あらすじ
立方体の模写は、標準的な子どもであれば大体7歳から9歳までの間にクリアする課題である。しかし著者は少年院に、立方体が描けない中学生や高校生が数多く収容されていることに気づく。「見たり聞いたりする力の弱さが非行の原因なのでは?」と考え、認知機能を強化するトレーニング法を探すも、適当なものが見当たらない。「これは自分で作るしかない」と腹をくくり、周囲の協力も得て、社会性や身体性をも伸ばす教材「コグトレ」を考案。本書ではその内容と、少年たちがトレーニングで変化したプロセス、さらに子どものモチベーションについて親に知っておいてほしいことを綴る。 【目次より】●教科学習以前のレベル ●人の気持ちがわからない ●少年たちで教え合うほうが理解が進んだ ●社会面、学習面、身体面の3方向からの包括的支援 ●一般の学校にも広がる ●「なぜ、勉強するの?」と聞かれたら ●友だちとのコミュニケーションがうまくいかないときは etc.
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Posted by ブクログ
■困っている子供の特徴5点セット+1
①認知機能の弱さ
見たり、聞いたり、想像する力が弱い
②感情統制の弱さ
感情コントロールが苦手。他人の気持ちを理解できない
③融通の利かなさ
思い付きで行動する。困ったときの解決策が殆ど出てこない
④不適切な自己評価
自分には問題がないと思う
⑤対人スキルの乏しさ
人とのコミュニケーションが苦手
+1)身体的不器用さ
身体の使い方が不器用。力加減ができない
Posted by ブクログ
ベストセラー「ケーキの切れない非行少年たち」の著者よる、境界知能とされる子どもたちの認知能力をいかにしてあげていくかという実践の記録。少年刑務所において利用するために実際に著者が開発した「コグトレ」は、認知機能をあげていくための具体的なメニューが色々と工夫されている。非行少年だけではなく、一般の子どもや一部の大人にも応用可能な内容。新書なので簡単に読めた。
Posted by ブクログ
「ケーキの切れない非行少年たち」の続編として興味深く読んだ。
どの子にも平等に勉強する機会が与えられているけれど、家庭環境などによって、それは平等ではないことがある。学校でそういう子たちが救える現場であって欲しいと願う。
Posted by ブクログ
『ケーキを切れない非行少年たち』の続編。続編とは知らなかったので、こちらから読んでしまった。どちらかというと、状況に応じてどう現場が動くか、という実践集的な位置付け。
p.197 思考の硬さは、生きにくさの1つの要因になります。逆に「賢さ」の要素の1つに、思考の柔軟性が挙げられるのではないでしょうか。思考の17人は、何か突発的な問題が起こっても、的確な対応がしやすいのです。
p.197 また、最近、「展望記憶」と言う曲が注目されています。記憶力の問題と言うと「今これを覚えて下さい」の問題を出し、すぐ後で「何でしたか?」と聞く公式のものがほとんどです。もちろん、日常でもそういった記憶も必要ですが、それ以外に大切な記憶力は、これから先の未来に予定されていることについて、「いつ何をするのか」を覚えておくことです。例えば、寝る前に薬を飲む、火曜日はゴミを出す、今日の何時から打ち合わせがある、来週何時から約束がある、といった未来の予定についての記憶です。これらを展望記憶といいます。年齢を重ねると、この展望記憶が低下してきますので、コグトレでこの低下を防ぐトレーニングを行うこともできます。
Posted by ブクログ
前半は良かったが、中盤からコグトレの教材説明になり、集中力が切れてしまった。もう少し、コグトレを使っても良いのだが、学力をどのようにして伸ばしていったか詳細な説明があると良かった。
Posted by ブクログ
少年院の子達は、一つの回答しかできないからケーキがうまく切れない(三等分の時に、まず等分なのだからと真ん中で切ってしまう)。承認されることに飢えている。などの考え方