宮口幸治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
このシリーズは全て読んだけれど、3作目のこれが一番良かった。
今までと比べると、非行少年に限らずターゲットとする人物像がぐっと広がった気がして、そこがすごく良かった。誰しも多少なりともある「歪み」がひどくなった先に、「犯罪」があるんだぞ、というメッセージを感じた。「まさか自分が犯罪なんて」と思うかもしれないが、ここに挙げられた「歪み」は誰にでも身に覚えがあるもので、決して他人事ではないという自戒を大事にしようと思った。
特に「第3章 身近にある歪み」で挙げられた「いい人をやめよう」「みんなと同じでなくていい」「やられたらやり返せ」などの、世間でよく言われるような言葉を都合よく真に受けていい -
Posted by ブクログ
非行少年の中には境界知能の子であったり、認知機能に問題がある(福祉が介入すべき障害がある)、ということがテーマの本だったんだけど、少年犯罪という社会問題に限らず参考になるので色んな人が読めばいいと思った。
例えば(私自身もそうなんだけど)子育て中の人、
仕事で部下を育てたりマネジメントしている人も参考になると思う。
なぜこの人(子)は大多数の人たちができることもできないのか?
なぜこの人(子)はこんな行動をするのか?
本人のやる気や親/上司の関わり方ではなく、本人のやる気の問題でもなく、認知機能に問題があるのかも?と思ったら対応方法は変わってくる。
コグトレは非行少年のトレーニング用の -
Posted by ブクログ
ケーキの切れない非行少年たち
2025.10.22
大学で現代社会と人権の講義をうけ、この本の存在を思い出した。
講義内でも『3等分せよ』と先生が投げかけて、結構色々な答えがあった。ある程度同じぐらいの学力を持つ集団内でさえそれはないだろ〜と思ってしまうようなものもあって、本当に人それぞれ世界の見方は違うと実感。この話は非行少年に限らず、誰にでも当てはまるものだ。またバックグラウンドがどの程度私たちの価値観に影響を与えるのか気になる。
ひとはだれでも置かれた環境では頑張っているという話があるが、頑張る方向が正しく認められないだけで非行少年も頑張っているのだろう。
偏見や価値観とどのように向き -
Posted by ブクログ
『ケーキの切れない非行少年たち』を読み、罪を犯した少年たちの背景には多くの苦難があることを知りました。彼らの多くは、自分の行いを反省し前に進もうとしています。しかし、能力的な困難を抱えているためにうまくいかず、再び負の循環に陥ってしまうのだと感じました。
特に心に残ったのは、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちの生きづらさです。努力をしても報われにくく、学校生活の中で周囲との違いに苦しんでいる姿が目に浮かびました。教員という立場で関わるなら、そうした子どもたちの生きづらさを少しでも軽くできるようにしたいと強く思いました。
また、社会全体についても考えさせられました。私たちは目に見え