宮口幸治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
栃木県でトクリュウによると思われる強盗殺人事件が起きた。実行役は高校生4人組。住人の女性だけでなく、飼い犬も殺し、息子2人にも大怪我を負わせた。犯行内容はかなり惨い。しかし犯行後すぐに捕まったり、犯行前にも不審な行動を付近の住人に目撃されていたりと手口は杜撰で、素人でも「これで捕まらないと思ったのか?」と疑問に思う程だ。それなのにあんなに惨い殺害方法をしている。このギャップに違和感を感じざるを得ない。
多くの人はきっと指示役にこの犯罪を持ちかけられた時点で受けることすらしない(弱みを握られていたとしても、だ)。実行役の高校生には境界知能や発達障害など、何かしらの特性を持つ可能性があるのでは、と個人的に思い至り、昔話題になった本書を思い出し読んでみた。
第一章の目次"「反省以前」の子どもたち"から、あーそうなのか...と。
もう自分たちとは前提条件が違いすぎて、可哀想ではあるけども極力関わりたくはないし身近にいると恐怖を感じてしまう存在だと思った。
こういった子供たち全員を取りこぼさずに教育していくことは極めて難しく感じる。グレーゾーンにいる子どもたちを巧妙に利用する手口は今後も増えていくのではないか。そして、その結果として今回のように実行役として利用される事件は今後も起こり得るのではないかと感じた。 -
Posted by ブクログ
☆3.5
3巻まで読んだ。未完結。
見識を広げたい、くらいの感覚で読み始めたけどきついな。
少年院に入ってくる子たちの中には、 境界知能の子も多く、その子供たちに対してスポットライトを当てた作品。
犯罪を起こしてしまう背景や理由がある、というのは理解できるし、その子達の特性を理解したうえで再犯しないように教えていく、ということも大事。
それは分かるんだけど、自分がなんで少年院に居るのか分かってない子もたまに居るって書いてあって、ちょっとゾッとしてしまった・・・。悪気なく犯罪をしてしまい、なぜダメなのかを懇切丁寧に教えなければわからない(教えてもわからない)人が世の中に居るの怖くない・・・?
犯罪を犯す前に福祉や教育に繋げれるように、誰もがもっと生きやすい社会にしていくというのが重要だと痛感するけど、簡単な話じゃないよなぁ。 -
Posted by ブクログ
一生懸命やっているのに、どうしても勉強についていけない子がいる。
それは努力不足ではなく、脳の特性かもしれない。
境界知能について皆に知って欲しい。特に教育者は全員に知って欲しい。
境界知能と言われる人は、実は7人に1人いる。決して珍しい存在ではない。
このIQになると、日常のいろんなことができにくい。
残念ながら学生時代の中心にある勉強に着いていくのは、厳しくなりがちである。
その現実を本人ではなく、周囲が正しく知ってあげて欲しい。
IQで人をラベリングするのはよくないと個人的には考えている。
一方で、IQによる困りごとを一般化的な知識として社会が持っておくことは必要だと思っている。
この子は、もしかしたら、こんなことで困っているのではないか?
と目の前の誰かの困りごとに対しての想像力が豊かになるから。
ちなみに、IQは残念ながらかなりの部分が遺伝によるものだと言われている。
そして、厄介なことに脳の中身は目には見えない。
まったく勉強が進んでいないが、誰よりも一生懸命やっている子がいる。
一生懸命やっても上手くいかないから離脱する、それも実は当たり前の適応の結果と言える。
本人は一生懸命取り組んでいるにも関わらず、上手くできない。
そんなに悲しいことはない。
本来学生時代に評価されるべきは、勉強(今できないこと)に取り組む姿勢やプロセスそのものである。
別に勉強などできなくてもよい。
社会に出てから、自分の個性とともに上手くやっていく態度を培ってくれればそれでよい。
7人に1人が境界知能で困っているとするなら、それを知ることは僕たち1人1人が社会と上手くやることである。
本人は学習を苦手と感じがちなので、周囲が気付いて促してあげることが必要。
そもそも人は自分のことが一番分かりにくい、ものだし。
この本は、境界知能の本でしたが、ギフテッド(超高IQ)だって悩みはある。
悩みの種類こそ変わるが、平均値から外れると周囲と同調しにくい、という点で悩みは共通な部分もある。
どの層にも優劣などない。等しく高め合えると嬉しい。 -
Posted by ブクログ
●子どもが「明日を見通せる地図」を持てるようになるための具体的な視座を提示した本。
●一人の大人として子どもの成長に寄与できることを考える。→子どものやる気を育むための知見を学べた。
●児童精神科医でもある著者は、子どものやる気を引き出すためには「見通し・目的・使命感」を持たせることの重要性を説く。大人が良かれと思って放つ「努力しないと厳しいよ」という言葉が、実は子どもの地図を塗りつぶす「負の暗示」になっているという指摘には、多くの大人がハッとさせられるはずだ。「あなたが生まれてきたから、親が苦労している」と祖母から言われた子、片目を失明しても親に知らせられなかった子のことを本書で触れているが、その子が著者自身であることをあとがきで知らされ、衝撃を受けた。それゆえに本書に綴られた「子どもを孤独にさせない」「話の内容ではなく、話そうとした行為そのものに意味がある」という言葉の一つひとつに、重すぎるほどの説得力を感じる。 -
Posted by ブクログ
支援の現場で、境界知能だなと思うケースが多く、端的にタイトルになっている本書を見つけたので読んでみたのだが、ある程度、発達心理学とか認知心理学とか障害福祉関連とか、そのあたりの知識がないとちょっと難しいかも。
丁寧に説明してくれてはいるが、結構学術的な記述が多くて、それなりに臨床での経験がないと理解しにくい。
文字組みも大きくてページ数も少なくて新書だし、と『ケーキの切れない〜』シリーズと同じような感覚で手にすると面食らうかもしれない。
ただ、実際に臨床場面でそういう人たちに接している人には、具体的にどう援助するのが効果的か説明があるので助けになりそう。
最終章で言及されているジローナ宣言は、境界知能について、その概要や起きやすい困難、支援が必要な課題など、細大漏らさず、かつわかりやすく説明してくれているので、境界知能って?と思う人はここから読むといいかもしれない。