あらすじ
「おばあちゃんを悲しませたくないので殺そうと思いました」。非行少年の中には、時にとてつもない歪んだ考え方に基づいて行動してしまう者がいる。しかし、そうした少年でも「幸せになりたい」という思いは共通している。問題はその「幸せ」を求める方法が極めて歪んでいることであり、それは非行少年に限らないのだ。彼らの戦慄のロジック、そしてその歪みから脱却する方法を、豊富な臨床例と共に詳述する。
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Posted by ブクログ
このシリーズは全て読んだけれど、3作目のこれが一番良かった。
今までと比べると、非行少年に限らずターゲットとする人物像がぐっと広がった気がして、そこがすごく良かった。誰しも多少なりともある「歪み」がひどくなった先に、「犯罪」があるんだぞ、というメッセージを感じた。「まさか自分が犯罪なんて」と思うかもしれないが、ここに挙げられた「歪み」は誰にでも身に覚えがあるもので、決して他人事ではないという自戒を大事にしようと思った。
特に「第3章 身近にある歪み」で挙げられた「いい人をやめよう」「みんなと同じでなくていい」「やられたらやり返せ」などの、世間でよく言われるような言葉を都合よく真に受けていいのか、という警告にはとても強い意思と信念を感じた。
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認知の歪みについて書かれた本です。犯罪に繋がった極端な歪みの事例も載ってますが、本の大半は歪みの種類や身近な歪みについての事例や説明です。むしろ犯罪に繋がった事例よりも身近な事例の方が、よく見られるだけに恐ろしい気もします。このような「勘違い」や「思い込み」は誰にでもあるからこそ、自分にもあるんじゃないかな?と省みること、それに気づいてもっとこうしたら自分が楽になるんじゃないかな?と気づけることが大事なんだろうと思います。
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■自己愛性パーソナリティ障害
誇大性(空想または行動における)、賛美されたい欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
①自分が重要であるという誇大な感覚(業績や才能を誇張する、十分な業績がないにも関わらず優れていると認められることを期待する)
②限りない成功、権力、再起、美しさ、或いは理想的な愛の空想に囚われている。
③自分が「特別」であり、独特であり、他の特別な又は地位の高い人達(又は団体)だけ理解しうる、又は関係があるべきだと信じている。
④過剰な賛美を求める。
⑤特権意識(特別有利な取り計らい、又は自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する。)
⑥対人関係で相手を不当に利用する(すなわち、自分自身の目的を達成するために他人を利用する)。
⑦共感の欠如(他人の気持ち及び欲求を認識しようとしない、又はそれに気づこうとしない。)
⑧しばしば他人に嫉妬する、又は他人が自分に嫉妬していると思いこむ。
⑨尊大で傲慢な行動、又は態度
■教わるより誰かに教える、世話をされるより誰かの世話をする、助けられるより誰かを助ける、といったように、人は誰かの役に立てることに大きな喜びや幸せを感じる。
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本作品は、非行少年の実例を通して「歪んだ幸せ」(怒りの歪み・嫉妬の歪み・自己愛の歪み・所有物の歪み・判断の歪み)というテーマを紹介している。そして、これは非行少年に限らず、私たちの日常生活にも起こり得るものであることを示し、歪んだ幸せから距離を置くにはどうすればよいかを、「相手へのアプローチ」と「自分へのアプローチ」の二つの視点から解説していた。 今回の作品を通じて強く感じたのは、著者の代表作である『ケーキの切れない非行少年たち』の内容は、実は私たち自身にも共通する部分があるのだという点である。特に紹介されていた五つの歪みについては、自分にも思い当たる節があり、少しぞっとさせられた。しかし同時に、「マイナスの経験を通して自分を見直せ」という著者の主張と照らし合わせ、本作品を自分の教訓としていきたいとも思った。 また、他者を理解することが、自分が幸せを求めるうえでも大きなメリットになるのだと改めて気づかされた。 これまでのシリーズは「非行少年を知ること」に重きが置かれていたが、本作ではそれを実生活にどう活かせばよいのか、という自己啓発的な要素が強調されており、その点が興味深かった。次回作にもぜひ期待したい。
Posted by ブクログ
純粋に"幸せ"を求めた結果、"歪んだ幸せ"をつかむことになってしまった。それは犯罪や迷惑行為など千差万別であるが、なぜそうなってしまったのかはその人には分からない。
そんな歪みが起こってしまった原因とは一体何なのか。その原因と具体例、解決法が書かれている。話も明瞭でかつ解決法も面白かったです。歪んだ幸せから自分を遠ざける方法とは...。是非読んでみてください。
Posted by ブクログ
自分の愛し方の癖を客観的に見れる本
みんな幸せになりたいと最初読んだ時はとても納得した。人は幸せになりたくて酷いことをしちゃったりする。自分のどこかしら歪んだ愛情を知って行くことは自分が気持ちよく生きるために必要なんじゃないかな。自分と重なる例が多くて自分の癖が見えた。ためになった。定期的に読んで自分を見つめ直したくなった
Posted by ブクログ
前著までと比べるとインパクトが少ない。話が堂々巡りで著者の引き出しがもう尽きているのでは?と感じた。または自分の視点がすでに広がったものになっていたから、かもしれないが。
Posted by ブクログ
根っこに幸せを求めている気持ちと解釈と判断と行動をみていけばよくわかるのかもしれない。
少年たちはあまりにも突飛な行動すぎて、どうして!?となったが、わかる部分もあった。
特に可愛がっていた後輩からの悪口や、子供に料理をつくったが食べなかったことで、否定された気分になり、虐待をしてしまった親など、湧いてしまう気持ちがわかる部分はあった。
個人的にはもう少し、ではどういう考え方をすればいいか、通常の認知ではどんな捉え方をするかなど詳しく書いてほしかった。スティーブンキングみたいに。
そしたらもっと自分の認知の視野が広がったかもしれない。
結局のところといってはあれだけど、最終的にはやはり今できることをやる、辛くなったら距離を取るとか相談するとか休むとか、人は簡単には変わらないのならどう包括しつつ付き合っていくか、うつなどの病と同じ。自分がどうなのかとかをわかっていくしかない。ということがわかった本だった。
地道に数えていくことにしたい。
Posted by ブクログ
非行少年にフォーカスされているが、程度の差はあれど、どんな人にも当てはまるし、実際に歪んだ幸せを求めている人から実際に不利益を被ったこともあるし、きっとその逆も然りなのだろうと思うと、特に想像力を働かせるのは大事なんじゃないかなぁと思った。
(そしてこのシリーズはとても読みやすい。)
Posted by ブクログ
認知の歪みについては学んだことがあります
その歪みを正すことができることも学びました
幸せとはなんなのか?
私は結構簡単なことで幸せを感じることができるけれど、そうもいかない人もいるのでしょう
幸せは追い求めるものじゃない
私はそう思っています
Posted by ブクログ
大人気シリーズ3作目。今作は多くの人に当てはまるであろう、身近にいる人の話かな。思考や思いなど様々な歪みは結果、自分も他者も不幸にする。自分にはどんな歪みがあるかなー…と考えながら読んでいた。
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何かにムカついたり怒ったりする時、相手側のストーリーを予想してみるのは大事やなと思った。幸せになりたいっていう気持ちはみんな同じやのに、そこから起こす行動はほんまに人それぞれ
Posted by ブクログ
人気シリーズ3作目。漫画化もされているから反響も大きいシリーズなのだろう。
本書紹介にもある身内を悲しませたくないが為に相手を殺すという考えは行動という結果だけ見ると突飛に見える。ターミネーターが人を探すのに一々人を殺すみたいに選択肢が無いのもその一因と思われる。
犯罪者で頭の弱い奴の話なぞ自分には関係ない!…と考える御仁もいるかもしれないが、昨今のSNSでの争いを見るに自分もそうなっているかもしれないと危惧してしまう。
Posted by ブクログ
3冊目ともなるとインパクトは薄れる。「認知の歪み」という言葉はだいぶ知られるようになったと思うけれど、もう少し具体的な考え方や感じ方の歪みについて書かれている。
Posted by ブクログ
2よりも読みやすく感じた
判断の歪みはその人のあり様や
状況によって そして時間の経過でも
変わってくる
それによって下した判断や実行した
結果が重大なことになる場合がある
これのコントロールは難しい
なかでもフランクルの
しあわせは目標ではなく結果にすぎないは意味深い
そうよね人生マイナスが多いけど
プラスも時々あって
なんとか生きていける
Posted by ブクログ
歪んだ幸せについて、参考になった。
相手のストーリーを知れば、楽になる。こういう人なんだと一歩下がって見ることで、その人と向き合うと上手くいく。受容力がある人ってそういう視点が持てるってことなんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
人間の行動や人間関係の歪みを怒りや嫉妬、愛情や欲求等に分けてそれぞれのファクターごとに具体的な例示をして、合理的に解析しており内容は分かりやすいが、既存の論証の焼き直し感があり、目新しい発見はなかった。しかし人間の行動や判断の歪みを客観的に分かりやすく分析しており、行動を見つめ直すきっかけになりえた。
Posted by ブクログ
ケーキ切れるし…自分には関係のないことだと思ってました。
でも…ふっと、手にとって読んだところ…これは誰にでも当てはまることなのでは?と感じました。
歪んだ幸せの認知のまま行動をすることは、誰にでもあり得ることだと思いました。
よい学びになりました!!
Posted by ブクログ
書店で存在に気づいていたが、今回手に取って読んでみた。
今回は「人は誰も幸せになりたい」という前提に立ちながら、考え方の歪みから誤った行動に走ってしまう人達や、そのような考えを持たないための対処について述べている。200ページに満たないが、相変わらず事例豊富で興味深く読んだ。
3章で取り上げられた、気を付けたい言葉が個人的に印象に残っている。ともすると自分も使ってしまいそうだが、それが認知を歪めかねないのだと感じた。
Posted by ブクログ
例えば非行の裏に、感情、思考、認知機能の問題があるとしていてなるほどと。ただ、なんでそういう思考になるのかが問題な気がする。我慢できる人はそりゃそうだの内容だし、やっちゃう人この本の様な分析は出来ないだろうから、ただただ格差がある気がする。
Posted by ブクログ
「非行少年」シリーズの第三弾です。
一弾目は境界知能の存在とIQテストの話と、認知能力や実行能力の欠如とそれを埋めるための取り組みの話、二弾目は一弾目への補足となるような境界知能についての補足の話でした(記憶のため、後でまた訂正します)。
今回は「認知の歪み」をテーマにしていて、「世の中に起こるあらゆるトラブルは、認知の歪みから起こっている」という話です。自分の思う正しさを実行したところで、あらぬフィードバック(反応)が返ってくるのは、認知そのものが歪んでいるということです。
心理学でいうABC理論の話を、「歪み」と表現していてるのでしょう。精神科領域ではこれに対して「認知行動療法」がありますが、そのような専門的な話も無し。一般向けの本です。
正直なところ、非行少年のエピソードも前作までと比較して減った印象があり、ネタ切れといえばネタ切れなのでしょう。
個人的には、「歪み」は誰にでもあるわけで、犯罪や軽犯罪に到達するには、「歪み」が強い方向性に醸成されるための機序が存在すると考えます(環境もしくは先天性の気質)。専門家として、そこを深く追及して欲しかったです。
Posted by ブクログ
誰もが幸せになりたいが、そのやり方に思い込みや勘違いやすれ違いがある。
理屈は分かったが、もし出くわしたら損しかしない、ということもよく分かった。
素人が説得や矯正なんて無理、逃げるしかないやん…
Posted by ブクログ
ケーキの切れない非行少年たちのシリーズ第3弾「歪んだ幸せを求める人たち」
幸せを求めて不幸を招く人…
自分の身勝手な行動や歪んだ考えで他人を不幸にしてしまう人たちの恐るべき事実が描かれていました。"◯◯でなければいけない" "◯◯であるべきだ"という固定概念も、場合によっては人を不幸にしてしまう。
色々と考えさせられる1冊でした。
Posted by ブクログ
人には幸せを妨げる5つの歪みは①怒りの歪み②嫉妬の歪み③自己愛の歪み④所有欲の歪み⑤判断の歪み、であると書かれています。
この①~⑤は誰しもが抱えがちな身近な歪みもあり、行き過ぎると表題のような行き過ぎた非行や犯罪を引き起こす歪みになるというロジカルです。
頑張れない人がいることを知る、頑張れば上手くいくという方程式が全ての人に当てはまらないことを知ることから始め、まずは自分の歪みのストーリー(何に怒りや嫉妬を感じるのかなど)を見直すことで、相手(お互い)のストーリーを知るプロセスが大切だと分かりました。