【感想・ネタバレ】ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)のレビュー

あらすじ

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

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匿名

ネタバレ 購入済み

大切なのは気づくこと

認知機能についてなど知らなかったことが多く、勉強になりました。褒める、話を聞くだけでは子どもは変わらない。根本的な解決が必要だと気づきました。

#タメになる

0
2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者に好感が持てる 言葉の選び方、話題の選び方、熱意を感じさせながらも、その熱意含めた感情の扱いを心得ているような文体だと感じました。
「犯罪者」である患者たちへ、だから駄目だとか、または反対に許してやれと訴えるのではなく、「本人が努力や特訓をしなければならないが、努力をするためのきっかけを与えなければならない」とする姿勢に共感します。
また、明確に説明はされていませんが、言葉の端々から見れる著者の「犯罪というものの認識」が、「被害者を生んでしまった」ことに終始していることが好ましいです。「犯罪行為は悪」とも、「犯罪者の精神は悪」とも言っていません。その考え方は、個人的には新鮮で、感銘を受けました。

0
2025年12月06日

A

ネタバレ 購入済み

事実として

自分にはあたりまえのことでも、
人によっては当たり前ではないということ。
ケーキを人数に切り分けるだけのことなんて
特別な訓練をしなくても当たり前にできるようになることだと、
大抵の人は思ってしまうが
現実として、それができないどころか
等分にわけるということも思いつかない人々がいて
そこには、善悪以前の課題があるということを
思い知らされた。

3
2020年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一時期話題になった本だが、センセーショナルな書きぶりではなく著者の真摯な危機感が伝わってきた。安易な褒める教育ではなく実践的なトレーニングをという主張には共感する。ただ、当時よりはるかにSNSが普及し残念ながら軽度知的障害のある人がさらに搾取されやすい社会になってしまっているのではないか。教育や訓練のスピードが追い付いていないことにもどかしさを感じる。

P6 認知行動療法は「認知機能という能力に問題がないこと」を前提に考えられた手法です。認知機能に問題がある場合、効果ははっきりとは証明されていないのです。

P28 ”苦手なことをそれ以上させない”というのはとても恐ろしいことです。【中略】問題が発生している場合の「褒める教育」は問題の先送りにしかなりません。

P37 先のことを考えて計画を立てる力、つまり実行機能が弱いと、より安易な方法を選択したりするのです。世の中には「どうしてそんな馬鹿なことをしたのか」と思わざるを得ないような事件が多いですが、そこにも”後先を考える力の弱さ”が出ているのです。

P87 身体的不器用さについては、発達性協調運動症といった疾患概念があります。【中略】5~11歳の子供で約6%いるとされています。

P100 クラスで下から5人程度は、困っているにもかかわらず診断がつくことはありません(IQ70~84)

P111 軽度の知的障害は、中程度や重度よりも支援をそれほどしなくてもいいというわけではないのです。

P123 ”褒める””話を聞いてあげる”は、その場を繕うにはいいのですが、長い目で見た場合、根本的解決策ではないので逆に子供の問題を先送りにしているだけになってしまいます。

P125 そもそも「自尊感情が低い」ことは問題なのか、ということです。【中略】大人でもなかなか高く保てない自尊感情を、子供にだけ「低いから問題だ」と言っている支援者は、矛盾しているのです。【中略】無理に上げる必要もなく低いままでもいい、ありのままの現実の自分を受け入れていく強さが必要なのです。

P131 今の学校では、こういった学習の土台となる基礎的な認知能力をアセスメントしてそこに弱さがある児童にはトレーニングをさせる、といった系統的な支援がないのです。

P136 社会で必要とされる柔軟性、対人コミュニケーションの能力、臨機応変な対応などはWISC検査では計られないので、IQは高いが融通が利かない、IQは低いが要領がいい、といった子供の問題や特徴は見落とされがちなのです。【中略】検査を受けたばかりに逆に支援が受けられなくなる子供たちをたくさん作ってしまうのです。

P150 自己に注意を向けることで自己洞察や事故内政が生じる背景に、自覚状態理論というものがあります。【中略】自己に注意を向けさせる方法として、他人から見られている、自分の姿を鏡で見る、自分の声を聴く、などがあります。

P153 子供の心に扉があるとすれば、その取っ手は内側にしかついていない。

0
2025年12月21日

ネタバレ 購入済み

新しい考え方に出会えた書籍

犯罪自体は良くない事で、判断能力に欠けておりなどニュースで聞くと、そうは言ってももし被害者家族だとしたら、許せるわけが無いと言う考えでした。
基本的には変わりませんが、
この書籍を読んで、自分たちのあたりまえの感覚を
もてない、知能だったり、そうなっている環境、
また、脳との関係、これを知っているかどうかで
自分の価値観が少し変わると思いました。

#深い #タメになる

0
2023年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪を犯す少年たちが社会から「忘れられた」少年たちであるという点が印象に残りました。一見普通の子の様に見えていても、実際には歪んで物事が見えてしまっていることによって苦しんでいる…。でも社会からはその苦しみを見つけてもらえず、先のことを考える力がないため、その瞬間の欲望を満たすためだけの気持ちで簡単に犯罪に手を染めてしまう…という負のループに陥ってしまっていることに気づかされました。物事が歪んで見えてしまっている彼らを救うためにはどうすれば良いのかと考えさせられました。

0
2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世の中の知的障害者の9割?が軽度で、そのほとんどが周りの人には「すごく頭の悪い人」「協調性がない人」と思われる程度で支援を受けられない(本当は支援が必要なのに、本人すら気づいていない)と言う事実に戦慄した。自分が親になったらもう一度読みたい本。

0
2025年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学力試験や知能検査だけでは認知機能の弱さは見抜けず、一度「問題ない」と判断されると、本人や親の責任とされてしまう。しかし実際には、認知機能の低さなどを背景に学校からドロップアウトし、非行や犯罪を経て少年院に至るケースも少なくない。さらに、認知行動療法は一定の認知力を前提とするため十分に効果が出にくく、教育・医療・更生の支援がかみ合わないというミスマッチが生じている。

貧困との関連は本書では扱われていないものの、脳機能の弱さが学習や就労を阻害し、それが貧困につながるという負のループも指摘されている。こうした背景を踏まえると、脳の可塑性を生かした支援や訓練の確立を期待したくなる。

0
2025年12月06日

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