宮口幸治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021/06/01
入門書としては、かなり優れた一冊になっている。マンガの内容も短くまとめられており、理解しやすかった。
本書では、小学生年代のケーススタディを扱っていたが、困難を抱える子どもは中高生にもいる。そんな子どもたちの支援にも役立てられる方法が載っていた。
大人の社会にも、困難を抱える人は多い。私から見て「あいつ仕事できないな」という人も、困難を抱えているのかもしれない。だとしたら、合理的配慮や支援が必要だ。その人の課題を解決することで、その他の人の課題も解消されるかもしれない(ユニバーサルデザイン)。
大人の場合、行動を「能力」として捉えがちだが、「特性」と再認識することで、 -
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期間限定無料に惹かれて読了。
読んでいてとても気が重くなる。だが、今こうしている間にも起こっている出来事なのだと思うと目を背けるのも憚られた。
タイトル通り、非行少年達はケーキに見立てた円形をベンツマークのように三等分できないのだが、もう一つ印象深いテストが物語冒頭で出てきた。四角形や円形、三角形がごっちゃになった複雑な図形を見ながら真似して描き上げるというもの。
「できました」と誇らしげに渡してきた彼の描いた図形は、フリーハンドだからとかというレベルをはるかに超えていた。別物だ。列車の線路のようにまっすぐな図形を描いてきたシーンに、ぞっとした。
働く主人公には畏敬の念を覚える -
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子どもを持つ前に読めて良かった
漫画版の第1巻を読んだ後、購入しました。読書が苦手な方に漫画版、とてもおすすめです。
過去を振り返って、知らず知らずに見過ごしてきた発達障害、発達遅延、知的障害の人達もいるのだろうと思いながら読みました。将来自分に子供ができたら、そしてもしその子が何らかの障害があったら、どうやって育てていくべきなのか、考えさせられる書籍でした。
目に見えづらく、目を逸らしがちな、しかし向き合うべき少年達と彼らに関わる人々の苦悩をご自身の経験からわかりやすく説明してくれている筆者の方に感謝いたします。 -
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社会とは何か
知的な凸凹が招く、社会的受容感の欠落からの犯罪
少年院の中では優等生で明るい表情をしていた少年が殺人罪を犯してしまう悲しみ。社会構造が生み出す能力の凸凹による苦しみ。
自分より下の世界に行けば、生き生きと光り輝き自由に振る舞え、自分の良いところが目立つ
対して
自分より上の世界に行けば悪いところばかりが浮き彫りになり、苦しくて息もできないような毎日を送ることになる
そんな経験、誰にでもあるのではないだろうか
いろんな人間がいる
どこで何をすれば良いのか
どの場所なら苦しまずに生きていけるのか
そういうものを探す勇気や探すことを諦めずに手伝える人 -
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ケーキ
何か問題を起こしたときに、その行為を反省できれば、その人は成長できるであろう。しかし、自分の行為やそれが周囲に与える影響を認知することができなければ、反省することすらできない。その結果として、成長できずに同じ問題を繰り返してしまう。
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Posted by ブクログ
1時間程で十分読み切れる本であった。
非行少年たちの中には知的にハンディを持った少年がたくさんおり、彼らに彼らの罪を反省させるためには、そもそも彼らが罪を理解しているかどう認知しているかについて知る必要がある。
簡単な足し算や引き算の計算すらできず、認知が歪んでいる少年たちが自分の犯した罪について長々と説教くらったところで右から左に聞き流しているようなものであり、話の一部を理解できているかすら怪しい。
表現の幅が狭く自らの感情を思い通りに表現できずすべてを「イライラする」でまとめてしまうあたりにリアリティーを感じた。
これらの現状を打破するためには幼年期からの支援、つまり学校教育での支 -
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ドキッとする
精神的な問題て難しい問題で、誰もが抱える問題だと思うし、私もりんご5つを3人に上手に分けられる自信はちょっとなくてドキッとしちゃいました。