河(書評家・ライター)
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Posted by ブクログ
夜に読み始めたことを後悔するくらい怖く、でも展開が気になって止められず、翌日の昼休みに最後まで一気に読んでしまいました。
ホラーとしてしっかり怖いけれど、物語の根底にはどうしようもない痛ましさがあります。それでも、青春小説のような瑞々しさや友情、家族を思う気持ち、先を追わずにはいられないミステリー要素が重なっていて、ただ恐ろしく陰惨なだけでは終わりません。
特に印象的だったのは、前半の明るくきらきらした空気と、物語が進むにつれて見えてくるものとの落差です。情景が自然に目の前に浮かび上がるような文章が美しい分、堪えます。
中心人物だけでなく、別の人物もまた、もう一人の主人公と呼べるほど物語の感情を支えていたように思います。また、三代もいてくれて、本当によかった。恐怖のなかで、ほっと息をつける瞬間でした。
登場人物の友情や家族愛が「尊いもの」と説明されるのではなく、行動や積み重ねからこちらが感じ取れるところがとても良かったです。
先が気になって昼休みギリギリに急いで読み切ってしまい余韻に浸れなかったので、明るい時間にゆっくり味わいながら読み返したい作品です。
Posted by ブクログ
ちょっと古典的って思ったけど、なんと30年前の作品だった
でも、時代を感じさせない、不由美ワールドな内容にグイグイ引き込まれる
ほとんど最後の最後まで、なんなん?あいつって感じだったけど
それが、ずーっとしこりのような恐怖感というか、ホラーモヤモヤさせてて
どっぷり世界にひきこまれてましたわ。
最近、マイルドエフェクト、知的解決な流れに浸かっていたので
後半のまぁまぁ過激な動きにはちょっとびっくりした次第。
でも、こうやって思い返してみると、魔性の子とかそんな感じだったなと
ちょうどその頃の不由美ワールドを改めて感じた本作でした。
真夏のホラー、ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
引き込まれて一気読みした。面白い。
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十七歳、少年たちをつなぐ運命とは。ラストまで一気読みの本格ホラー
運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹。そこは木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。桃源郷のような場所にも関わらず、心優しい隆の目は昏く、なぜか母親の美紀子に対して冷淡な態度をとってしまう。母子に一体何があったのか――。「あの女が、迎えに来る…」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!!
Posted by ブクログ
本格ホラー。十七になるとあのひとが迎えに来る、という設定が怖い。この作品を読んでいて思うのだけど、やはりこういう心理劇こそがホラーの醍醐味ですよね。スプラッタはいけませんスプラッタは。
とくに、自分ではない自分というのは常套的ではあるけど怖い。そして、その怖さを際立たせるのは日常空間の確かな構築ですよね。この作品、自然描写が繰り返し繰り返し出てくるんだけど、それが絵画的にまで美しいからこそ、たった一点の異質な恐怖が映えるのですね。あと、十七という年齢自体が持っている魔性というか危うさ。よいなあ。自分自身の過ぎた春とかについて考えてしまったですよ。
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