宮口幸治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
●子どもが「明日を見通せる地図」を持てるようになるための具体的な視座を提示した本。
●一人の大人として子どもの成長に寄与できることを考える。→子どものやる気を育むための知見を学べた。
●児童精神科医でもある著者は、子どものやる気を引き出すためには「見通し・目的・使命感」を持たせることの重要性を説く。大人が良かれと思って放つ「努力しないと厳しいよ」という言葉が、実は子どもの地図を塗りつぶす「負の暗示」になっているという指摘には、多くの大人がハッとさせられるはずだ。「あなたが生まれてきたから、親が苦労している」と祖母から言われた子、片目を失明しても親に知らせられなかった子のことを本書で触れているが -
Posted by ブクログ
1. 「当たり前」の崩壊と衝撃
認知の歪みの可視化: 少年たちが描いた歪んだ図形は、彼らが見ている世界の写し鏡である。
反省の前提条件: 「反省」とは高度な認知能力(客観視・因果関係の理解・他者への共感)が必要であり、その土台がない状態では「反省しろ」という言葉すら届かない。
見えない境界: 知的障害とは診断されない「境界知能」の方々が、社会の「当たり前」から取り残されている実態。
2. コミュニケーションへの応用(子育て・対人関係)
「できない」を「やらない」と混同しない: 相手の不手際を「やる気」や「性格」のせいにせず、「認知のキャパシティ(脳の処理能力)」の問題ではないかと一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ児童精神科医で、病院や医療少年院といった施設での勤務経験を持ち、非行少年と接する著者が、生育環境によって治療も受けられない、発達障害や知的障害を持つ少年たちが非行を起こしてしまう実態やそのメカニズム、構造上の問題、認知トレーニングによる改善の手立てについて述べた本。
本の帯には「2020年のベストセラー」となっていて、確かにひと昔前に、ケーキがいびつに「三等分」された図とともに話題になっていたような記憶がある。確かに今の学校でも「スペクトルの中に位置付けられた発達障害や学習障害」を抱える生徒たちに接することは結構あるし、なんだったらその保護者とか、なんだったらおれも、ある意味では発達障害的 -
Posted by ブクログ
支援の現場で、境界知能だなと思うケースが多く、端的にタイトルになっている本書を見つけたので読んでみたのだが、ある程度、発達心理学とか認知心理学とか障害福祉関連とか、そのあたりの知識がないとちょっと難しいかも。
丁寧に説明してくれてはいるが、結構学術的な記述が多くて、それなりに臨床での経験がないと理解しにくい。
文字組みも大きくてページ数も少なくて新書だし、と『ケーキの切れない〜』シリーズと同じような感覚で手にすると面食らうかもしれない。
ただ、実際に臨床場面でそういう人たちに接している人には、具体的にどう援助するのが効果的か説明があるので助けになりそう。
最終章で言及されているジローナ宣言 -
Posted by ブクログ
再読。発達方面で仕事をしていたこともあるし、今もかかわっている。ときどき自閉系でもなく、多動があるわけでもない、でも集団行動になじめない、という子はいるものだ。院生時代、Mikd mental retardationというのは、論文で読んでいたし、知識がないわけじゃない。ただ、統計上何人に一人は必ずここにあてはまる、といわれると、どこかキツネにつままれた、という気はしてしまう。能力で統計をとると、正規分布を描くし、一定の割合この中にはいるというのは、理屈ではわかるんだけどね。
実行機能の役割とか、最近読んだ別の本でも出ていた。自分が論文を書いていた時、プランニングとか実行機能って研究してみ -
Posted by ブクログ
『くらげバンチ』2024.9〜2025.1
第九巻より続く。
覚醒剤使用で女子少年院に入ってきた子の使用経過と退院。
幻覚に苦しめられていた瑠花が、ようやく退院することになるが、すぐに、新しい薬物依存の女子が入ってくる。
また、九巻に出てきた認知機能に問題がある少年への矯正教育のため、主人公の六麦医師が開発した認知機能強化トレーニング。
開発当初は少年からも意味がないと反発され、職員からも反対が多かった。改良を重ねて、少年たちのやる気もでてきた。
小学校から中学校に上がるにつれ、急に勉強の難易度が上がり、ついていけず非行に走る子供たち。急に方程式など教えるのではなく、考える習慣をつけさせ -
Posted by ブクログ
『くらげバンチ』2024.2〜2024.7
今回は、彼氏に使用させられた覚醒剤のフラッシュバックで、幻覚に苦しめられる女子のその後と、小学校からずっと面倒を見てきた障害を持った子が少年院に入ってしまい、葛藤する小学校の先生のストーリー。
特に、小学校で手を焼かれていた友典が、特別支援教育コーディネーターの井伊先生に心を開き、小学校卒業の頃には得意分野を他人に教えられるまでになり、前向きになる。読んでいる私までうるっときてしまう。
しかし、中学からは勉強も難しく、先生も厳しく、人間関係も複雑になり、孤立化して非行の道に入る子どもが非常に多いということだ。
とりあえず次の巻に進みます。