あらすじ
その路地にさしかかったとたん、ひどく嫌な気分がした。どういうこともない書店街の一郭。一見見落としそうな路地の突き当りに緑の扉、ハイツ・グリーンホームはあった。父親の再婚を機に、高校生の荒川浩志はひとり暮らしをすることになった。ハイツ・グリーンホーム、九号室──それは、近隣でも有名な幽霊アパートだった。引っ越した当日、からっぽのはずの郵便受けには、小さい丸い白いものがひとつ、入っていた。プラプラした手触りの、人形の首だった――。「出ていったほうがいいよ」不愉快な隣人の言葉の真意は? 幽霊を信じない浩志ですら感じる「ひどく嫌な気分」の正体とは? ラストまで一気読み必至の小野不由美の家ホラーの原点とも言える本格ホラー&ミステリー小説。解説・杉江松恋(ミステリー評論家・書評家)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
おいおい、ちょっと、待ってくれ…こりゃぁ、切ないじゃないか。
読み始めてから、「怖すぎる…しかも、主人公の青年、目の前に幽霊がいるのに、普通に冷静すぎない!?」と、思いつつ、ブルブル怖さの頂点までページを繰らせると…号泣だった。
Posted by ブクログ
ただのホラー小説じゃなかった。
途中の気持ち悪い怖さがすごく良かった。どうなるのか分からずハラハラした。
でもこの作品の面白さはそれだけじゃなかった。
正体に気づいた瞬間に泣きそうになった。
Posted by ブクログ
著 小野不由美
ホラーとしての恐怖感もさることながら取り憑かれた人間の怖さがすごい。殺されるかと思った。最後は泣きそうになった。純粋な心というか、優しさというか。その無垢な心が切ない。そしてホラー描写とのギャップが凄すぎる。
Posted by ブクログ
1990年の作品と感じるのは電話の描写や土曜日の学校の授業くらい。主人公の気持ちやストーリーは全く風化したところのない作品で楽しく読めました!
読後感がすごく良かった…怖さはありつつも優しく温かい気持ちになれる
ミステリーの部分もあり、伏線の回収がとても綺麗でした
切ない部分は多いけれど、和泉くんが大好きになった。
Posted by ブクログ
映像なしの文章のみで、ここまで恐怖を引き出せるとは。お見事。引き込まれて、2日で一気に読んでしまった。
「営繕かるかや」のように、家にまつわるホラーではあるが、「かるかや」が短編ゆえに比較的早く収まりがつくのに対し、「緑の我が家」は長編ゆえに、すぐに解決せず、じっくり追い詰められる分、より深く怖さに浸れる事ができた。
ホラーとしても一級品だと思ったが、それ以外にも、小学生の頃の描写のリアルさ(オサルというアダナ、「ヘンキョウ」と呼ばれる場所、誰かが「オサルはナマイキだ」と言い始めて無視を開始する、など)、この世ならざる世界の理屈、後味の悪くない終わり方なども、良かった。
最初に書かれたのが1990年らしく、若干の時代の古さ(携帯ではなく固定電話が出てくる所とか)はあるが、あまり大きな問題ではなかった。それよりも、35年経ってもなお、(多少加筆修正しているにしても)秀逸なホラー作品として読める事が凄い。
Posted by ブクログ
心にずっしりきた。
分かりやすい伏線が散りばめられていたおかげで、予想は大体合っていた。
落書きの少年は、怪談で聞いたことがあるところの、何か禍々しいものの集合体だったのだろう。
もし、私が同じ状況ならば、家族と折り合いが悪かろうが何だろうが絶対引っ越すな、と思った。が、浩志が引っ越さない理由は、そんなことが理由ではなく、必死に忘れようとして記憶から消していた「オサル」のことを、どうしても消し去れない彼のことを、ハイツ・グリーンホームに足を踏み入れた時点で何となく感じ取っていたのでは?(もしかしたらその前からかも)
心理的描写に長けていてさすが、小野先生だなと思う。
Posted by ブクログ
タイトルを読み返してなるほど、となりました。
思春期の主人公が抱えてる問題や一人暮らしのこと
思い出せなかった記憶、浩志はまだ高一と考えると
他人に攻撃的になってしまったり、
見たものの印象が変わっていたのもなんかわかる。
緑の我が家が、誰の家だったのかと考えると、
納得するし怖い。
終盤はドキドキしてしまいました。
小野不由美先生の描写がすごい……。
優しいお話だけど怖い。
黄色のチョークのラクガキがゾクゾクでした。
Posted by ブクログ
高校生でありながら一人暮らしをすることになった主人公の寂しさや心細さを思うだけでも胸が痛くなるのに、さらに怪異に脅かされるなんて。
負けないでと心の中でエールを送りながら読みました。
Posted by ブクログ
ホラーミステリー小説。
主人公が大体の登場人物に嫌悪感を抱いていたり、引っ越した家が何となく気に入らなかったりと不穏な空気を終始感じさせるが、最後にはスッキリとした読後感を与えてくれた良い小説だった。
Posted by ブクログ
小野不由美の初期の傑作。山奥の集落が舞台ではなく、街中のある一角が舞台の現代ホラー。浩志は父親と再婚相手への反発から家を飛び出して、一人暮らしを始める。郵便物への悪戯、無言電話が続き、「グリーンハイツ」のある場所自体への居心地の悪さが浩志を蝕んでいく。幼少期に浩志が住んでいた時、クラスメートへの陰惨ないじめに加担し、その住んでいた跡地がグリーンハイツだった。その場所で起こるのは心霊的な存在だけではなく、無言電話も恐怖を誘う。その場所は悪質なものの吹き溜まりになっているようだ。聡もその場所に囚われているのだろう。小野不由美の緻密な表現力と現代都市を舞台にしていることもそうだが、子供達の残忍な行為と感情も恐怖を誘う。
Posted by ブクログ
転勤族の父は母が死んだあとすぐ近所の女性と再婚。浩志は父と義母と一緒に住みたくなく、昔少し住んでいた街でグリーンホームというアパートに住む。グリーンホームでは浩志と同年代らしき謎の男・和泉など変な居住者ばかりなので居心地が良くない。突然階段に死体をチョークで描く謎の少年が現れて、その絵の通りに女性が死ぬ。あと5日だと電話が掛かってきたり、謎の手紙が投函されたりと浩志に呪いが⁈過去の記憶が蘇ってくると、前にこの街にいた時オサルといういじめられっ子を虐めており、神社に置いてきぼりにしたところ、オサルは夜誘拐犯に殺されてしまった。絵を描いて呪い殺す少年はオサルなのか…
我が家を求める浩志の気持ち、虐待されていたオサルは我が家で殺されていた。我が家に求める物もそれぞれで怖さもあり。
Posted by ブクログ
父の再婚を機に一人暮らしを始めた高校生・荒川浩志。
ハイツ・グリーンホームに越してきた所から物語は始まる。そこは、地元では有名な曰く付きの物件で、よく人が亡くなるという。薄気味悪い住人も多く、なんとなく馴染めない。無言電話、夜中に奇妙な落書きをする幼児、無記名の手紙…日に日にエスカレートする不気味な出来事の先で浩志を待っているものとは?
ちょうどいいボリューム感。
そう多くない駒をちょうどよく料理し、ちょうどいい所に着地できている。駒の数は変わらずに、いたずらに長編に仕立ててくる作品も少なくないが、引き算の美学とでも言おうか、過不足ないというのは意外と大事である。その塩梅を正確に捕捉できているのは、さすが小野不由美である。
日本の怪談的な控えめな怖さが目立つ前半。
気味の悪い事は多いが、物語が大きく動くことはない。それがどうだろう、大林の登場によって、いきなり動的な怖さに打って変わる。怖すぎて震える類の物ではないが、お作法に則ってちゃんと怖いという形式美を感じた。ホラー小説の教科書って、案外こんな感じかもしれない。
いじめっ子の言い逃れのようにも聞こえる。
確かに、オサルの死因に直接関係があるわけではない。でも、加害者の罪悪感を払拭してやるのはなんか違う。抱えてしまった罪悪感とは心中するしかないのではないか。特に、浩志からの又聞きでオサルの言葉を受け取り、スッキリしている金子はあまり好きになれなかった。飛行機を取り返した浩志を責めていないが、おまえのことはわからんぞとも思う。めでたしめでたしとは思わなかった。
Posted by ブクログ
【短評】
直感に従って手に取った小野不由美は、数々の名著を生み出すに至った彼女の初期作品とのことだ。1990年発表の作品であり、凡そ35年前という恐るべき隔世の書を引き当てたわけだが、十分に令和の読書に耐えうる一作だったと思う。
両親の元を飛び出した高校生・荒川浩志(あらかわひろし)は<ハイツ・グリーンホーム>に引っ越すこととなった。6号室の奇妙な少年・和泉聡(いずみさとる)は、初対面の浩志に「出ていったほうがいい」と告げる。それ以来、不気味な落書きをする男の子や頻発する無言電話など、気味の悪い出来事が頻発するようになりーー
良くも悪くも「ハートフルホラー」の見本のような作品である。
良く言えば王道的。悪く言えば類型的。
良点を挙げるならば、伏線の張り方、恐怖の描写等、丁寧に小説を組み上げているのが良く分かった。程なく才能が爆発する予感を感じさせる秀作だ。他方、正直、瑕疵が無いとは言えない作品ではある。文章のリズムはイマイチだったし、作者の意図よりワンテンポ早く「真相」に気付けたりもした。
しかしながら、作品の「余韻」は素晴らしいの一言。仰々しい感動に振らず、静かに美しく幕を下ろしたのが、凄く好みだった。
三点か四点か最後まで迷ったが、変調気味な作品ばかりを摂取してきた反動からか、本作のストレートな作風が結構刺さったので、四点評価とした。
【気に入った点】
●断片的に唸らされる描写があった。流石は小野不由美である。男の子の落書きとか、手紙の内容とかゾゾッと来るものがあった。
●飛行機というモチーフが良い。安易にお涙頂戴の別れに流されないところが良い。バランス感覚が凄いなと素直に思った。
【気になった点】
●専門的な指摘は出来ないが、内面描写における括弧の多用とか、文章にノイズめいた癖があるように感じた。
●もっとキャラクタの内面を掘り下げて欲しかった。浩志と両親の確執とか、物語に溶け込めていない感もあるし、「ある人物」の葛藤などは全面に押し出しても重厚感が出たのではないかと感じる。
才能の原石の輝きを楽しむ一冊。
ホラーとしても感動物としても一定の水準に達していることは間違いない。
Posted by ブクログ
初めて小野不由美先生の作品を読みました。
目の前に情景が浮かんできて、怖かったです!
30年以上も前の作品なのに色褪せない、恐怖と切なさを感じました。
Posted by ブクログ
ホラー要素とミステリー要素とジュブナイルとという感じで盛りだくさんなのにすっきりまとまっていて読みやすかった。壮大なホラーもいいけどこういうのもすき。
Posted by ブクログ
小野不由美さんの初期の作品。
30年以上前の作品だが、古臭く感じなかった。
物語の展開は正直なんとなく読めて、結構その通りになる。その辺は昔の作品だからか真新しさはないんだけど、この本の魅力は読後感かなあ。というか和泉くんかなあ。主人公にも感情移入できたけど、和泉くん大好きになったよ。
読後、胸が苦しくて切ない気持ちになりました。
でも読めて良かったです。
Posted by ブクログ
相変わらず、お化け!って出るんやなくて、えっ?あれが?みたいな…
そこが、また、気色悪い(−_−;)
母親が亡くなって、父親が再建、上手く溶け込めず、転勤が多いのを理由に一人暮らしを始める。高校生で。
しかし、引越し先に着いた時から、嫌な感じ。
無言電話…
変な手紙…
夜に落書きする子供…
まぁ、親との関係が上手くいってないから、再度引越しは言い難いかもしれんけど、言え!
怖いやん!言え!
親に引っ越したいって!
それで、全部解決やん!
行くとこないからって、幽霊出るとこ帰るか…
帰らんと話にならんとは言え。
自身の過去を振り返ると、小さい時に酷いことしたことが思いが…
それが、今、住んでいる場所に関係してそう。
ミステリー要素もあって、犯人は誰(まぁ、幽霊か人間かになるんやけど)か!
スイスイ読めて楽しめました!
でも、小さい時って、人を傷付ける事してるかもって思うと、自分もないか、自省しないと!
Posted by ブクログ
小野不由美は怖い。本当に怖い。
廊下にしゃがんで落書きする幼児。郵便ポストに投函される手紙。かかってくる無言電話。自分の身の回りにありそうな出来事が、繰り返し繰り返し起こる中で、徐々に徐々に変質して迫ってくる。怖い怖いと読んでいって、そして、帯にあるように、最後は切なくて泣いた。
Posted by ブクログ
子供の時の純粋な気持ちは怖い。
オサルへのいじめは、同調圧力で、一対一なら子供達は決していじめないだろう。
「皆」やってるからいい。
自分の子供のときの記憶もそうだけど、その圧力から逃れるのは厳しい。
だから主人公のやったことを責められる気はしない。
主人公はきっと、ずっと苦しくて、その思いでグリーンホームに来てしまったように思う。
そしてホラーな世界と現実世界での壮絶な体験を経て、その苦しみが消えていく。
全て終わった彼の目に写った現実は、とても柔らかく温かい。
主人公が一対一で向き合ったオサルとの思い出が、彼を救ってくれて良かった。
Posted by ブクログ
ホラーだけど、人外より人間が一番怖いってタイプのホラーですね。ちゃんと心霊現象起きまくるけど。うっかりお風呂で読んでいる時に浴室のシーンに差し掛かっちゃって怖かったけど。
すごいなあと思ったのは、主人公の残虐な部分、精神的に醜悪な部分をきちんと一人称で描いているところ。なんか、怖いけど、そういう気持ちも人間にはあるんだなあと感心してしまった。
泣ける系です。
Posted by ブクログ
再婚した親を嫌って一人暮らしを
始めた高校生がアパートで出遭う
亡霊たち
落書き、悪戯(いたずら)、お世辞にも感じが良いとはいえない住人たち、変な手紙、無言電話、予告電話‥‥
90年代、小野不由美は何度も何度も「此処ではない何処か」を描いた。何故か攻撃される人たちを描いてきた。「魔性の子」「東亰異聞」然りである。
簡単に殺される人間も
何故か生き残る人間も
「あの」世から不可解な
「この」世へ怪しき来り
「この」世は嫌いだ
「あの」世はこわい
その路地にさしかかったとたん
ぼくはひどく嫌な気分がした。
考える始めると
最後には必ず至る堂々巡り
(恨んでるよ)
(絶対に許さないからね)
「もっと強く、
生きたいと思わなきゃだめだよ
そうでなきゃ、取り込まれてしまう」
少年は、
緑の家の呪いから生還できるだろうか?
90年パンプキン文庫「グリーンホームの亡霊たち」を改題、加筆修正 講談社X文庫「新装版 緑の我が家」(2015)を加筆修正 角川文庫 2022年10月発行
Posted by ブクログ
小野不由美さんにハズレなし。
営繕シリーズも大好きなので、こちらもとても面白かった!
主人公が周りの人に当たりまくるところにちょっとイラっとしたけど、多感な高校生は仕方ない。
読後にこの本のイメージがガラッと変わる事請合い。
…しかしまぁ、よくこんな所に次々と…石碑か祠にした方が良いのでは…
Posted by ブクログ
前半の気持ち悪い怖さや不可解なミステリー要素でじっくり読ませておきながらの
中盤〜後半の死を匂わせる恐怖とか
えげつない描写をぶつけてくるのが怖かった
でも最後は泣けるし
怖さがあるからこそ少年たちの純粋な気持ちが
強調されて素敵!
Posted by ブクログ
16歳で一人暮らしをすることになった主人公が、新居に引っ越してきてから気持ち悪い出来事が相次ぐ。
ありがちな設定なんだけど、じわじわ怖くて不穏な感じがすごかった。ホラーミステリーなのに切なくて、読後は不思議な心境に。
自分だったら序盤の時点で投げ出して実家に帰ってしまいそう。
Posted by ブクログ
小野不由美の初期ホラー作品。
家に居場所が無く1人暮らしを始めた高校生が主人公。
家賃の安さに惹かれて内見もせずに選んだアパートはアパートの玄関に入った時から何とも言えない嫌悪を催すものがあった。
それでもここが新しい我が家だと思い、新生活を始めるが身辺に不気味な事が起こり始める。
ただ単に怖いだけでなく、次にどうなるのだろう?なぜこんな事が起きるのだろうと読書の好奇心を掻き立てるのが上手い。
長編ながら飽きずに読めた。
ホラー小説なのに最後は感動するという不思議。
Posted by ブクログ
ひとり暮らしをすることになった高校生・荒川浩志に起こる不気味な出来事を書いたホラー。
浩志にいやがらせをしているのは誰なのか?
誰が別の世界のものなのか?とミステリー要素もある。
徐々に過去の記憶を思い出して追い込まれていく浩志に、エスカレートするいやがらせが掛け合わさって、後半に向けてじわじわ不安が煽られるのが良い。
固定電話に1990年の時代を感じたけれど、それ以外に古さを感じることはなく、今読んでも楽しめる作品だった。
Posted by ブクログ
色がはいっるアパートやマンションは
確かに多い気がする。
『ハイツ・グリーンホーム』
じわじわと恐怖が押し寄せてくる。
ちょっとしたコト?でヒトって忘れないし
救われるんだなって思った。
Posted by ブクログ
結構あっさりとしてた。
中高生ぐらいの時だったら楽しめてただろうなという感じ。
前半で主人公がここに来ることになるまでの過程とか父親の結婚相手に対する複雑な感情とかが結構丁寧に語られているのに比べると後半の展開が雑に思えるし、いじめてたのに故人になるとさも大切だったように言うのはなんか主人公にもやもやしてしまった。性格と行動に一貫性がない主人公に感情移入できない。失ってから気付いて相手に思いが届くのはフィクションの中だけなので現実では対人関係後悔のないようにしなきゃな
でも90年代のにおいがするホラーは好きです
Posted by ブクログ
普段ホラー小説を読まないので新鮮な気持ちで読めた。
10人の不気味さとか、変な郵便物がお家に届くとか、ありきたりな部分もあるけど、
鳥居のところは誰も怖さを共感してくれなくて、そこに隠された病みが怖かった。
主人公はこれは人為的なホラーだって言っていたのは少し伏線で、大きな問題は人間だった。
和泉がすごく重要人物で、彼のおかげで隣人からその日の夜は襲われずに済んだり、家事の中逃げ切れることができたみたい。
ミステリーとしてもホラーとしてもいい感じの話だった。面白かった。