宮口幸治のレビュー一覧
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それぞれ障害を持つ親子の物語である。
3話あるが、どれも母親の方が我が子の問題に気づき、もしかしたら…と専門医に診せてわかるのであるが、これはずっと付き合っていかなければならない問題でもあり、どのように理解して上手く生活していくかがいかに大切かということがわかる。
物語というよりも実際にある例を記述したような感じである。
第1話では、小学4年の息子が塾に通っているにも関わらず成績も悪く、学校生活でも友だちとの会話が成立できてないのでは…ということから境界知能(IQ70〜84)であることがわかる。IQ69以下が知的障害とされるが、境界知能は気づかれにくく、思うように生成も伸びずにしんどくて辛い。
第2話は、注意欠如・多動性(ADHD)という発達障害である。IQは92で知的に問題はなくても不注意から学業不振につながることもあるが、落ち着きのなさから不注意と多動性の両方があると親からすれば常に振り回されている状態である。
第3話は、自閉スペクトラム症(ASD)で対人関係のしんどさやこだわり、間隔過敏などが見られ同級生とのトラブルもある。夫も医療従事者であり、自分も精神科医であるが、自身も癌の手術を受けた後で尚且つ旦那の父が認知症で母が脳出血で倒れるということで、しばらくは仕事を辞めて息子と向き合うことに。
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Posted by ブクログ
2019年7月刊行の「ケーキの切れない非行少年たち」を、2020年にコミック版で、2022年に小説版で刊行。小説版は精神科医六麦克彦の目から見た事例を紹介しています。個人的には小説よりも原本の方が読みやすかったです。
【まえがき】
男子少年院、女子少年院、医療少年院併せて全国に約50か所、1年間に約1600人程度入院(令和3年度版犯罪白書より)。2000年~2001年の新規入院者数は年間6000人を超えていたが、最近は減少傾向にある。事件を起こして家庭裁判所で処理された年間約4万4000人の非行少年の内わずか3.7%程度が少年院に約1年程度入院。
【第1章 田町雪人】加害者には軽度の知的障害があり、父親のDV、離婚、父親の刑務所入所、母親のネグレクト、養護施設生活、暴力・万引き・窃盗などにより少年院へ。出所後仕事がうまくいかず、地元の先輩に利用されて振り込め詐欺の片棒を担がされ、うまくいかずに友人に借金、金を返せずその友人と口論になり殺人、再度少年院へ。先輩に「信頼できる」等言われて期待に応えようと転落していく姿が切ない。
【第2章 門倉恭子】IQ79の境界知能レベル。15歳で父親の特定できない子を妊娠。中学の担任に暴力をふるい少年院へ。暴力防止プログラムを受ける。母にDV傾向があり、異母弟に暴力をふるう。出産、出所後、娘への虐待が発覚し、娘は施設へ。
【第3章 荒井路彦】IQ73で境界知能レベル。父子家庭で、厳しい父を困らせようと放火、隣家も延焼、女性が焼死。父は毎日面会へ。中学卒業後は就職し、父と一緒に被害者遺族への賠償のために働く。
【第4章 出光亮一】自閉症スペクトラム。離婚後父子家庭。14歳で近所の長馴染みに公衆トイレでいたずらし少年院へ。出院後再犯し少年院へ。懸命に息子を支えてきていた父の心が折れて失踪。ようやく見つかった施設に入居。
【第5章 少年たちのその後】門倉恭子は親子再統合プログラムを受け、20歳で実家を出てアルバイトしながら母子2人暮らし。田町雪人は裁判で懲役13年。 -
Posted by ブクログ
「非行少年」シリーズの第三弾です。
一弾目は境界知能の存在とIQテストの話と、認知能力や実行能力の欠如とそれを埋めるための取り組みの話、二弾目は一弾目への補足となるような境界知能についての補足の話でした(記憶のため、後でまた訂正します)。
今回は「認知の歪み」をテーマにしていて、「世の中に起こるあらゆるトラブルは、認知の歪みから起こっている」という話です。自分の思う正しさを実行したところで、あらぬフィードバック(反応)が返ってくるのは、認知そのものが歪んでいるということです。
心理学でいうABC理論の話を、「歪み」と表現していてるのでしょう。精神科領域ではこれに対して「認知行動療法」がありますが、そのような専門的な話も無し。一般向けの本です。
正直なところ、非行少年のエピソードも前作までと比較して減った印象があり、ネタ切れといえばネタ切れなのでしょう。
個人的には、「歪み」は誰にでもあるわけで、犯罪や軽犯罪に到達するには、「歪み」が強い方向性に醸成されるための機序が存在すると考えます(環境もしくは先天性の気質)。専門家として、そこを深く追及して欲しかったです。