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両親と弟が鬼籍に入り、かつて花街だったという古い町並みにある町屋の実家に戻ってきた貴樹。貴樹が書斎として定めた部屋はかつて弟が使っていた部屋だった。何気なく、書棚に立てかけられた鏡をずらしてみると、柱と壁に深い隙間があった。そしてその向こうに芸妓のような三味線を抱えて座るはかなげな着物姿の人影が見えた。その女と弟の死には関係があるかもしれないと探すうちに、貴樹がその女を見ずにはいられなくなり――。(「芙蓉忌」より)他、「関守」「まつとし聞かば」「魂やどりて」「水の声」「まさくに」の全6篇を収録。2019年、第10回 山田風太郎賞最終候補作。解説・織守きょうや
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Posted by ブクログ
弐は読んでなかったんだな…参が出たのでまず弐を読んでからと思って購入。
相変わらずこわぁ…だった。これぞ日本の怪談!って感じ。旧い家にまつわる話なので自然とそうなるか。派手さはなく静かにヒタヒタと、でも疑いようもなく「そう」である(怪異である)。例えば閉めてた「はず」の襖が開いてるとか1人の時に気づくけど、え?嘘でしょ?勘違いだよね?で済まそうとするじゃない。そっから確信に変わるまで、なかなか他人には話せない、その段階がめちゃめちゃに怖い、孤独で。
子供の頃のおかしな記憶、大人になって理解するのはあるあるだと思うのだが、現実的にあり得ないから夢(あるいは捏造の記憶)だと思ってたのにリアルなんかい!ていうのも怖かった。
心のスキマ(喪黒福造か?笑)が怪異を見せる。と思っているんだけど今回は、違うものを自分の怪異としてみていたパターンもあって、面白いなぁと思った。これは心が見せたものか?それとも?ていう体ではなく、怪異があることを前提として、犯人をミスリードするような仕組みになっているの。これゴーストハントでもよく出てきた結末だったよね、原因を突き止めて怪異を止めた…かに見えたがラスボスは別にいた、みたいな。
それと、魂やどりて、についての織守きょうやさんの解説がよかった。「読者は怪異が起こる前から主人公の言動に不穏なものを感じている(意訳)」確かに!悪気はないのかもだけど自分1番で考える人で、およそ自責の念とか罪悪感とかなさそう…怪異に出会うこともなさそうなタイプ…って思っていたのに、容赦なかった笑 まぁそういう人でも、誰かに執着した時点でキッカケさえあれば怪異を呼びこむのかなぁ。などと。
それと家の人が首を吊った樹を家の柱にするあたり昔の人変なところデリカシーに欠けません?笑 まぁいろんなことがおおらかで、大雑把で、いい意味で適当だったのだろうとは思うけど。
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