あらすじ
児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
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講義で教われないこと
教員をしています。この本で書かれていることを知らずに過ごすことで、どれほどたくさんの子どもたちのSOSを見逃してきたのかと思うと、より学んでいかなければならないと身に染みました。
多く教育者に読んでもらいたい
困っている子どもは見つかる。
本人は何に困っているかわからない。
でもその困り感を取り除いてあげることで楽に生きることができるだろう。
最後に書いてあったように、まずそれを担うのは間違いなく学校。
非行を犯し、少年院で反省する前にできることがある。
教育や学習の力を信じたくなりました。
Posted by ブクログ
大学生時代からの積読のひとつ、やっと消化できたぞ〜
小2から違和感として出てくるけど、その事情ひとつひとつが些細な違和感として処理され、いつの間にか犯罪者になっていく、ケアの必要性を気づくのは学校や家族に委ねられているけど、それがそれとして機能していないのだから(するわけが無い要素もでかいと思う)、なんだかな〜という気持ち、
また、他人からの視線(鏡)の有意義性、他人の視線をきっかけに自身を見直すことができるようになる、興味深いな、と、
Posted by ブクログ
マンガは読んだことがあったが、書籍は初動。
ケーキ3等分の話を最初に聞いたときは、とても驚いたのを覚えている。
認知機能を向上させる具体的なトレーニングのやり方や、褒める・話を聞く対応では不十分であることへの言及等、改めてなるほどと思う内容も多かった
Posted by ブクログ
これはもっと早いうちから読んでおけばよかった。ケーキが切れない非行少年のインパクトが強くてネタとして使われがちだが、実際に読んでみるとネタになんて出来なくなりますね。実際にそうして出来ないことを馬鹿にされていじめられ、学校などで生きづらくなり非行に走るようになってしまった子供たちもいるわけで。単に問題提起するだけではなく、具体的なトレーニングなどの根本的かつ具体的な解決方法も提示されているのが良かったです。
Posted by ブクログ
非行少年の中には境界知能の子であったり、認知機能に問題がある(福祉が介入すべき障害がある)、ということがテーマの本だったんだけど、少年犯罪という社会問題に限らず参考になるので色んな人が読めばいいと思った。
例えば(私自身もそうなんだけど)子育て中の人、
仕事で部下を育てたりマネジメントしている人も参考になると思う。
なぜこの人(子)は大多数の人たちができることもできないのか?
なぜこの人(子)はこんな行動をするのか?
本人のやる気や親/上司の関わり方ではなく、本人のやる気の問題でもなく、認知機能に問題があるのかも?と思ったら対応方法は変わってくる。
コグトレは非行少年のトレーニング用のプログラムだけど子育てにも応用できそうだなと思う。
特に感情のペットボトルのトレーニングなんて、自分の子にやってあげたいなーと思った。
社会的なことをいうなら、著者が言っていたように義務教育の中で認知機能の確認や必要なトレーニング、福祉介入の機会が必要な子たちへのサポートをぜひ組み入れてほしいなあ。
Posted by ブクログ
認知が歪んでいる少年たち。子供と関わるときの参考にしたい。
これを踏まえて他の文献を読んだりするのに最適な一冊だと思った。
コグトレについての本も手に取ってみたい。
Posted by ブクログ
ケーキの切れない非行少年たち
2025.10.22
大学で現代社会と人権の講義をうけ、この本の存在を思い出した。
講義内でも『3等分せよ』と先生が投げかけて、結構色々な答えがあった。ある程度同じぐらいの学力を持つ集団内でさえそれはないだろ〜と思ってしまうようなものもあって、本当に人それぞれ世界の見方は違うと実感。この話は非行少年に限らず、誰にでも当てはまるものだ。またバックグラウンドがどの程度私たちの価値観に影響を与えるのか気になる。
ひとはだれでも置かれた環境では頑張っているという話があるが、頑張る方向が正しく認められないだけで非行少年も頑張っているのだろう。
偏見や価値観とどのように向き合っていくべきなのかなにが正しくてなにが違うのか、それを誰が決めるのかよくわからなくなってしまった。
Posted by ブクログ
小耳に挟んで読んでみた。そもそも論見えている世界が違う可能性を聞いた時は度肝を抜かれた。自分にとって当たり前に見えていた世界や価値観が彼らにとっては当たり前じゃないのかもしれない。特に認知的段階での違いとなると外部からのアプローチや気付きがしにくかったり遅れたりすることもあるだろうし、教育現場での把握や対応にも限界はあるだろう。だからこそ、そのバランスや線引きが非常に難しく感じた。何がいいのか正直答えは出ないが、少し考えの幅が広がったと思う。
Posted by ブクログ
レビューを書き損ねていたので、今覚えてることのみメモ。
適切な支援を受けられずに困っている子どもたちは本当に山ほどいると思う。その親も然り。その先生も然り。国はもっと教育に予算をかけて、一人一人の子どもに合ったプログラムを提供すべき。現場の教師の裁量に頼るのはいい加減にやめてほしい。全国一斉学力テストをやめたら毎年約35億捻出できる。一人一人が輝く、とまではいかなくても、普通に暮らしていけるように、義務教育のあり方をみんなで見直していけたらと切に思う。そのために尽力されている作者に尊敬の意味を込めて星5です。
感想ですが
28歳、おそらく境界です。。
辛さの集約でした
これからどうしたらいいんだ…?
こんなに沢山の人が買って
読んでいるのは自分と同じような人たちなのだろうか??
Posted by ブクログ
著者に好感が持てる 言葉の選び方、話題の選び方、熱意を感じさせながらも、その熱意含めた感情の扱いを心得ているような文体だと感じました。
「犯罪者」である患者たちへ、だから駄目だとか、または反対に許してやれと訴えるのではなく、「本人が努力や特訓をしなければならないが、努力をするためのきっかけを与えなければならない」とする姿勢に共感します。
また、明確に説明はされていませんが、言葉の端々から見れる著者の「犯罪というものの認識」が、「被害者を生んでしまった」ことに終始していることが好ましいです。「犯罪行為は悪」とも、「犯罪者の精神は悪」とも言っていません。その考え方は、個人的には新鮮で、感銘を受けました。
事実として
自分にはあたりまえのことでも、
人によっては当たり前ではないということ。
ケーキを人数に切り分けるだけのことなんて
特別な訓練をしなくても当たり前にできるようになることだと、
大抵の人は思ってしまうが
現実として、それができないどころか
等分にわけるということも思いつかない人々がいて
そこには、善悪以前の課題があるということを
思い知らされた。
Posted by ブクログ
「ケーキの切れない非行少年たち」は、少年院に入っている子どもたちの多くが、認知機能に問題を抱えているという衝撃的な事実を明らかにした本である。著者の宮口幸治氏は、児童精神科医として長年、少年院で子どもたちと向き合ってきた経験から、この事実に気づいたという。
本書で紹介される子どもたちは、ケーキを均等に切ることができなかったり、簡単な計算ができなかったりと、日常生活を送る上で必要な基本的な能力に欠けている。しかし、彼らは決して知的障害者ではない。むしろ、平均以上の知能を持っているケースも少なくない。
では、なぜ彼らはこのような問題を抱えているのだろうか。宮口氏は、その原因を「認知機能の偏り」にあると指摘する。彼らは、特定の能力は高いものの、他の能力が極端に低いというアンバランスな状態にあるため、社会生活を送る上で様々な困難に直面してしまうのだ。
この認知機能の偏りは、幼少期の虐待やネグレクト、発達障害などが原因となることが多い。また、貧困や家庭環境の悪さも、彼らの認知機能の発達に悪影響を与える。
宮口氏は、このような子どもたちを支援するためには、早期からの適切な教育と支援が不可欠だと訴える。彼らの認知機能の偏りを理解し、一人ひとりに合った方法で能力を伸ばしていくことが、彼らが社会の中で自立し、再び犯罪に手を染めることのないようにするために必要なのだ。
本書は、非行少年たちの実態を明らかにし、社会に警鐘を鳴らす一冊である。彼らが抱える問題は、決して他人事ではない。私たち一人ひとりが、彼らの存在を知り、理解を深め、支援していくことが求められている。
Posted by ブクログ
IQが基準値でも、他の箇所に問題があるかもしれない。そういう子たちは気づかれない。「知能は正常」と判断されるので、反社会的な態度を取ると「怠けている」「性格が悪い」と言われてしまう。そういう子たちにはただ厳しくするのではなく適切な方法で寄り添うのが大切だ。
自分の子供や周りの人がそうだった時、この本はきっと役に立つと思う。
Posted by ブクログ
やはり学校教育の場も、1教育課程だけのなんたるだけでなく、もっと各所随所専門家たちで、常にupdate取り入れ目指さなきゃ、…っていうのが、この日本の未来にとってすごく大切なことな気がする。
Posted by ブクログ
さまざまな犯罪を犯すような少年たちはただの非行少年ではなくなんらかの障害をもち適切な教育や福祉を受けれていないんだなと。発達障害や知的障害はわかりやすければすぐに発見されるがいわゆる境界性の人たちは健常者として扱われ苦しい生活を送りそれが非行へとつながっているらしい。
適切な教育を与えれば犯罪は減らせるんだろうけど教師たちの負担が大変そう。本編で非行少年たちの特徴が挙げられていてなんか自分に当てはまるやんとか思ったけど程度が全然違うんだろな。見たり、聞いたり、想像したり、記憶したりと認知機能の低下が重要らしい。
Posted by ブクログ
話題なったのは少し前だけど読んでおいてよかった。
自分が属している社会にはいない人が存在するということ。それを認めるとか認めないとかの以前に、存在するという事実を知るかどうかで、さまざまな社会ニュースの見方が変わると思った。
Posted by ブクログ
そうなのか!と気づきのある内容でした。
自身には思春期の女の子がいて、犯罪からどう守るかを考えることが多いですが、加害者になってしまう可能性のある人のことも知れました。
かと言って、仮の話として、もし、私たちの娘が被害者になることがあれば、どんな理由があっても加害者を許すことはないでしょう。
そのような負の連鎖が起こらないように、多くの日本人、特に子どもの関わる人、教育のやり方を考える人には読んでもらいたい本だと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルからもっとアグレッシブな内容を想像していたが、実際には「境界知能」とされる人たちへの支援のあり方を問いかける一冊だった。
著者は、当事者やその家族が直面する困難、社会制度の隙間、そして支援が必要なのに届かない現状などを、丁寧に掘り下げている。
昨今話題のみいちゃんと山田さんが扱っているテーマとも近く、読んでいて胸が締めつけられる思いもあったが、それでもこうした現実を知ることは私たち全員に必要だと感じた。
弱い立場の人々が置かれている状況や支援の不十分さに光を当て、社会全体で考えるきっかけを与えてくれる本だと思う。
Posted by ブクログ
児童精神科医としての病院勤務を経て、少年院で法務技官となり、現在大学の先生となった筆者の仕事ぶりがわかる書籍。医師であり法務技官であったからこそ出てきた結論が書かれている。
少年院に送られてきた子どもたちにはどんな特性があるのか、そこに焦点を当てて対応策を考えないと、出所後も彼らの人生における困難は変わらない。対人スキルの問題も理解力の問題も、知的境界領域にある子どもたちゆえの特性とわかれば対応の仕方も変わってくるのだろうが、彼らの場合は、彼らの特性に気づける大人がいなかったから少年院に来るようなことになってしまったと筆者は言う。
主張は明確で繰り返されているので読みやすいが、終始同じ主張が繰り返されている感もある。
新しい考え方に出会えた書籍
犯罪自体は良くない事で、判断能力に欠けておりなどニュースで聞くと、そうは言ってももし被害者家族だとしたら、許せるわけが無いと言う考えでした。
基本的には変わりませんが、
この書籍を読んで、自分たちのあたりまえの感覚を
もてない、知能だったり、そうなっている環境、
また、脳との関係、これを知っているかどうかで
自分の価値観が少し変わると思いました。
この本を読んでから少年犯罪がニュースで報道されると、何故こんなことをしたのだろう・・という疑問プラスもしかしたらこの本の内容に
書かれている少年少女のような感じなのかもしれないといった考えを持ちながら報道を捉えるようになった。
子供の頃から周囲の大人の気づきや対応次第で差が生まれるのかもしれない。すごくすごく難しい問題。読んで良かった。
子どもを持つ前に読めて良かった
漫画版の第1巻を読んだ後、購入しました。読書が苦手な方に漫画版、とてもおすすめです。
過去を振り返って、知らず知らずに見過ごしてきた発達障害、発達遅延、知的障害の人達もいるのだろうと思いながら読みました。将来自分に子供ができたら、そしてもしその子が何らかの障害があったら、どうやって育てていくべきなのか、考えさせられる書籍でした。
目に見えづらく、目を逸らしがちな、しかし向き合うべき少年達と彼らに関わる人々の苦悩をご自身の経験からわかりやすく説明してくれている筆者の方に感謝いたします。
Posted by ブクログ
1時間程で十分読み切れる本であった。
非行少年たちの中には知的にハンディを持った少年がたくさんおり、彼らに彼らの罪を反省させるためには、そもそも彼らが罪を理解しているかどう認知しているかについて知る必要がある。
簡単な足し算や引き算の計算すらできず、認知が歪んでいる少年たちが自分の犯した罪について長々と説教くらったところで右から左に聞き流しているようなものであり、話の一部を理解できているかすら怪しい。
表現の幅が狭く自らの感情を思い通りに表現できずすべてを「イライラする」でまとめてしまうあたりにリアリティーを感じた。
これらの現状を打破するためには幼年期からの支援、つまり学校教育での支援が欠かせないことが明らかである。
現在の学校教育では、カリキュラムのほとんどが勉強のことであり社会に出てから必要とされる「社会性」を身に付けるための授業はほとんどない。
それでは本当に支援を必要とする子供たちは社会性を身に付けることもできずいじめにあったり、上手くコミュニケーションができないことで困るのは自明である。
筆者の著作であるコグトレや認知機能を向上させるトレーニングを積むことによって非行少年を減らすことができるかもしれない。
また、現在、刑務所に入る受刑者を1人養うのに年間約3,000,000円かかると言う試算があるらしい。
もしその受刑者の中の1人でも健全な納税者に変えられたなら、大きな経済効果がある事は明らかであると言うことだ。
平均的な勤労者の場合は消費税なども考慮しておおざっぱに計算すると、一人当たり年間約1,000,000円程度の納税が行われていると言うことらしく、1人の受刑者を納税者に変えれば、およそ4,000,000円の経済効果になると言うことである。
日本の国力を回復させるためにも、受刑者を納税者に変え、必要とする人たちへの早期の支援を充実させることがこれから必要になると考えられる。
多くの人が興味を持つようなトピックを選んでいるように感じられたので普段新書は読まないと言う人でも気軽に読めると思います。
Posted by ブクログ
普段関わり得ない世界を知った 話題書ということで読んでみたが、子供もいないし、さらには非行少年と関わることのない生活を送っている自分からすると、全く知らなかった世界を知ることができた。
少年による犯罪のニュースを見ると、単に嫌悪感を抱いていただけだったが、本人も苦しんでいること、救おうにも救い方がわからないことがあるようだ。
きつい言葉で言うと、先天性のどうしようもない精神疾患かと思っていたが、学習によって改善ができるのならば、是非知見が広まるといいと思った。
Posted by ブクログ
学力試験や知能検査だけでは認知機能の弱さは見抜けず、一度「問題ない」と判断されると、本人や親の責任とされてしまう。しかし実際には、認知機能の低さなどを背景に学校からドロップアウトし、非行や犯罪を経て少年院に至るケースも少なくない。さらに、認知行動療法は一定の認知力を前提とするため十分に効果が出にくく、教育・医療・更生の支援がかみ合わないというミスマッチが生じている。
貧困との関連は本書では扱われていないものの、脳機能の弱さが学習や就労を阻害し、それが貧困につながるという負のループも指摘されている。こうした背景を踏まえると、脳の可塑性を生かした支援や訓練の確立を期待したくなる。
Posted by ブクログ
非行少年は認知機能に問題があり、そこへのアプローチが必要だという趣旨の内容。とても読みやすい本。
一つ反論したい点は、学校教育現場は、認知機能に問題がある生徒を気づいていないという点だ。正直教員は認知機能に問題がある生徒だと気づいている。しかしそこへアプローチする手段や時間もない。保護者の方も自分の子供を障害者扱いするなと言い、対応が難しいのが現状なのではないかと感じた。
一方認知機能トレーニングの向上をもっと教育現場でできたらなとか、トレーニング方法をもっと沢山知りたいなと感じさせられる本だった。
Posted by ブクログ
結局、子供勉強できるかできないかで幸福度が大きく変わる。グレる子供のほとんどが勉強できない。勉強できないと、学校行ったって楽しくないもんね。
でもそれが知的な障害ならば周りの大人が早い段階で気が付いてあげて、適切な施設で成長させてあげて欲しい。
それしか言えない。
Posted by ブクログ
認知の歪み、境界知能の関係があると。
本書の中にあるケーキの切り方なんて顕著に現れているよね。
恐らく本人も何かしらの違和感なりを感じているはず。
今でこそ発達障害など世間の認知も広がってきたけど。
やっぱり周囲の環境は大事よね、と。気付いてもらえたり、適切な対処が受けれたりしないと、ね。
Posted by ブクログ
簡単な計算ができない、読解能力がない、計画性がない。少年犯罪者の中には、こうした脳の認知機能に欠落のある子どもが多いということは理解できた。認知機能トレーニングにより脳機能の障害を克服するという活動は素晴らしい。ただ、それを普通の学校へ求めるのはあまりにも負担が大きいのではないかと思う。
なぜやったのか?どうすれば防げるのか?という著者の問いかけに対して、まず最初に浮かぶのは家庭環境の見直しと改善。変わろうと思った少年たちの実際の声を見ると、家族からの承認や愛情に飢えていることがわかる。「先生は僕のことを真剣に考えてくれる」「先生から信頼されていると気がついた」「先生を裏切りたくない」等。
著者曰く、少年院の子どもたちは、「頼りにされたい」「認められたい」という気持ちを強くもっているとのこと。そして子どもが殺人を犯しても、その問題を理解・受容しない親の存在を、著者は目撃している。これが元凶であり、答えなのではないかと思う。
いくら学校で認知機能トレーニングを行なったところで、家庭環境が乱れていれば元も子もない。しかし、成人した人間を矯正することは現実的に難しい。それを踏まえると、まだ幼い少年をトレーニングしたほうが、将来的に改善できる可能性は多少高いのかもしれない。非常に繊細で難しい問題である。
また、家庭と学校の外部に「第三の世界」を持つかどうかは、少年が自尊心を形成できるかどうかを大きく左右する。それは信頼できる他者・自分より弱い生き物・習い事・コミュニティなど、愛情と承認を得られる場所であれば成立する。例えば少年犯罪者たちにとっては、その場所が少年院であり、信頼できる大人が著者の存在だったように。
結局、問題は家庭内だけに閉じておらず、環境の多層化に成功できるかどうかが、少年を非行から遠ざける鍵になっていると私は思う。
Posted by ブクログ
イジメや虐待で被害者だった少年達が加害者になってしまっている現状、また支援がされていれば加害者ならずに生活できていたかもしれない少年達。
会社にいる境界知能だと思われる人達も同じミスを繰り返したり、質問に対する返答がズレていたりする。
彼らの子供の話を聞くと、遺伝してるなと感じる事が多い。
知能の高い低い関係無く、子供の教育の一環にコグトレの様な内容を入れても良いのでは無いかと思いました。
家庭学習としても楽しめそうな気がしました。
そもそもイジメや虐待は、しなくて良い経験だと思うので早く無くなって欲しいかぎりです。
Posted by ブクログ
図形が正しく模写できないことが衝撃だった
今目の前に広がっている光景が歪んで見えてるのか
自分が見えている世界とは違うかもしれないとは
共感できるはずもないと思った
またそうしたことが気づかれずに大人に、親になって虐待を行うということも、恐ろしいと同時にああそうかとも思った
普通だと思っている忘れられた人が気づけないことはもちろんだが、おそらく普通の大多数が気づいてあげられないことが恐ろしいと思った
自分の中のかもしれないがひとつ増えたので読んだ価値があったと思う