あらすじ
運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹。そこは木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。桃源郷のような場所にも関わらず、心優しい隆の目は昏く、なぜか母親の美紀子に対して冷淡な態度をとってしまう。母子に一体何があったのか――。「あの女が、迎えに来る…」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!! 解説・朝宮運河(書評家・ライター)
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時代を超えて描かれる母の子への想いが、ひたすらに切なく胸に迫る作品。 菅田家の人々がもう少し優しさを持ち合わせていれば、このような悲劇は起こらなかったのではないかと、思われました。 二百年以上にわたり受け継がれる呪いと、それでもなお揺るがぬ母の愛の対比が印象的。 情景描写が美しく、春爛漫の穏やかな空気と、静かに忍び寄る恐怖とのコントラストが、物語の魅力を一層引き立ててます。
イメージソングは宇多田ヒカル『桜流し』
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小野不由美主上の初期ホラー作品『過ぎる十七の春』
ライトノベルとあなどるなかれ。
美しい春の庭に対比するように、ジワジワと怪異が押し寄せてきます。果たして主人公たちは呪いを解くことができるのか…。
謎解きのミステリとしても読めますし、ホラーが苦手な私でも読めるくらいの怖さです。
呪いを生み出し、末代にも悲劇を残した人間こそが、やはりこの世で一番怖い。
ホラーを読むと、毎回そう思いますね。
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ちょっと古典的って思ったけど、なんと30年前の作品だった
でも、時代を感じさせない、不由美ワールドな内容にグイグイ引き込まれる
ほとんど最後の最後まで、なんなん?あいつって感じだったけど
それが、ずーっとしこりのような恐怖感というか、ホラーモヤモヤさせてて
どっぷり世界にひきこまれてましたわ。
最近、マイルドエフェクト、知的解決な流れに浸かっていたので
後半のまぁまぁ過激な動きにはちょっとびっくりした次第。
でも、こうやって思い返してみると、魔性の子とかそんな感じだったなと
ちょうどその頃の不由美ワールドを改めて感じた本作でした。
真夏のホラー、ごちそうさまでした。
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小野先生の「人」にまつわるホラー作品
裏表紙にも描かれていたが、ホラーの原因を探るというミステリー要素もある作品で面白かった。
一つ一つの描写が緻密に恐ろしく、また、ホラーを回避しようとした行動も恐ろしかった。
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引き込まれて一気読みした。面白い。
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十七歳、少年たちをつなぐ運命とは。ラストまで一気読みの本格ホラー
運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹。そこは木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。桃源郷のような場所にも関わらず、心優しい隆の目は昏く、なぜか母親の美紀子に対して冷淡な態度をとってしまう。母子に一体何があったのか――。「あの女が、迎えに来る…」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!!
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小野不由美の初期の傑作の一つ。春休みになると直樹は妹と共に山奥の集落に住む伯母宅に滞在するのが恒例となっている。17歳になった直樹と隆。それぞれの母親はその年齢に対して異常なほど憂いをおぼえている。そして起こった隆の変化と伯母の死。それはやがて直樹にも及んでいく。この手のホラーにはよくある山奥の集落を舞台にした呪いの話だが、土地そのものではなく血筋に関連している。伯母の美紀子が怨念から逃れるために直樹と隆を入れ替えたと淡々と行き着いたが、美紀子は最後までそれは伝えていない。この事実は2人の胸だけに仕舞われて、由岐絵は最後まで知ることはないのだろうか。何代にもわたって続いた呪いが、美紀子の手紙一枚で改心させたというのも少々不自然だ。だが、名詞や形容詞をふんだんに使って、日本語を解放された文体は、自然豊かな山奥を鮮明に描写し、女が迫り来る様子を克明に描いていて、恐怖を煽る。
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美紀子さんがした事どれかひとつでも欠けてたら隆君も直樹君も助からなかったかもしれないと思うけど素直に喜べない。
子どもを入れ替えたのは大胆だけど両親気付かないもんですかね。けど目の虹彩が違う事に隆君と直樹君が気付いたってことは、気付いてたけど呪いが避けられるかもしれないと期待して気付かないふりをしていたのか。
でも親が違う事に反感を抱く余地が無いぐらいには大切にされてるなっていうのが分かる。
だから余計に美紀子さんがいないのが悲しい。
吉さんとその母親は何の為に引き離されたか分からなくなりますね。
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得体の知れない恐怖と違和感、そして悲劇……
分からなかったものが分かっていく爽快さがいい!
あと猫の三代に何度も癒されました…!!
これが30年以上前の作品と言う驚愕。
小野不由美先生のホラーの凄さが詰まっているなと思いました!
今思うと、由岐絵も入れ替わってるのをどこかで察して毎年美紀子の元へ送り出してたのかな……??
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従兄弟どうしであり、ともに十七歳の誕生日を間近に控えた直樹と隆。桃源郷のような隆の家で春休みを過ごすうち、突如として隆に異変が起こる。夜ごと訪れるあやしいもの、そして過去の因縁がさらなる悲劇を呼び起こす圧倒的迫力のホラーです。
再読だけれど、何度読んでもぞっとします。あれが現れるシーンの描写、家族への心情が変貌してしまう過程、全部怖い。三代の存在だけが救いでした。
ただ、怖くはあるけれど切なくもあります。だからといってあの呪いは桁外れですが。ほろりとさせられる点もありました。
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さほどたくさん読んでいるわけではありませんが、小野不由美が好きです。1990年に刊行された本の加筆修正版だということを知らずに読みはじめました。
スマホのない時代のホラーですが、この人の話は今も昔も変わらずその情景が目に浮かぶ。花に埋もれた谷の里に佇む家は想像するだに美しい。だけどそこが呪われた一族の家だとわかってからは、美しさと共に恐怖も忍び寄ってきます。
やはり彼女のホラーミステリーは切なくて、「そこにも母がいたか」のくだりでは涙が溢れました。元のタイトル『呪われた十七歳』よりこっちのほうが断然良いなぁ。
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少し前に読ませていただきました。
やはり小野不由美の作品は綺麗で、その綺麗さがより怖さを感じさせるなぁと思います。
「魔性の子」のような雰囲気も感じつつ、最後まで楽しませてもらいました。
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本格ホラー。十七になるとあのひとが迎えに来る、という設定が怖い。この作品を読んでいて思うのだけど、やはりこういう心理劇こそがホラーの醍醐味ですよね。スプラッタはいけませんスプラッタは。
とくに、自分ではない自分というのは常套的ではあるけど怖い。そして、その怖さを際立たせるのは日常空間の確かな構築ですよね。この作品、自然描写が繰り返し繰り返し出てくるんだけど、それが絵画的にまで美しいからこそ、たった一点の異質な恐怖が映えるのですね。あと、十七という年齢自体が持っている魔性というか危うさ。よいなあ。自分自身の過ぎた春とかについて考えてしまったですよ。
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割と正統派な和製ゴシックホラー。
話の展開がさすが、巧み!老獪!と思ったけれど、これ元は1990年の作品だったのか。そんなに古いものとは思わなかった、いい意味で。
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小野不由美の初期のホラー小説。
ホラーであり、少年の成長物語であり、切ない家族の物語という感じ。
従兄弟の直樹と隆は17歳の誕生日を迎える直前だった。毎夜、庭を訪れる異端のものの気配に苛立つ隆。隆の態度の変化に恐れていた兆しをみつけて絶望する美紀子。運命の悲劇の幕が開く。
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一番前列の竹のあたりで微かな音がガサ、として、そこに白い染みが現れた。
(72p)
‥‥この世のものではないものが来る。それが次第とひとのかたちを為してくる。こういう描写は流石、小野不由美。
1990年パンプキン文庫より初出。
2016年、発行所を変え大幅に加筆修正して刊行。
2023年、更に発行所を変えて加筆修正して角川文庫より発行。
どの様に修正されたかは確認のしようがないが、
これは「正当、理不尽な呪いモン」である。
前半はテンポ良いティーンの明るい会話で構成されているだけに、後半の呪われた17歳たちの言葉や行動が、ゾワゾワして、もうこれ以上彼らを向こうに連れて行かないで、と思う。
「魔性の子」(91)の一年前の発表だった。だからか、異端のものの力も、恐ろしいけど、それほどじゃない。でも、主人公格の直樹が、本人でも充分にわかっているのに、段々と妖(あやかし)に取り込まれてゆく一人称視点での描写は、こういう呪詛、読んだことなかったので中々ぞくりとした。解説子が「ジャパニーズホラーの逸品」というのも宜なるかな。
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小野不由美の十二国記が名作なのはわかったから、とりあえずホラーを読んでくれ…。彼女の真骨頂はホラーだ!
小野不由美先生のホラーはジャンルでいうと心霊ホラーとミステリーのかけあわせ感がある。
怪異にも怪異なりの理屈があるというもので怪異がなぜ起こるのかの突き詰め方は完全にミステリー小説。
だからひたすらになんかやばいものが出てきてうわー!って感じではなくて、めちゃくちゃ好み。おもしろい。
情景描写の綺麗さと空間に恐怖を湛えさせるのがすっげーうまい。
小野不由美、小説がうますぎる(あまりにも不敬)。
表紙がぱっと見ホラーものに見えなくて切ない青春物っぽく見えるがちゃんとホラーなので…
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小野不由美は物語の入りの、雰囲気の作り方が上手だと思っているけど、そこに遊び心を加えてくることもあって、ただ惚れ惚れとしちゃう。
まずプロローグが誰かの言葉で3行。
短いプロローグはあるけど、1ページ分ほどはあったりするのが一般的。
3行に込められた切迫した気持ちで始まった後の第一章1ページ目、なんて悠長なんだろう。
状況描写に使われる色。
言葉の選び方の美しさもだし、プロローグと本文が始まるその雰囲気の差の醸し出し方に脱帽するよ。
↓ネタバレ
直樹と典子の和気藹々とした伯母の家へ向かう様子が、なんだか『屍鬼』の始まりのような雰囲気を感じて、兄妹と姉弟で違いはあるけど、かおり姉弟思い出して、「これから何が起こるんだろう⁈小野不由美さん、どんな話にするんだろう!」とワクワク。
30ページ過ぎまでそうやってほのぼのとした雰囲気で書かれるけど、そのままほのぼの日常を読むだけでも苦じゃないわ。
まるでトトロの世界を目にしているかのようで、それはそれは平和な本で楽しいと思う。
そんな中で忍び寄る怪異。
外側から外側から蝕み始める得体の知れない恐怖。
隆の異変に奮闘する直樹の様子というのは、先にも書いたけれど『屍鬼』におけるかおりを彷彿とさせる。
呪いなのか、お化けなのか、何か得体の知れないものがじわじわと、気付いている人だけは気付いているのに、関係ない人には支障ない様子というのは、屍鬼の正体が知れるまでの様子とも似ている。
屍鬼には物体としての実態があって、この本では物体のない“呪い”であったけれど。
純然たるホラーであって、ただホラーなだけではない余韻を感じる物語は、小野不由美のホラー。
『屍鬼』と似たテイストを求めている方にもお勧めしたいと思いました。
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春になり毎年恒例の伯母と従兄弟の家に遊びに来た直樹と妹の典子。伯母の家は花々が咲き誇る桃源郷のような場所で伯母の美紀子も従兄弟の隆も優しい。だが、今年は何かがおかしかった。
夢幻のような綺麗な里山に住む伯母と従兄弟。いつでも物静かで穏やかで優しい。そこから始まり、それが徐々に崩れていく、何かが伯母を従兄弟をおかしくしていく、だがそれが何かは分からない。徐々に日常を脅かす恐ろしい変化を感じるのに正体が分からない恐怖。その描写を小野不由美先生は実に上手く書く。そして人間の強さと弱さを、幽霊の強さと弱さを丁寧に書く。毎回小野先生の書く作品を読むと感じるが1番怖いのは人間だなと感じる。
個人的にはこの呪い直樹と隆以外に抵抗しようとした人はいなかったのか?200年の間抵抗の形跡がなく家系図しか残っていないのは違和感があった。そして三代、家を守護している描写こそあるがそれだけだ。重要なポジションだけにもう少し三代の事は掘り下げてほしかった。
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序盤で挫いてしばらく積読状態でしたが、
ある程度、読み進めると先が気になって仕方なくなり一気に読めました。
安定の面白さでした。
このように昔の良作を改めて出版していただくのは目に触れやすくてありがたいです。
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謎が謎を呼ぶミステリー&ホラー小説。
各章の終わりに記されるシーンだが章を進めるごとに少しずつ情報が増えていき最終的には「あのシーンのことか」となった。
得体の知れないものから恐怖を感じるような小説は初めて読んだが中々に恐怖を感じることが出来て面白かった。
他のホラー小説も読んでみたくなった。
冒頭では様々な花が咲き誇る華やかな家だと思っていたが終わりの頃には人を誘う華やかささえも不気味に感じた。
菅田の家の呪詛や美紀子が犯した秘密の行為など1つ謎が解けたと思うとすぐさま次の謎が浮かび上がり衝撃の事実を知ることとなる展開が読んでいてハラハラした。
加えて誕生日の話を嫌がる姉妹やタイトルの伏線回収も綺麗であった。
三代という名前も菅田家の先祖に関係するのかと思ったが単なるミスリードだった。
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小野不由美さんと言えば「十二国記」や「屍鬼」のようなシリーズのファンタジーなどのイメージがある。個人的にはラノベの走りのような印象。
以前に「残穢」を読み、これはインタビュー風になっていて読むのがしんどいながら、確かに怖かった。
今夏のホラー初めとして、本作を読んでみた。
35年前の作品だけあって、設定はホラーとしてかなりコテコテで、いわゆる「子孫永劫呪ってやる」と言う幽霊が出てくる。とはいえ、美しく描かれる野草の家を舞台に、血を呪う霊が迫る風景は切なく不気味。
呪いに取り憑かれる様を一人称で描くのは臨場感満載だ。
そして、やはり見どころは猫、三代(と言う名前)の可愛さだ。
茶色い毛玉が飛び出してくる。
今となってはありがちな物語かもしれないが、その元祖として楽しむことができた。
やはり、夏といえばホラー。
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桃源郷のような里にある従兄弟の家を訪ねた直樹と妹の典子。叔母や従兄弟と楽しく暮らすが、ある時から従兄弟の態度が冷たく傲慢に変わってゆく。叔母は何か思い当たることがあるようだったが…
歴代の長男が十七歳になると変貌する理由は何か。調べてゆくうちに直樹にも魔の手が迫る。
小野不由美らしいじんわりとしたホラー。ラストはちょっとあっさりしているが、恐怖の正体がわからない中盤の怖さはなかなかで、霊に憑かれた少年の視点で心理を描いたところがよかった。
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「悪霊」シリーズから小野さんの作品に触れたので、登場人物の誰もが救われないような終わり方をしたことにモヤモヤするな、と感じました。
事件の原因になった彼女が浮かばれていませんよね。
そのへんも含めて、最後までどうなるかわからない、不気味な作品でした。
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主人公たちに降りかかって来る災厄から逃れる方法があるのか?災厄の根源を探り当てことが出来るのか?徐々に解き明かされていく。ジワジワと恐さが増していく。そんなホラー、ミステリーです。
母の姉の美紀子と従兄弟の隆の家に遊びに来た、兄の直樹と妹の典子。伯母たちが住む場所はまるで桃源郷。花々が咲き誇り、綺麗で直樹と典子が感動してしまうほど。私も読んでてそんな場所見てみたいと思ってしまう。でも私はあまりにも綺麗過ぎて、逆に何か不吉さを感じてしまった。何か悪い事が起こるだろうと。読み進めてくと、はじめは明るい感じなのに、やっぱりだんだんと不穏な空気が流れてくる。家中でピリピリしてた時に事件が起こる。あとは悪い方向にまっしぐら。何かとは言えないけど、"悪い気配"を感じるっていうのは恐いな。実体が近づいてくるのは目に見えるからまだいいと思うけど、"気配"というのは正体が分からない、見えないから不安と恐怖しかないな。この"悪い気配"に隆と直樹は呑まれてしまうのか…。
キーワードは"17歳"。母親たちの旧姓は菅田。菅田家の長男が"17歳"になる時に起こる謎。この"17歳"の謎を解いていくのが読んでて面白かったな。正直、前半の直樹と典子のやり取りがどうにも嫌だったんだけど、後半にこの謎解きが面白くて気になって気になってしょうがなかった。後半から面白くなった感じ。美紀子の息子への想いが切ない。1人で秘密を抱えて暮らしてたのは辛いな。
私は、隆の飼い猫の三代が好き。直樹と隆の守り神。老猫なんだけど、2人を守る姿は勇ましい。
Posted by ブクログ
2023.08.27
小野不由美さんのホラーは全部読んでいたと思っていたが、今までなぜかこれだけ読み逃していた。ので文庫が出たタイミングで購入。
恐ろしくはなかったが、さすがはホラーの名手。そしてミステリにも破綻がなく隙がない。