宮口幸治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ裁判傍聴に行く機会があり、少年が引き起こした凶悪事件の裁判も傍聴したことがこの本を読むきっかけでした。
結論から言うと、読んで良かったなと思います。新たな視点が得られました。特に印象に残ったのが、最後の方にある「犯罪者を納税者に」という題材のお話です。納税されるはずだった税金は、受刑者になると納税できない。h29年度で56,000人が収容されているので、単純計算で年間2,240億円の損失が出ている(加えて犯罪による被害額もあるので、よりとんでもない量の損失が出ている)という記述を見て、犯罪者を減らすことによる効果が治安以外にもあり、日本の国力の根幹に関わってくる深刻な問題なのだなと実感できました。だからこそ、非行少年を正しい道に導く。子供に関わるお仕事の方や、子供を育てる予定のある方など子供に関わる全ての人に読んで頂きたい本だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
■境界知能は人口の約14%。1億2317万人として約1700万人、実に7人に1人が該当するが、その存在が気づかれていない。
■内閣府の障害者白書(令和6年度)によると知的障害者は109.4万人で人口の0.9%。一方知的障害者理論的には約2%いるとされているので、半数以上が認定されていない。
■境界知能の子供は同じ年齢の子に比べて知的能力が役7〜8割程度とされている。
■通常、言語は3歳までに言語知識、話し言葉、聞き言葉の基本を獲得し、4歳には完全な言語として発達すると言われている。
■言語獲得のアプローチ
・行動論的アプローチ:模倣と強化により言語を習得
・統語論的アプローチ:子供は生まれつき言語獲得装置を持っている
・意味論的アプローチ:子供は伝えるための手段として言語を使用する
・語用論的アプローチ:子供は大人との相互関係の中でコミュニケーション能力を発達させる
いずれのアプローチにしても知的な障害があれば言語の発達に遅れが生じる。
■知的障害児を持つ保護者は、より教訓的で侵入的なスタイルで子どもとの相互関係を持とうとする傾向があると言われている。それが子供の主導性を阻害して子供を受容的にしてしまい、動機づけの発達を妨げてしまう。
■知的障害については、障害だけで反社会的行動を引き起こすといった直接的な因果関係は、今日まで認められていない。一方で反社会的行動を起こす対象となる人達には知的障害の割合は、一般人口における知的障害者の割合よりも高いことは様々な調査で明らかにされている。
■内田扶喜子らの報告
・知的障害者の犯罪は単純な様相であり警察に認知されやすい、自白しやすい
・被害弁償や反省の弁を言語化しにくい、本人の身元を引き受ける監督者がいない
・教育を受ける機会が限定的で雇用の機会も限定的。容易に失業し住居も不安定
・経済的に不安定になりがち
・社会的に孤立している
・自尊心が低く暗示を受けやすい
・他者から認められたい、集団においてステータスを手に入れたい状況で、反社会的な集団に入ると外的指向性の高さから行動の他律性が高まる
■子供は対人面・社会面では親や教師などモデルとなる人物を観察し模倣する(モデリング)ことで、適切な行動を学んでいくと言われている。
■境界知能の発生要因
遺伝的要因、出生前・出生時の環境要因、社会的要因が関与していると考えられている。
・遺伝的要因
一部の染色体異常が境界知能のリスクを高める可能性があるとされている
・出生前・出生時の環境要因
低出生体重や早産時は境界知能を発症するリスクが高い。妊娠中のアルコール・薬物摂取、母体の感染症など
・社会的要因
低所得家庭に生まれた子供は栄養不良や教育的刺激の欠如により境界知能のリスクが高まる
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Posted by ブクログ
凄い本だ…。
この本では、いわゆる境界知能の人たちとどう支え合い、生きていくのかということ以外にも大切なことが書かれていると感じました。
例えば、仕事などに忙しく時間に追われる人に対しての声かけ。私たちはそんな人たちを見ると「少し休んだら?」と声をかけてしまいます。しかし本書によると、『本当に休んでしまうと、更にその人が追い詰められる事態になる』というのです。そりゃそうだ、とも思いますが、いざそう言われるとグサリと胸に刺さります。昨今では"嫌なことからは逃げていい"という考えが一人歩きしているように感じます。しかし本当にその人の事を思うなら、そんな無責任なことは言えません。まずはその『忙しい』事態をどう乗り越えられる様にその人を支えるのか。極端から極端に行動しないように、あわいの中でどう生きていくのか。そういった事を考えさせられる本でした。お勧めです。 -
匿名
ネタバレ 購入済み大切なのは気づくこと
認知機能についてなど知らなかったことが多く、勉強になりました。褒める、話を聞くだけでは子どもは変わらない。根本的な解決が必要だと気づきました。
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Posted by ブクログ
このシリーズは全て読んだけれど、3作目のこれが一番良かった。
今までと比べると、非行少年に限らずターゲットとする人物像がぐっと広がった気がして、そこがすごく良かった。誰しも多少なりともある「歪み」がひどくなった先に、「犯罪」があるんだぞ、というメッセージを感じた。「まさか自分が犯罪なんて」と思うかもしれないが、ここに挙げられた「歪み」は誰にでも身に覚えがあるもので、決して他人事ではないという自戒を大事にしようと思った。
特に「第3章 身近にある歪み」で挙げられた「いい人をやめよう」「みんなと同じでなくていい」「やられたらやり返せ」などの、世間でよく言われるような言葉を都合よく真に受けていいのか、という警告にはとても強い意思と信念を感じた。