新名智のレビュー一覧

  • 虚魚

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    面白くて一気に読めた。

    怪談師の三咲と同居人のカナちゃんは、それぞれの理由から、人が本当に死ぬ怪談を探している。
    ある日「釣ると死ぬ魚」の噂を聞き、その取材を始めるが・・・

    表紙絵に遠田志帆さんを起用し、帯に綾辻行人先生のコメントがあるので、「Another」のような超常現象系ホラーミステリーかと思ったが、怪談のルーツを追っていく形式で物語が進み、どちらかというと民俗学ミステリーに近いのかなと思った。

    怪談を追跡するにつれて、三咲とカナちゃんの心情の変化、心の成長も読み取れ、青春群像劇のようにも思える。

    最後の方の三咲のセリフに
    「偶然と呪いの違いって、本当はない気がする」というセリフ

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    2025年01月11日
  • 虚魚

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     『本当に死ぬ怪談』を探す怪談師の三咲と同居人のカナが『釣ると死ぬ魚』について取材するホラーミステリーで、形を変えて伝播する『釣ると死ぬ魚』の奇妙さや随所で挟まれる怪談の不気味さがありつつ人間の脆さ、身勝手さもしっかり描写されていて一気読みだった。ラストは…

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    2024年12月04日
  • 雷龍楼の殺人

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    ミステリーを真面目に読んだことがあまりなかったので新鮮。トリックってこういうのも有りなんだ?!とびっくりした。

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    2024年11月30日
  • 虚魚

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    この川を辿った先に虚ろを満たすなにかがあるのだろうか。

    すごく出来の良い長編怪談を読ませてもらって大満足です!
    ホラー×ミステリ、というより、ミステリの手法で書かれた怪談噺と呼びたい印象。川を辿って震源を探す設定がワクワクを誘い、あいだに入る各怪談も"らしく"て実話怪談好きとしても満たされる。
    怪談、登場人物が無駄なく繋がっていく気持ちよさはミステリの快感であり、このふたつのジャンルの相性の良さを再確認した。
    三咲とカナちゃんのキャラクターが特によく、幸せにはならなくても、この先も良い関係を結んでいけたらと願う。
    怪談語りするのも好きなので、作中で怪談シーンが来るとそこだ

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    2024年11月29日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    雷龍楼、印象は昭和初期の名家のお家騒動かなと。湖と海の違いはあれど犬神家の一族が真っ先に浮かびました。映像化されたら綺麗なんだろうな。ストーリーが進むごとに何かモヤモヤした感情を最後まで引っ張りました。
    にいには策士策に溺れましたね。色男だから感情移入出来ませんでしたが。
    アリアドネの声を読んでいたのか伏線バシバシ分かっちゃいました。でも面白かったですよ。

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    2024年09月13日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    今時のネット社会がテーマの短編集。

    七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。

    題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。

    個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。

    杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。

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    2024年09月04日
  • 雷龍楼の殺人

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    ネタバレ

    どうも読んでる途中で違和感があった。
    穂継が目的を達成できねば、人質である霞は殺されてしまうという危機的状況の中、何故か穂継と誰か(正体不明の女性)は2年前の事件についての考察をしている。時系列がズレているというオチなのだろうか?しかし、叙述トリックはないと最初に書かれているし…等と思いながら読んでいたら、そう来たか。予想できなかった。

    雷龍楼という少し変わった造りの屋敷で起こった殺人事件。事件が起きたときに犯人が隠れられるような場所はなく、関係者の中に加害者がいるという疑心暗鬼が募る。そんな状況で次の殺人が起きる。不可解だった最初の殺人に比べ、次の殺人は容疑者が絞られてきた…。
    ここまでは

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    2024年08月26日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    この現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
    SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。

    特に好きな話は、
    自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
    YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
    PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打た

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    2024年08月19日
  • 雷龍楼の殺人

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    楽しめました。
    最後のどんでん返しが驚き。
    怪異のある話が多めな印象のある作家さんですが、これは完全にミステリーでした。

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    2024年08月17日
  • 雷龍楼の殺人

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    設定がすごい密室殺人、すぐには行けない孤島、警察すぐには到着できない、病院にもすぐに行けないミステリーの定番を超えた最高傑作。監禁された所と殺人現場の孤島での同時進行の謎解きが面白い。ラストの意外な結末に驚愕してしまいました。

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    2024年07月08日
  • きみはサイコロを振らない

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    えっ普通に面白く読めたんだけど。
    ここの表かと俺の感覚合わないのかな?

    怪異の怖さみたいなとこにはあまり重点を置いてないというのは途中からわかったので、たいして怖くないというところはそんなに気にならなかった。
    呪いを解くホラーミステリという趣で、リングと同じようなもんだよね、と。
    呪いが当然に存在する世界観にも慣れてしまえば違和感はなく、遭遇する怪異の演出が控えめな分だけかえってリアリティーがある。
    呪いのルールの解析と切ない思い出や痛い過去のリンクも論理的で必然性があり、その辺とってつけたような、動機が説明できないお話とは異なる。ジュブナイルとして上出来。

    最後だけ唐突すぎるので、そこは

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    2024年07月05日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSが題材なだけあって「ありそう…」と怖さとふむふむが混同した読後感。

    笑ってよいのか怖がった方がよいのか…。
    さまざまな切り口のアンソロジーならではの楽しさもありました。

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    2024年06月17日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    画面の
    向こうに
    隠された

    秘密と嘘
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    仕事帰りの書店で見つけて購入しました。
    「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフがあるということで。

    7作品中、6作品が平成生まれの作家さん。
    時代感じます。笑
    昭和生まれの私…おののきました。笑

    「かわうそをかぶる/朝倉秋成」
    人気VTuberへ楽曲を提供していた音楽クリエイターが殺された。
    犯人は、VTuberの熱心なファン。
    自分はあてがわれた役を演じてるだけなのか。

    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    Tipshotというショート動画SN

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    2024年05月06日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    ⚫︎感想
    エンタメの短編集。全体を通して面白かった。
    石田夏穂さんの作品全部読みたい!という動機で読んだため、最初に読んだのは石田さんの「タイムシートを吹かせ」。石田ワールド全開、しかもちょっといい話で終わっていて良かった。レジェンドはレジェンドたる歴史を持っていた。
    「かわうそをかぶる」浅倉秋成さん。「六人の嘘つきな大学生」以来。若者を描くのが上手いんだな〜と思ったし、今作は女の子のVtuberが主人公なので器用さを感じた。本音と建前と本当の自分ってどこ?…怖くて、でも、こんな世界もあるのかなぁと思える、漫画みたいに画像が浮かんでくる作品だった。
    「まぶしさと悪意」大前粟生さん。TikTok

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    2024年05月14日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。

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    2024年04月15日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    浅倉秋成さん  かわうそをかぶる

    人気音楽クリエイターが殺された。その犯行動機は『VTuberを守るため』だった。主人公の女性に共感できる部分も沢山あり親近感が湧いた。 
    最後の展開に驚き、見返す面白さがあった。

    大前栗生さん  まぶしさと悪魔 
    動画がバズり、カリスマとなった女子高生の海荷は神と呼ばれ学校外からも人気があった。
    しかしそんな海荷がいきなり動画を撮るのをやめてしまった。やめた理由を問うために教師が動いた。動画の中のキャラづくりや誹謗中傷に疲れたためであった。しかしその原因を作った人が意外な人であった。

    新名智さん   霊感インテグレーション
    「幽霊からプッシュ通知が届く」

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    2024年03月23日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    注目作家のアンソロジー作品

    SNS、Vtuber、SNSによるバズり、マッチングアプリ、若手社員と再雇用者のネットリテラシーの差異
    今の自分達にとっては馴染み深いテーマでとても読みやすい作品だった
    もちろんアンソロジー作品なので好き嫌いは多少なりとも出てしまった。

    かわうそをかぶる
     どうしてこれほど心が壊れた少女を描けるのか読んでいて不思議な気持ちになる
     物語の展開がとても綺麗で短編と思えない読み応えがある
     ラストで伏線回収があるのもなんとも秋山先生らしい

    ヤリモク
     40代男性のマッチングアプリ事情
     妻子持ちの彼がやっている理由とは…
     こちらも伏線回収ものだが、一番個人的には

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    2024年03月22日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    嘘がテーマのアンソロジーであり、各作品で何が嘘に当たるのか?を考えながら面白く読めた。1つ目の『カワウソをかぶる』がインパクト強すぎる。あーこっちの人やったんかい!ただのASD(解離はあるかも?)かと思わせといて自分が気持ち良くなるためならどんな事でもやっちゃうサイコパス人格の居る解離性障害やったんかい!が痛快で(書き方が上手くてミスリードさせるからズルい!)、思わず最後の数ページを何度も読み返した。途中何度もあれ?って思わせつつ上手く気付かせないようにするのが作者の狙い通りやとすると凄いなと。その次の話がなんか面白くなくて途中やめそうになったけど、『ヤリモク』が途中早めにネタバレしたけど面白

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    2024年03月17日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!

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    2024年03月11日
  • きみはサイコロを振らない

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    呪いのホラー部分やミステリはだんだんと謎が解けていく感じが面白い。
    そして、友人関係の話の部分も少し切ない所もあったがよかった。

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    2023年09月03日