新名智のレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    7つの短編集

    新進気鋭の作家たちによる現代のリアルを切り取る7つの物語。

    わかってるようでちゃんと理解していなかった
    「推し活」「VTuber」についての理解が深まりました

    どの作品も味わい深くオススメできるものばかりですが個人的には
    『あなたに見合う神さまを(佐原ひかり)』が一番心に刺さりました

    人を支配するもの、人の幸福を妨げるものはおしなべて暴力よ

    と語る権藤さんのカッコよさと、少しづつ勇気をもって言葉の暴力に立ち向かう主人公。。

    初めて著者・佐原ひかりさんを本作品で知りましたが他作品も追いかけてみます

    あと石田夏穂さん作品はほぼ全部読んでいますが短編向きなのかも、とも感じ

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    2025年11月10日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    角川ホラーアンソロジーの「堕ちる」です。
    コンセプトが割としっかりしている短編って「長編で読みたいなぁ」と思うことが良くある。
    同じシリーズのアンソロジーで「潰える」「慄く」では、短編だからこそできる潔さがあったけれど、「堕ちる」に収録されている作品は、後を引く感覚があった。その後の出来事、前日、話が飛んだ間には何があったのだろうかと。
    怖さで言えば「潰える」が1番だったけど、読後の感覚だと今作が1番だと言える。
    なお、以下に個人的なランキングを書きました。

    『怖さ』ランキング
    1位 潰える
    2位 慄く
    3位 堕ちる

    『読み応え』ランキング
    1位 慄く
    2位 堕ちる
    3位 潰える

    『コン

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    2025年11月04日
  • 霊感インテグレーション

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    「呪いは確かにあるのかもしれない、人が思う限り」
    死にたくても死ねない主人公はある事件に巻き込まれた事をきっかけにアプリケーションの開発会社で働く事になる。
    呪いとアプリケーションになんの関係が?と思うが社長が持ち込む案件はどれも曰く付きの案件で...

    SNSで起きる怪奇現象、見ると呪われる図、サーバールームの神社、ITの用語に絡んだ奇怪な事件に遭遇するも洞察力で解決をしていく主人公。
    そしてやがて何故社長がIT未経験の自分を雇ったのかその事実が明らかになる時その物語は反転をする。

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    2025年10月08日
  • あさとほ

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    あさとほ
    「ア・サ・ト・ホ」
    「ア・サ・ト・ー」
    どう発音するか。
    分岐。

    人生は物語。
    物語は嘘。
    人生は嘘?
    分岐。

    個人的に
    朝井リョウ著:何者
    の読み味はホラーなんだけれど、
    それと同じような体験ができた作品。

    指針、よすがが消えてなくなるような。
    立っている地平が偽物だったような。

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    2025年09月14日
  • 虚魚

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    ネタバレ

    総括すると流行を押さえた良質なホラーだった。
    あえてこう表現するが、エンタメ性と怪談への真摯な姿勢のバランス感覚が絶妙で読みやすかった。

    今時だな〜と感じたのは、美咲とカナちゃんのシスターフッド的な関係性が物語の大きな柱になっているところ。
    なんなら、人を殺せる怪談を探す女と自殺したい女って、ラノベみたいな導入だな、と思った。
    ところが読み進めると、怪談の調査には過去の事件記事やネットニュース、ひいては現地にも足を運んでおり、しっかりフィールドワークを行っているガチっぷり。本作はモキュメンタリーではないが、調査の過程で浮かび上がってくる怪異の数々は物語のリアリティを高めていく。
    怪異の源泉を

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    2025年08月28日
  • 霊感インテグレーション

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    淡々とした話かと思いきや、ラストの方で突然ハラハラドキドキ。ゾッとして、かなり楽しめました。
    これこのミスランクインあるんじゃないでしょうか。
    霊や呪いとしか思えない事象に、合理的な解を見つける。その解を知ることが呪いから解き放たれることに繋がるんじゃなかろうか。
    前向きなラスト、とても良かった。
    この登場人物たちで続編に期待!!

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    2025年07月22日
  • あさとほ

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    メタミステリー系の上位レトリックが含まれます。
    そのため、「なんかパンチがない」と物語を読んでいると思うのですが、途中まで読んで気付くことが出てくるでしょう。

    まったく、先が読めん。

    それもそのはず。この作品は、地味にずらしが連続する上に、節と節の間にトリックの開示が差し込まれるため、先入観が生まれます。そして、この先入観を生かさないずらしが効くことで、先が読めなくなるのです。

    ですが、冷静になってください。読者の方たちは、作品の主人公やヴィランの思考や結末が読めて当たり前ですが、読者同士、つまり、生身の人間の思考や顛末なんて、読めませんよね。行動の前後があったとしても、結果論から繋いで

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    2025年07月15日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    SNSで話題に上がっていたのをたまたま覚えていて書店の棚で目に入って購入。
    執筆陣が限られた枠の中に物語を詰め込んだ作品集。枠の中にピッタリと収まった物語の心地よさと怖さが良かった。

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    2025年04月09日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    まず読書への挑戦から始まったのは驚きこれもすごいトリックだった。密室のトリックも解けなかった。最後にもう一つ展開がびっくり返った。今までのはなに?という感じでおもしろかった

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    2025年03月06日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    物語の舞台や込み入った設定、どんでん返しの叙述トリック、登場人物の現実離れした歪んだ思考と自分にとっての好みの要素満載で星5つに相応しい作品だった。

    その上で、やっぱり十角館の殺人にはなり切れないと感じてしまう。
    霞を侮ったということに尽きるのだろうが、ちょっと穂継達の計画は杜撰過ぎる印象は否めない。
    そのあたり、より説得力があれば、もっと重厚感が増したと思う。
    叙述のネタばらしとして意識したであろうパンダの下りも、どうも狙い過ぎな感じがして、せっかくのカタルシスシーンがちょっとインパクトに欠けたような。
    フェアといえばフェアなのだが、ちょっとヒントが多過ぎて丸わかりだったのもあるかも??

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    2024年12月31日
  • 虚魚

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    不思議な魅力のある作品。なぜ、ホラー文庫でなく一般の文庫に入ったのかと思いましたが、小野不由美氏の解説にある理由なのかな。

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    2024年12月06日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ホラーアンソロジー。これもまた最強の布陣ですよねえ。
    やはり一番怖いのは三津田信三「湯の中の顔」。タイトルから連想した通り田中貢太郎「竈の中の顔」がモチーフなのですが、私としてはこっちの方が怖い! 下がっていく生首が想像するだけでぞぞっとしました。
    宮部みゆき「あなたを連れてゆく」、良いなあ。これ、この後の物語もぜひとも読みたいと思います。
    小池真理子「オンリー・ユー」、これは怖いというよりも切なくて、だけど素敵な物語だと感じました。孤独な主人公が幸せな家庭に惹かれるところが「夜顔」と似ているな、と思ったけど。「夜顔」ほど怖くなく、そして寂しく切ない結末です。
    内藤了「函」、芦花公園「月は空洞

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    2024年11月21日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    富山県の沖合に浮かぶ油夜島。この島にある外狩家の屋敷「雷龍楼」では2年前、密室で4人が命を落とす変死事件が起こった。事件で両親を失った中学生の外狩霞は、東京にいるいとこ・穂継の家へ身を寄せていたが、下校途中、何者かに誘拐される。霞に誘拐犯は、彼女を解放する条件となる「あるもの」を手に入れるため穂継が雷龍楼へ向かったと告げる。しかし穂継が到着した夜、殺人事件が発生。その状況は2年前と同じ密室状態で、穂継は殺人の疑いをかけられる。穂継が逮捕されると目的のものが手に入らないばかりか、警察に計画を知られてしまう。穂継の疑いを晴らしたければ協力しろ、と誘拐犯に迫られた霞は、「完全なる密室

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    2024年11月16日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    良かった!!賛否両論とか読み終わった人がキレてるとか聞いてどういうこと?って思ったけど、私は面白かったと思います。
    途中で誘拐犯達の狙いは薄々分かりつつ、このまま霞が推理できなかったなら二年前の殺人事件の真相は闇の中だね…って終わらせるのか!?(それは確かにみんな怒るぞ)ってヒヤヒヤしたけども、そこもちゃんと解決されてて良かったです。虐待描写から舌打ち、トイレに一人で入った時の描写とかが伏線だったのかぁと気づかされた時はやられたなと思いました。
    「悪魔みたいな子」って実の子に対して酷い親だなぁトリックは知らんけど動機にはなるなぁとぼんやり思ってたけど、二年前の事件の動機聞いたら親で一緒にいる時

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    2024年09月29日
  • 雷龍楼の殺人

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     2年前に密室で4人が変死した事件から2年後に悲劇の舞台である雷龍楼で起こる連続殺人と少女の誘拐事件、そして主人公と小説家の推理パートという3つの場面が繰り広げられ、何度も「えっえっ、待って、どういうことだ?」という驚きと密室のトリックが最後まで分からず夢中で読み終えた。一風変わったミステリーが読みたい人にお勧め。

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    2024年08月24日
  • きみはサイコロを振らない

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    ネタバレ

    かつて友人の死を経験し、「人生なんてしょせんはゲーム」だと過ごす高校生が同級生とその友人から呪いのゲーム探しに誘われ、いつの間にか呪われてしまっている、というお話(?)。

    呪いの原因はそこにあったのか、と読み返したくなりました。

    色々な種のゲーム内容、呪いの形、人間関係と散りばめられていて、呪いについての考察を妨げられるような紛らわされるようなステキな書かれ方をされているなぁ、と思いました。
    サイコロのミスリードとタイトルと。

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    2024年05月18日
  • きみはサイコロを振らない

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    ネタバレ

    呪いの謎が気になってあっという間に読み進めてしまった。人生なんてゲームみたいなもの。仕事もゲーム。人間関係だってゲーム。いかに要領よくクリアに向けて進めていくか。失敗したらやり直せばいい。そうやって考えたら、生きるのが楽になる。ミステリー面白い。
    •肝心じゃないものは、目に見えない。

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    2023年10月17日
  • 霊感インテグレーション

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    呪い・オカルトとITがこんなに親和性高いとはw
    オカルトってアナログっぽい雰囲気を出してるけど、
    ITって人間ぽさがないように見えるけど、
    どっちもやっぱり人間が動かしているものなんだなぁ
    サーバー神社のあたり、あるある~!ってなってた
    ITの話なのに人間くさいし、オカルトの話なのに最後はほっこりする、良い読書体験でした~(*´ω`*)

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    2025年11月14日
  • あさとほ

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    あ、よかったかも
    また主人公が謎にモテてるのが気になったけど(今回は女の子だけど、身に覚えのない僻みみたいなのがあったり)結局、気が弱めとか意思弱めなのがわたしとは違うから、映画と違って文章だとそこが目についちゃうんだろうな。なんか今回で納得した

    物語をどう捉えるか、人生や日々の選択の連なりをどう捉えるか、が軸になってて、その辺かなり共感した

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    2025年11月13日
  • 虚魚

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    最近ホラーとミステリーが合わさったものがとっても面白く感じいて…

    というわけで
    しばらく積まれていた本のなかから一冊

    思っていた話とは全く違っていたけど
    とっても面白く引きもまれた一冊

    人が亡くなる怪談をひたすらに求め
    本物かどうかを確認していく
    三咲とカナちゃん

    2人の関係性と少しづつ明かされていく
    後悔と罪悪感を背負った二人の過去

    絡まり合った怪談を紐解き始めた先に明かされる事実

    2人が過去の出来事をずっと引きずっていて
    不思議な関係性だったのが
    怪談を調べていく中で
    少しづつ変わっていくのが興味深かった

    怪談というちょいと私には怖さを感じるお話であっても
    なぜか人の気持ちを

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    2025年11月10日