茂木健一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
仕事に関する本をこれまでに、おそらく10冊ほど読んだ。引っかかるフレーズや前書きがある本は端から端まで読んだ。
社会人になって三年。仕事面や人間関係でほぼ毎日、打ちひしがれていた。これまで人間関係で殆ど悩んだことがなかったので、世の中にはありえないほど折り合いの合わない人がいると知った時は、衝撃的だった。
私の考える人生には、仕事しかなかった。よって、仕事がうまくいく、それが私が幸せになる術である、としか頭になかった。とにかく私は、現状を打開したくてしかたなかった。その無理は、体調にも響いていた。
しかし、4年目を間近にした頃にふと気づく。ストレスは自分が、これは酷いストレスだ、と認識 -
Posted by ブクログ
ネタバレクオリアとは「赤いトマトを見るかんじ」などそのような感覚のことである。
あなたや私はつねにいろいろな景色を見るが、その「見ている」ことや「何かを飲む」ことは神経や脳内伝達物質の作用に他ならないのであるが、私たちは心の話だの心理学テストだのあたかも「心」があるかのような話をする。ただ、「心」なんていうものは体のどこを探してもどこにもないのだ。
その後著者はだまし絵や絵画を用いて「脳の思い込み」を再現しようとする。顔を認識する脳、あるはずもない図形を幻視したり、脳の働きを垣間見ることができる。また感情を司る「ミラーニューロン」も把握することができる。難しいが、平易な表現も多い。 -
Posted by ブクログ
日本の教育のあり方、新卒一括採用、停滞している日本経済等、これらを「脳」に注目して論じているのはとても面白いと思います。
決してそんなに単純な話ではない事だと承知していますが、「脳」の仕組みを理解してからこのような問題に取り組むと意外に最短で解決していけるのではないかと素人的には思ってしまいます。
本書の12章「アンチからオルタナティヴへ」の最後の文は心に響きます。
「自分の意思でどうにでもなると思いがちな人生さえ、革命を起こすことがいかに難しいか。社会という思い石が動き始めるのは、一人の生き方に革命が起こり、具体的な「オルタナティヴ」が示されてから、ずっと後のことなのだ。」
一人一人の生き方 -
Posted by ブクログ
「セレンディピティの時代」4
著者 茂木健一郎
出版 講談社
p134より引用
“勘違いしてふらついているより、「ここ」と決めた場所に根を
下ろしてみよう。”
脳科学者である著者による、偶然の幸運に出会いそれを活かす
方法について記された一冊。
セレンディピティとは何かについてからそれを活かす行動や注
意点についてまで、味のあるイラストと共に記されています。
上記の引用は、自由と不自由について書かれた章のまとめの一
文。多少不自由であったとしても、少し我慢して続けているうち
に自由に出来るようになることもあるように思います。
根がしっかりする前にあちこち動かすと、苗も枯れてしまう -
Posted by ブクログ
読みやすくて、おもしろかった!
気になったことをメモメモ。
・中国の美意識・・・一極集中だという。なるほど。
・海外に流出する中国人。リスク分散のハシュ(←携帯で漢字が出なかった)本能で、どこかがやばくなったら、そうではない親族のもとに逃げるという考え。
・「自分たちは先祖と同じ民族」
・日本は江戸基準 中国は清朝基準
・歴史的な経緯で染み付く、身体感覚・・・トラウマみたいなものか。過去こういうことがあったから、それを避けようとする。今読んでいる『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子)にもそういうことが書いてあったなぁ。感情と感覚。・・・あれ?感覚と感情?
・日本化する -
Posted by ブクログ
ネタバレ120924 冒頭より
脳を理解するという人類の試みは、実際絶望的と言ってもよいほどの壁にぶつかっている。脳科学の発達により、私たちの意識は脳の中の1000億個の神経細胞(ニューロン)の活動によって生み出されることがじょじょに分かってきているが、なぜ、脳の中の神経活動によって、私たちの意識が生み出されているのかが、皆目わからない。
120929 あとがきより
自分でも後あとまで心に残るものが書けた時というのは、書いている途中で、一体自分が何を書いているのかわからなくなった時であったように思う。
・・・この本を読んで思ったこと・・・茂木健一郎さんは、いったい何を書きたかったのか?そして、