宮口幸治のレビュー一覧
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講義で教われないこと
教員をしています。この本で書かれていることを知らずに過ごすことで、どれほどたくさんの子どもたちのSOSを見逃してきたのかと思うと、より学んでいかなければならないと身に染みました。
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購入済み
多く教育者に読んでもらいたい
困っている子どもは見つかる。
本人は何に困っているかわからない。
でもその困り感を取り除いてあげることで楽に生きることができるだろう。
最後に書いてあったように、まずそれを担うのは間違いなく学校。
非行を犯し、少年院で反省する前にできることがある。
教育や学習の力を信じたくなりました。 -
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ネタバレ著者に好感が持てる 言葉の選び方、話題の選び方、熱意を感じさせながらも、その熱意含めた感情の扱いを心得ているような文体だと感じました。
「犯罪者」である患者たちへ、だから駄目だとか、または反対に許してやれと訴えるのではなく、「本人が努力や特訓をしなければならないが、努力をするためのきっかけを与えなければならない」とする姿勢に共感します。
また、明確に説明はされていませんが、言葉の端々から見れる著者の「犯罪というものの認識」が、「被害者を生んでしまった」ことに終始していることが好ましいです。「犯罪行為は悪」とも、「犯罪者の精神は悪」とも言っていません。その考え方は、個人的には新鮮で、感銘を受けま -
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「ケーキの切れない非行少年たち」の著者が境界知能(定型発達と軽度知的障害の間)について論じた一冊。注目すべきは人数の多さ(人口の約14%)、存在の気づかれなさ、適切な介入で改善される可能性をあげています。なお、刑務所にいる人たちの約4割が境界知能に相当するとか。軽度知的障害と違い、これまであまり研究されておらず、今回著者は境界知能がこれまでどのように扱われ、定義されたか、そしてどのように対応していけばいいかをまとめています。少々専門的に書かれていますので、著者の「ケーキの切れない…」や「どうしても頑張れない人たち」を先に読んでいた方が理解しやすいかもしれません。
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Posted by ブクログ
「ケーキの切れない非行少年たち」は、少年院に入っている子どもたちの多くが、認知機能に問題を抱えているという衝撃的な事実を明らかにした本である。著者の宮口幸治氏は、児童精神科医として長年、少年院で子どもたちと向き合ってきた経験から、この事実に気づいたという。
本書で紹介される子どもたちは、ケーキを均等に切ることができなかったり、簡単な計算ができなかったりと、日常生活を送る上で必要な基本的な能力に欠けている。しかし、彼らは決して知的障害者ではない。むしろ、平均以上の知能を持っているケースも少なくない。
では、なぜ彼らはこのような問題を抱えているのだろうか。宮口氏は、その原因を「認知機能の偏り」にあ -
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マイルドに言ってるけど「子どもの頃あなたはコツコツ勉強できたの?できてなかったよね?それなのに子どもにはやれっていうの?」とか「あなたはダイエットどうなってるの?って毎日聞かれていいわけ?」というようなこと指摘してて(私の感想です)
ほ ん と そ れ な
本書は本質的に子どもも大人も孤立しないこと、それと学びの関連についての最終章が最大の読みどころです。著者2名の優しさ、愛情、そしてなによりも子どもにも大人にも幸せであってほしいというおもいに、心をうたれます。自分も周囲の方にこういった支援的な関わりをしたいと、強く思いました。
また、お金やモノのための学びも大切であるとしながらも『あなた -
Posted by ブクログ
児童精神科医としての病院勤務を経て、少年院で法務技官となり、現在大学の先生となった筆者の仕事ぶりがわかる書籍。医師であり法務技官であったからこそ出てきた結論が書かれている。
少年院に送られてきた子どもたちにはどんな特性があるのか、そこに焦点を当てて対応策を考えないと、出所後も彼らの人生における困難は変わらない。対人スキルの問題も理解力の問題も、知的境界領域にある子どもたちゆえの特性とわかれば対応の仕方も変わってくるのだろうが、彼らの場合は、彼らの特性に気づける大人がいなかったから少年院に来るようなことになってしまったと筆者は言う。
主張は明確で繰り返されているので読みやすいが、終始同じ主張が繰